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ポラリスの多世界  作者: 一
特異大魔法世界編
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#35 確実な成長


「お姉さま!」


「あ、リノ。そっちも終わったみたいだね。見た感じ怪我も無くてよかったよ」


「はい!リノは元気です!お姉さまも無事で何よりです」


「リノ、ありがとう。それしゃ、いよいよクエストといきますか。おそらくあの地面に抉れて見えているところが敵の本拠地ぽいかな」


マスター、あれはダンジョンです。先程の黒点域ブラックホールにより、表面が剥き出しになりました。地下から大量の気配値を観測。掃討しますか?》


「そうだね。ダンジョンの規模にもよるけれども中でどんなトラップや敵が存在するかわからないし、ここは大きく削ったほうがよさそうだ」


「リノも賛成です」


「それじゃ、ソラ。ダンジョンを観測をお願いします」


《わかりました。ダンジョン全域を観測します。観測掌握完了しました。このダンジョンは地下まで100階層あり、広大で入り組んでいます。大迷宮といった具合です。多数の魔物の気配を感知。掃討実行しますか?》


「イエスだ」


《では、地面に片手で構いませんので当ててください》


手のひらを地面に当てて、意識を集中させる。脳内にダンジョンが三次元で立体的に脳内に表示された。


《観測掌握完了。全ての階層含む、空間全域を捕捉。極小黒点域マイクロブラックホールを展開》


極小黒点域マイクロブラックホール


5㎜程度の極小黒点域マイクロブラックホールが大迷宮内全域でビックバンを起こした。小部屋から大部屋、全ての空間で爆ぜた。


何が起きているのか。局地的なビックバンは魔法とは違う原則原理の多次元攻撃。


魔法障壁、魔報防壁、魔報遮断、あらゆる耐性や無効などは意味を介せず、爆発と共に弾け飛んだ。


意識して死を迎えた者は何名いるのだろうか。

瞬時に回避できたものは何名いたのだろうか。

否、魔神王含む、全ての魔人、魔獣は意識するまでもなく刹那の爆発に巻き込まれた。


地鳴りが地の底からヘリオス平原全域に鳴り響いた。


《99%の対象を掃討に成功。続いて連続して攻撃を開始》


5㎜の極小黒点域マイクロブラックホール。目を凝らして見なければ塵のような存在。


ソラの報告によれば、敵は99%は掃討した。残り1%はやはり魔神王だろうか。

引き続き、間髪入れずに連続攻撃を続ける。異世界で魔法の世界であれば、もしかしたら、蘇生魔法のような反則魔法をされてしまうと面倒だ。しかも、ラスボスがこの攻撃を耐えているのも面倒だ。出来れば直接、戦いをせずに終わらせたいところ。果たして上手くいくのか。




ドドドドドドドドド!!!!




地鳴りが大きく木霊し、ヘリオス山脈も揺れる。入口らしきところや、僕たちが抉った攻撃跡から爆発が噴き出てきた。


「ソラ、少し出力を上げるよ」


《かしこまりました》


「リノは周囲を警戒」


「はい!お姉さま!」


リノのスキル『万能感知』で周囲を索敵する。今のところは地上には僕ら以外には敵らしき反応は無いようだ。


極小黒点域マイクロブラックホール:全域展開出力上昇』



ドドドドドドドドド!!!!



噴き出る爆炎が火柱のように吹き続けている。ヘリオス山脈からも。

古城と繋がっていたのだろうか。


さすが、魔神王がいると言われるダンジョン。広大な敷地に階層も地下100階まである。しかも、爆炎の火柱が噴き出ている数を見るあたり、ヘリオス山脈にも数多く広がっている。


これは、最難関クエストになる筈だ。先程、戦ったリリベアという場人もこの世界においては強者に分類される上位な魔人なのだろう。


先程の戦闘を振り返ってみて、ポラリスは改めてそう思った。

ソラさんもリリベアが上位魔人と識別していたし、魔法陣の大きさや威力、吸収したエネルギーを見ても、膨大である。


この地下にはあと、リリベアの魔人並みの上位魔人が存在するのか、それらを統べる魔神王はどんな人物なのか。


答えは明らかだ。リリベアよりも強いということ。

もしかしたら、このクエストは冒険者が受ける類のものではなくて、勇者のような特別なスキルや能力を有した存在が受けるべきクエストなのかも知れない。


お金欲しさとはいえ、最難関のクエストもこうしてリノも僕も今のところは無事だ。


この魔法の特異界において、僕らが原理原則から外れた攻撃をしているのは間違いないが、逆に、僕らにとっても原理原則から外れた魔法という未知の攻撃を受けていることは確かだ。


そこに公平も不公平も無い。



今持てる、実力を余すことなくぶつけるだけのこと。

そして、このクエストで成長できることはきっとある。黒点域ブラックホールの威力を調節できることも新しい発見だし、今まで吸収してきたエネルギーが、僕に還元されているおかげか、威力も上がって、精度も観測範囲も大幅に向上している。


僕にはまだまだ伸び代がある。

根拠があるわけでは無いけれども、ソラさんに教えて貰ったわけでもないけれども、還元されていくエネルギーのせいか、根拠のないけれど、確信に近い自身が実力となっている気がするのだ。


魔神王、どうだ。

僕の攻撃は届いているのか。


僕はここで躓くようでは、歪みの者との戦闘ではもっと躓くことになる。これはリハビリだ。


手に力が入る。


力を更に込めると同時に、爆炎の柱が威力を上げて轟音を立てて噴き出した。


間違い無い。

僕は確実に成長している。



大迷宮はポラリスの全方位攻撃で100%の損害を受け大迷宮や要塞としての機能は崩壊した。


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