第66話 芽維たんは実力テストの順位が1位だったらしい
「一緒の部活に入れるなんて嬉しいです!」
芽維たん、私も嬉しい!
「授業後に、入部届けを出しにいきましょう」
楽しみ、楽しみ。
3時間目、先生が衝撃発言。
「昼に、食堂に実力テスト順位が各学年30位まで張り出されるからな。個人成績表は明日にでも返されるだろう。そうそう、一般常識テストは今日の午後返却だ」
テストの結果がついに!
……って、衝撃ってほどでもないけどな。
帰ってきたテストの点数を合計すると、463点だった。これって、結構頑張ったんじゃない?平均93点だよ?もしかして、30位までにのっちゃったりしない?
1位 三笠蔵丈之新 500点
1位 高円寺嘉久 500点
1位 鈴木芽維 500点
あ、うん。順当だよね。攻略対象と、特待のヒロインが1位ってのは。
それから……。満点の1位が他に3名。
うえええっ!ヒロイン候補、攻略対象候補が、まだ他に3名も?
ちょっと、ちょっと、聞いてないよぉ!
あ、うん。初めから何も聞いてないんだけどね。
さ・ら・に、
499点が4名。498点が2名に………。
30位が、490点。
なんじゃこりゃぁっ!
……。そういえば、KHTで、キングの座をとるために学力も関係あったし……。特待制度があるんだから、芽維たん以外の特待生がいたって不思議じゃないよねぇ?運動部の特待生は、女子バレー部だけでも何人かいたみたいだし。
えー、もうやだー。特待生っていったい全部で何人いるのよぅっ。
庶民だっていじめられそうな、特待でそれなりの容姿の子……芽維たんの他に、何人いるの?
ぐぐぐっ。あ、それだけじゃないね。攻略対象にも庶民で特待な人がいるかもしれないよね?
あー、もう!
マジで、攻略本じゃなくていいよ!登場人物だけでも教えてくれなくちゃ!
何とかして知る方法ないのかな?
この「私立学園花乱舞」に似てるけどなんか違うゲームとか、こっちの世界にないの?流石に、ゲーム内に、このゲーム関連のものは無いかな?
ぐぬぬぬぅっ。
せめて、破滅ってどの程度なのか分かれば……。
ラノベの世界だと自殺事故他殺含め、「死」っていうのも結構ある。
没落、追放とかなら、もともと庶民だし全然平気。破滅が死じゃないなら、攻略対象とかヒロインとか破滅フラグとか全部無視してやりたいようにやるのに!
……はぁ。死ぬのはやだ。
あ、もう一度死んでるんだけどさ。せっかく生き返れたというか生まれ変わったんだもの。もう一度BL謳歌したいよ!
BLを一度も見ずして第二の人生終わるわけにはいかないよ!
「あ、田中くん、おしかったね、496点だったんだ」
「鈴木はさすがだなぁ」
なぬ?
田中、おまえ、普メンでもって、運動部のくせに、496点だと?
「皐月さんとおんなじだね~」
……。
名前載ってないの、友達の中では、私だけだったよ。
私一人……。
一人……。
ボッチだ、ボッチ。
うわあぁーーーんっ。お兄ちゃんに勉強見てもらうからいいもんね!数学がんばったら、私だって、私だって……。
ぐすん。平均で93点もあったのに。前世では見たこともない高得点だったのに。
えっぐ、えっぐ。
「いい気になるなよ!」
「ちょっと勉強ができるからって、いい気にならないことね!」
あう?
悪役っぽい台詞がどこからか聞こえてくる。
きょろきょろ。
声はちょっと離れたところだ。一人の女性徒が数人の女性徒に囲まれているところと、一人の背の高いひょろっとした男子生徒が、数人の男子生徒に囲まれているところ、その二つが声の発生源らしい。
あー、もしかして、ヒロイン候補と、攻略対象候補かな。もういいや。とりあえずクラスが別だから、考えないようにしよう。
しっかし、言われるもんだねぇ。芽維たんは、全然言われない。クラスメートがみんな良い人なのかな?よかったよかった。
あ、じゃなくて、言うべきはずだった私、悪役令嬢の私が言わないから、誰も言わないのか。
言ってみる?
「芽維さん、いい気にならないことね」
とか?
って、はっ!
脳内の言葉が、今、口から漏れてた?
ちょ、ちょ、ひゃばい!ひぞうにはばい……。
ああ、うろたえて日本語が日本語にならない。どうしよう、悪役令嬢破滅への道の第一歩的台詞を口にしちゃった……。
そんなことより、これって……。
ボッチへ逆戻りとかぁ?
いーやーだぁーーーーーっ!
あ、そんなことよりじゃないんだけど、破滅もだめなんだけど。
あわ、あわ、あわっ!
「えへへ、そうだね。満点だったからって、いい気になっちゃったらだめだよね。ほんの少しの差で、すぐに順位落ちちゃうみたいだから。ありがとう、璃々亜さん。私、これからもがんばるよ!」
め、芽維たん。
「そうですわ!たった4点の差ですもの!次は負けませんわ!」
さ、皐月たんっ!
「あー、白川さんもがんばろうね?」
た、田中……、そ、その通りなんだけどさ。
「はい。皆で頑張りましょう」
結果を見たら、教室に戻ってお弁当タイムです。
「流石、璃々亜様ですわね」
と、皐月たんが廊下を歩きながら小声で話しかけてきた。
「あそこで、璃々亜様があのように言えば、もう誰も芽維さんに言えませんものね。あそこであのタイミングであの台詞。とてもまねできませんわ」
はい?私、何か皐月たんに褒められるようなことしましたっけ?
ご覧いただきありがとうございます。
璃々亜ってば、また脳内がだだもれしてます。
結果オーライだけど、気をつけようね?




