閑話*お年玉2
一つ前の続き
と、とにかく、中身を確認して、私もお返しを用意しなくちゃいけないって話じゃない?
流石に、知らなかったと言い逃れはできないだろうし。だって、きっと毎年の行事で記憶にない昔にはちゃんと私もやってたんだよね?
ううう、ううう。
部屋に戻って、父からもらった封筒をまず開く。
ぺらりと1枚。
1万か2万か入ってるかと思ったら……。
「株券……」
え?
もう、電子になって、株券なんて廃止されたんじゃないの?
銘柄を見ると、私でも知っているでっかい企業の名前。
……で、よぉく見ると、株券ではなく、株券を模した印刷物で、父が用意したようだ。
璃々亜名義で買ってあるからね!今年のお年玉だよ!って……。
え、まって、今この企業って、一株いくら?千株でいったいいくらになるの?
お年玉の額が……10万とか100万とかってレベルではないのでは……?
ペラペラなぽち袋だからってなめてた!怖い、金持ち、怖い!
それから、兄からの封筒を開く。
「あ」
有名遊園地のチケットだ!兄のメッセージ付き。
一緒に行こうだって。
ふふ、兄妹で仲良く遊園地。なんだ、大人からのお年玉とはやっぱりちょっと違うね。そっか、そっか。
裏側にもメッセージが書いてあった。
「……金持ち怖っ」
行く日は春以降で決めよう。貸し切るには3か月前には予約しないといけないからね。
バカなの。遊園地を貸し切って兄妹で行くとか。
二人っきりの遊園地とか、面白いわけないわ!人気のない遊園地ってのはね、楽しさ半減よ。
空いてる遊園地でVチューバ―が叫んでるでしょう。人がいなさ過ぎて寂しいってさ!
貸し切りじゃなくていいから一緒に行こうって兄に言わなくちゃ。一緒に並んだりするのも楽しいよとでもいうべきか。
あ、そうだ。どうせなら、コラボイベント開催中を狙って行くのはどうだろうか。
く、くくくっ。
兄が誘った遊園地だから、まさか、私の目的がアニメコラボイベントだとは思われまい。
これは、自然に行けるチャンスなのでは?
さて、次。
そろそろ疲れてきたので、甘い物が欲しくなってきた。
嘉久からもらった巾着を開いて手を入れる。
「飴玉、一味違うって、何味なのかなー」
と、小さめの玉をつまんで口にぽい。
……無味。
「え?一味違うどころか、味はどこ行った!」
ぽいっと口から飴玉を出すと、手のひらにころりんと転がる……。
「真珠……」
丸けりゃ玉だろうって発想なのか?
真珠をお年玉に贈るとか、金持ち怖っ。
10円の風船ガムを渡そうとしてたけど、そういうわけにいかないってことなの?ねぇ……!
去年まではいったい何を贈ってたの?あああああっ!
はぁ、はぁ、はぁ。
疲れた。
お年玉って、こんなに突っ込み入れながら疲れながら開封するものだっけ?
金額だけ確認してありがとうで終わるものじゃないの?
……ねぇ?
いいや。うん、弟からもらった年賀状入りの封筒を開いて心を慰めよう。
何の飾り気もない茶封筒を開くと、中から一回り小さい封筒が出てきた。
「おや?年賀状じゃないんだ」
封筒には、NARUKOの絵が描かれている。
「おお、冬コミで売ってた同人封筒だ!」
嬉しい!
流石弟!見る目がある!このレトロなグラデーション印刷の封筒、たまらないっ!
封筒の中から、グラデーション印刷のセットの便せんが出てきた。もちろん、姉弟イラストだ。
ぐっと親指を立てる。
いいわ、最高!ああ、でも家族に見つかるといけないし、どうしたものか。取っておきたいのに。
……うん、本にでも挟むか。私の名前も書いてないし、もし見つかったら、人に貸した本に挟まって戻ってきたみたいに誤魔化せば大丈夫なはず。よし。
で、便せんには地図が書かれている。
「何の地図?」
しかも、今時手書きの地図?
と思ったけど、目印に書かれているのが、アニメイ〇とメロンブック〇とらしんば〇……あ、うん、これ、住所とか書いてなくても、分かる人にはわかるように書かれた暗号みたいな地図だ。
アニメイ〇にしてもメロンブック〇にしても文字は一切ない。メロンと本の絵だったり、方位が描かれているだけに見えたり、あと店長と書かれたサンバイザーだったりと、知らない人が見たら分からないだろうなぁって状態だ。
ってことは、魔法陣に見えるこれは、曼荼羅……そして、まんだら〇を表しているんだろうな。
ふふ。で、この暗号の地図は何だろう。
今度待ち合わせしようってことかな?
地図以外何も書いてないけれど。
封筒にまだ何か残っているので、さかさまにして中身を取り出す。
「うん?カード?会員証かなんか?」
スマホにアプリを入れるわけにはいかないから、カード型の会員証はありがたいけれど……。
「え?」
カードに書かれていたのはCARDKEY。
「鍵?どこの?……って、地図の?」
一体なんの場所の?秘密の取引をするための?アニメグッズを補完する倉庫かなにか?
え?なんだろう?行ってみるしかない?
「んごっ」
変な声で目が覚めた。
「……初夢、なんかいっぱいお年玉貰った夢を見たけど……怖すぎ……」
ご覧いただきありがとうございます。
なかなか本編の続きがかけなくて申し訳ないです。
続きをいつか書きたいという主張のため閑話置いときます……。
あ、もちろん、弟の贈った鍵は「合鍵」ですw そりゃぁ、重たい重たい弟ですしw
でもって、嘉久に「高価な玉」として璃々亜がゴールドでできた玉を贈りそうになって「なんかあかんやつや!」って思いとどまったりしたとかしないとか。
田中君は、妹に見たがっていた映画の前売り券とかあげてそうです。
いいなぁーと羨ましそうに声を出すと、田中君「あー、よければ、まだあるんだ」とチケットくれるかもー。




