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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第435話 野球部陥落らしい

「璃々亜ちゃん、ごきげんよう」

 はうっ!

「章子先輩、ごきげんよう!」

 教室へ向かう廊下で章子先輩に声をかけられる。

 ええ、なんでこんなところに章子先輩が?

「こないだは楽しかったわね」

 ネズニーランドのことだよね?

 そうか、章子先輩は楽しかったんだ。よかった。

 私は、うーん、記憶を手繰り寄せる。

 なんだか逆ハー状態で、人から恨まれないようにと色々頑張った記憶しかないぞよ……。

「あの時の写真ができたから、渡そうと思って」

 あの時の?

「璃々亜ちゃん可愛かったわね」

 うふっと楽しそうに笑う章子先輩。

 んが、あの時のって、別人28号なばっちりメイク写真のことですか!わざわざ写真を持ってきてくれるなんて!

 ふふふ。芽維たんと皐月たんに見せよう。そんでもって、無料券あるから一緒に行きましょうって誘うのだー!

 なんてナイス!

「あら?確かポケットに入れたはずなんだけれど……」

 章子先輩がブレザーのポケットを確認してスカートのポケットにも手を入れる。

「どこかで落としたのかしら?ごめんね、璃々亜ちゃん。また今度プリントアウトして持ってくるわね」

 にこっと笑う章子先輩。

 思い出は素直に楽しかったと一言で言えるものではないけれど……。ちょっと章子先輩と仲良くなれたようで嬉しいかも?

 って!

 って!

 まてーーーっ!

 章子先輩、百合枠攻略対象だと思うんだけど、違うの?もしくは女装男子イケメン枠っていうか……。

 と、とにかく、仲良くしてどうする!

 いや、仲良くして置けば、悪役令嬢断罪イベントでかばってもらえる?

 ……うーん、ううううーん……。

 近づかないのが一番だけど、近づいちゃった場合はどうすれば……。っていうか、攻略対象っぽい人……、めっちゃ関わってないか?

 兄……。兄弟だから仕方がない。

 嘉久……。幼馴染だし家同志の絡みもあるから仕方がない。学校では避けることくらいしかできない。

 章子先輩……。そもそも同じお菓子部に入っちゃった時点で避けるという選択肢はなかったよ。

 剣崎徹……。ネズニーでビックリ遭遇したけれど、学校での接点はそうそうないから、セーフか。

 三笠蔵……。未遭遇。このまま3年間何のかかわりも持たずに終えたい。

 ……そういえば2年や3年になるときにクラス替えとかあるのかな?できれば、今のクラスでそのまま持ち上がりたいのだけど。

「ありがとうございます。あの、わざわざ持ってきていただいたのですか?兄に渡していただければ……」

 1年の教室は3年の教室と階も違うし面倒だろうに。

「ん、写真はついでよ。嬉しくて、璃々亜ちゃんに一番に報告しようと思って」

 嬉しい?報告?

 きゅっ。

 はうううっ!

 ハグ、ハグ、ハグググググ!

 思いがけずに章子先輩にハグされました!

 ぐお、いい匂いする、いい匂いする、いい匂いする!

 シャンプーとか石鹸とか、そのたぐいじゃないいい匂いだ!

 やべ、イケメン且つ女子力高い!……お、お、お……。

 お、お、お……。

 お姉様!

 はっ!やべー。スール制度があったら間違いなく章子お姉様の妹になりたい!とかわけのわからない脳みそ回路が……

 落ち着け。

 うん、落ち着くのだ私。

 よぉく思い出せ。

 何がお姉様じゃ!中身は私のほうがずーーーーーっと上だろう?前世で死んだとき、何歳だった、思い出すのだ!思い出すのだぁ!

 はぁ、はぁ、。

 よし。三十路。

 くっ。思い出しても何の特にもならない……。なぜ、思い出させた。

 あうう……。

「璃々亜ちゃんのおかげよ。移動販売車の予算が降りたわ!」

 え?

 私のおかげで?

 移動販売車の予算って、部費のだよね?

「えっと、運動部の反対があったとおっしゃっていませんでしたか?」

 ハグから解放されたおかげで冷静さを取り戻す。

「運動部のトップに君臨する野球部を陥落してしまえばあとの反対は大したことなかったわ」

 ふふっと楽しそうに章子先輩が笑う。

 へー。そうなんだ。

 って、野球部ってやっぱり強いのかな?運動部のトップって……。

 で、何が私のおかげなんだろう?

「差し入れの件、野球部に持ち掛けてみたのよ」

 ああ!田中くんが言ってたやつ。

「お菓子部でカロリー計算した野球部用のお菓子を練習後に差し入れる案があるけれど、予算が足りないと声をかけたら、あっさりお菓子部の予算増加賛成派に回ったわ」

 え?

「カロリー計算した野球部用のお菓子?」

 私、何も考えずに田中くんにお菓子部で作ったお菓子渡してた。

 本当は、お菓子とか駄目なのかな?

 そういえば……アニメでもあった。

 フィギアスケートの選手が大会前にはカロリー制限してて……。

 大会が終わったら自分のご褒美にカツどん食べるっていうやつが。

 そのアニメなんだが、先ほどのスール制度じゃないけれど、師匠と弟子がな、なんというか、尋常じゃない心の結びつきを発揮するアニメだったんだ。なんせ、男同士でお揃いの指輪とか!

 むきゃーっ!


いつもありがとうございます!

予告もなく突然やってくる章子先輩ターン。

はー。私、響谷薫さんとかでドキドキできるタイプです。

さて、この小説ですが、週2回月木更新で続けておりますが、祝日はお休みとなっております。ゆえに次回木曜日はお休みです。

寂しいなぁという方は、下にある「前璃々亜的新作はこちら」リンクからオタクガールっぽいのりの話が読めます。他の作品はのりはちょっと違うのです……。割れながら作品に統一感がない……汗


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[一言] 響谷薫……年代が……
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