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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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閑話 弟のネズニー2

閲覧注意。「しむらー、うしろ、うしろ!」って言いたくなるよ

 場所と込み具合と早く乗れるチケットのことと……いろいろ確認するだけにとどめる。

 問題は食事だ。

 今は予約が必要な場所も多いという。

 スマートに事前予約しておいた方がかっこいいんじゃないだろうか?

 わざわざ予約までして入ったレストランの食事がいまいちだったら姉をがっかりさせてしまうんじゃないだろうか?

 今まで姉と一緒に何かを飲んだり食べたりしたときに、姉は何も言わなかった。

 ……うちの学校の生徒は、日ごろの食事と比べていろいろ言う人間も多いというのに……。

 こんな庶民が食べるジャンクフードなど口にできませんわと、明らかに嫌な顔をする人も多いというのに。

 ……姉はおいしそうに食べる。

 携帯食は同人誌即売会には必須ですわと、普通にコンビニで買い物もしたりする。

 ……。ということは、姉は、鳳凰学園に通ってはいるけれど、それほどお嬢様育ちではないのだろうか。特待生……もしくは、ちょっと背伸びをして子供を鳳凰学園に通わせている少しお金がある家の娘……。

 ……一つだけ言えることは、白川璃々亜のような人間とは確実に違うということだ。

 ……姉なら、何を食べても何も言わないだろうが……。

 それでも、できれば目いっぱいおいしいものを食べさせてあげたい。

 デートって、男が君のために店を予約したんだとか、もう支払いは済ませてあるよとか、そういうなんか……。

 ……。頑張りたいんだ。

 というわけで、予約の必要な店を回り、順に試食していくことに決めた。

 まずは、予約を取るために回ろう。

 ……朝食は抜いてきた。朝食として1回、昼食として1回、早めの夕食として1回、遅めの夕食として1回の、4回の食事が限界だろうか……。

 一口ずつ味見をして残すという手もあるが……。

 それは、僕の嫌いな「もう食べられませんわ」と食堂で食べられもしない物を注文して残す鳳凰学園の人間と変わらなくなってしまう。

 そういえば、中等部では当たり前の風景だったのに、高等部では見ない。

 確か、KHTの社会貢献で、ゴミを減らすためになるべく残さないようにと改革が行われたんだったな。

 生徒会長が提案したんだったか?

 生徒会長は、白川敦也……。あのどうしようもない白川璃々亜の兄にしては、ずいぶんまともな人間だ。

「なぁ、見たかあれ」

「ああ、見た見た。ファルルンっぽかったよな」

 男4人組が通り過ぎ様に聞こえた言葉を拾う。

 ファルルンと、言ったか?

 それって、あのファルルンか?

 男4人組は、20代後半の集団だろうか。

 ……男が4人でネズニー……。

 そして、会話の内容が、アニメのキャラクターの名前を含むとか……。間違いない。

 仲間だ。

 ……仲良く、男4人でアニメの話しながらネズニーとか。

 それも、20代後半になってまで……。

 くっ。

 何と……も……。

 うらやましい!

 理想の姿だ!

 オタクだということを隠しもせず、もう社会人だというのに、貫き通す。

 そして、休日には同じ志の仲間と楽しくお出かけ。

 うらやましすぎるっ!

 いいなぁ。

 僕も、あんなふうに仲間を作って一緒に出掛けたいなぁ。

 あ、もちろん、姉ともいっぱい出かけたいけど……。それはそれ。

 男友達とも出かけてみたい。

 で、何がファルルン?

 ファルルンといえば、幼女から大きいお兄さんまで人気のプリパクというアイドルアニメに出て着るキャラクターだ。

 設定が、ボーカロイドみたいで、ボカロファンからの人気も高いキャラだ。

 どこだ?ファルルンっぽいっていうのは?

 気になる。

 さすがに4人組の後を追って尋ねるわけにもいかないよな。

 ショップ街を歩いていると、一つの店の前に人だかりがあった。

 女子が何かを見てキャーキャー言っている。

 スマホを構えて何かを撮影している人もいる。

 そこに、明らかに仲間っぽいスマホを掲げているのが見えた。

 女子だが、スマホケースがプリパク限定ファルルンカラーバージョンだ。

 間違いない。

 限定100個かぎりの販売で、買いたかったが、買えなかったものだ。

 女子なのに、あの競争激しい争奪戦を勝ち抜いてゲットしているのだ。相当なファルルンマニアに間違いない。

 もしや、ファルルンぽいという会話は、あのケースを見た感想なのか?

 近づいて、何を見ているのかチェックしてみた。

 写真?

 ネズニー映画に出てくるようなドレスなどを着て写真を撮れる店か。

 店頭に飾ってある写真をみんな見ていたわけか。

 女子はドレスとか好きだからな……。

「めちゃかっこいい」

「モデルかなぁ?」

 女子たちの視線は1枚の写真にくぎ付けだ。

 ……白川敦也生徒会長……。

 そこには、知っている顔が写っていた。

 あと二人もたしか生徒会のメンバーだ……。

 そして、この中央の女の子は誰だ?

 ドキンドキンと心臓が早くなる。

 ファルルンに似てる。

 ……。

 きっと、現実にファルルンがいたらこんな感じだ。

 あとは、髪の毛が縦ロールだったら完璧にファルルンだ……。

 可愛い。

 目が大きくてくりくりしていて……。

 誰だ?

 鳳凰学園の生徒会メンバーと一緒に写っているんだ。知り合いなのだろう。気になる……。

「写真の女の子さぁ、誰かの彼女なのかなぁ?」

「いいなぁ。うらやましい。でも、これだけ可愛ければ誰かの彼女でも許せるよねぇ」

「あー。私、実は気になって写真館の人にモデルか何かですか?って写真の人の素性を聞いたのよ」

「えー、それで?」

「モデルではないですって、お客様としてご来店いただいた方だって」

「うわー、そうなんだぁ。また店に来るかなぁ?っていうか、世の中にはこんなにイケメンがそろってることあるんだー」

「美男美女だよね。女の子も可愛いし」

 ファルルンが、白川敦也生徒会長の彼女?


ご覧いただきありがとうございまーす。


弟が不憫です。

よい友達(オタク仲間)ができるといいね。


それにしても、また、新たに誤解が……。別人28号、罪な人(笑

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