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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第49話 田中くんはまぶしい存在らしい

 田中くんは、椅子に座る私の前に膝を付いた。

 そして、靴を脱いだ足をすっと持ち上げると、持ってきたランニングシューズを足に履かせ……。

「ひゃうっ!」

 思わず声が出た。

 あ、あ、あ、足、足、

 ひざまずいて足を持たれるなんてっ!

 

 私の声に驚いた田中君が顔を上げた。

 今、私の顔はきっと真っ赤だ。

 田中君はそんな私の顔を見て、あわてて足から手を離して立ち上がった。

「ご、ごめんっ、あ、あの、よくこうして、妹の靴を選んであげてて、つい……」

「え、あ、いえ、その、ちょっとびっくりしただけで……。妹さんの靴を選んであげていらっしゃるんですね」

 田中君も耳を赤くしている。

 そうだよね。普通は、ひざまずいて足を触るなんて……しないもんね……。

 あー、よかった。田中君にとっては普通のことかと思った。

「うん、まだ6歳だから、紐が自分で結べないんだ……」

 田中くんの視線が泳いでる。

 うん、目を合わせにくいよね。ごめんごめん。

 私が、真っ赤になって照れているから余計だよね。


 はー、落ち着け。落ち着け私。

 思わず、足を舐めてそのまま情事的なBL同人誌を思い出して、めちゃくちゃ恥かしくなった。

 ええそうです。私、足を触られたから恥かしいのではございません。

 BL同人誌のあのシーンを再現したようなしぐさの田中くんに、すべて思い出しちゃったんです。人前では決して読めないようなの。

 私がまるで京様みたいにこのあとされるのかなんてへんな想像しちゃったもんだから……腐。


 うん、田中くんはそんなことするわけない。落ち着こう。だって、私、女だよ?

 あ、違う。田中くんは別にあっちの人じゃなかった。

 田中くんは、私が好きなわけじゃないんだから、そんな下心があるわけがない。うん、そうそう。

 だって、普メンだけど、芽維たんの幼馴染で、攻略対象っぽいんだから。私を好きになるわけないもの。

 よし、ちょっと落ち着いた。


「ああよかったですわ。お嬢様は靴の紐も結べないと思われていたらどうしようと思いましたの。妹さんにしているときに癖が出てしまったのですね。ふふ。ほら、どうですか?上手に紐も結べましたよ?」

 落ち着きを取り戻し、何でもない風を装って田中君に声をかける。

「本当、ごめんっ」

 田中くんの耳はまだ少し赤いけれど、ちゃんとこっちを向いてくれるようになった。

「気にしてませんわ」

 両方靴を履き終えると、その場で少し足踏みして履き心地を確かめる。

「うん、さすが田中くんのお勧めですね。この靴に決めますわ」

 田中くんの顔を見てにこっと笑うと、なぜか再び耳を赤くした。

 ん?まだ、気にしてる?

 あ、いや。もしかして、高1男子だし、何か妄想に入っちゃったか?

 大丈夫だよ。おねぇさん、そういうのに理解あるから。仕方ないよね。と、前世ではもうおばちゃんに片足突っ込んだ私が若さをまぶしく感じた。

 田中くんが、まぶしい。


「これからどうする?」

 会計を終えると、田中くんが私の荷物も持ってくれた。

 うお、自然に紳士だ。

 あ、いや、もしかしてまた妹扱いみたいな?

 ……。もしかして、田中くん、下僕属性なのかな?大丈夫?

「そろそろお昼ですから、田中くんのお時間さえよろしければ、お食事をご一緒いたしませんか?選んでいただいた御礼にご馳走させてくださいませ」

「いや、そんないいよ、気を使わなくて、たいしたことしてないし」

 うん、まあ、断られるよね。

 だけど、逃がさないよ、田中!

 さっきから案内係の姿がちらちらと見えるんだよね!きっと、田中と別れた後、荷物をお運びしますとかなんとかフォローするために居てくれてるんだろうけど……。気疲れするっての!

 田中くんと居たほうが気が休まる。

 それに、一人で食事なんてそんな寂しいことはできぬ!


「田中くん、お礼がしたいなんて、ただの建前なの。本当は、私……」

 これを言ったら、田中くんはいやだとは言わないだろう。

 頭いいね、私!

 田中くんは、何を言われるのかと、緊張した顔つきになる。

「一般常識テストにで出ていたようなお店に一度でいいから行ってみたいのです。社会勉強として……。ご馳走しますから、連れて行っていただけませんか?」

 にこっ。

「あ、そ、そういうことか。うん、いいよ、もちろん!」

 ほっとしたような、残念そうな複雑な顔つきで快諾する田中くん。

 そりゃそうだよねー。

 お嬢様一人で牛丼屋に行かせるわけないよねぇ。優しいし。

「何が食べたい?」

 ぐふっ。

 やったー!

 これで、案内係からの脱出と、ボッチ飯回避と、おまけにジャンクフードを堪能できる!一石三鳥だ!

 何がいいかなぁ?

「歩きながら決めてもよろしいですか?」

「ああ、そうだね。実際に見てから入りたいところがあったら言ってくれればいいから」


 百貨店と地下通路でつながっている隣のビルに移動する。若者向けの店がたくさん入ったカジュアルな商業施設だ。

 1階には、前世でよくお世話になったおなじみの店が並んでいる。

「わぁー」

 目を輝かせる私は、珍しいものを見て楽しんでいると思ったのか、田中くんはお店の一つ一つの説明をしてくれる。

「ハンバーガーは、セットで注文するとだいたいポテトとドリンクが付くんだよ」

 とか。

「お盆を持ってうどんを注文してから、トッピングを自分で取るんだ」

 とか。

「飲み物の種類だけでなくサイズも選べるし、裏メニューも色々あるんだよ」

 とか。

「つゆだくていうと、おつゆ増やしてくれるんだ」

 とか。

 うんうん、全部知ってる。

 ねぎだくって言えば、たまねぎ増やしてくれるんだよね。だくだくだとさらにつゆを増やしてくれる。

 飲み物いっぱいで、ラーメンと同じくらい高カロリーのものもあるから注意しないとだめなんだよ。

 うどんじゃなくって、ライスを注文して天丼つくったりもできるんだよ。

 ポテトじゃなくて、サラダに変更したりもできるよね!

 ふふ。

 心の中だけど、ちゃんと返事してるからね。田中くん。

 こうして会話しながら(心の中だけど)並んでフードコート歩いてるなんて、なんだか

「デートみたい」

「デ、デ、デ、デート?」

 田中くんが素っ頓狂な声を上げる。

 あ、ごめん。また、心の声が駄々漏れた。

「映画の中で、こういうデートシーンがあったなぁと思って……」

 っていうのは嘘で、高校生のころ、彼氏持ちの友達はこんな風にデートしてたんだよなぁって。

「ああ、お忍びでローマの街を楽しむって映画?」

「ふふっ。違いますわ。それじゃぁ、私が王女様じゃないと駄目ではありませんか」

「白川は、王女様のようなものだよ」

「え?」

 やだっ、ナニソレ!王女様みたいって……。ま、ま、ま、まさか、女帝の称号と王女が似てるって話じゃないでしょうね?


ご覧頂ありがとうございます。

少しだけラブコメっぽくなったでしょうか?

田中くん、普通枠が少ないので癒されます。はい。

兄はシスコンだし、嘉久は残念だし・・・。

えー、短編スタートしたはずですが、全然話が進んでいないという・・・。

おかしいなぁ?うん、おかしい。

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