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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第377話 カッコイイ話らしい

「へぇー、黒の上下の服を着ているのに天使だよって……そりゃすごいなぁ」

「私も、そんなこと言われたら恥ずかしくなるかも」

 あ、恥ずかしくて頬を染めただけ……?

 そうか。勘違いでしたか。

「可愛いって言ってもらえたら、少しは意識してしまうかもしれませんわね」

 え?そう?やっぱりそうかな?

 っていうか、相原さんと会話をしていたはずなのに、いつの間にか芽維たんも皐月たんも会話に参加してたよっ!

 相模くんと田中くんも入ってるし!

 いつの間にか全員で会話していた。皆、私が急にこっちに来たの気になってたんだね。

 ああ、もしかして悪役令嬢的な……「失礼ですわね!あなたたちとは一緒に居られませんわ!」みたいなのも想像されてたのかな……。

「ああ、確かに。田中くんカッコイイねとか言われたら、その子のこと意識しちゃうかもなぁ」

 マジか!

「田中くんは、カッコイイってよく言われてませんか?」

 疑問を口にする。

 だって、練習風景とか熱心に見てる女子とかいるじゃない?

 そもそも、野球してる姿カッコイイし。

「え?」

 田中くんが心底驚いたっていう声を出す。

「白川さん、田中がカッコイイって言った?」

 は?

 相模くんの言葉に今度は私が驚いた。

 確かにカッコイイと思うけど、言わないよっ!あれ?私が言ったみたいに聞こえた?

「野球部の試合などで、キャーカッコイーといったような歓声を浴びているのかと……」

「あ、ああ、あれは……僕がカッコイイって言われているわけじゃないさ」

 田中くんが即座に否定した。

「そんなことないよぉ。田中くん、野球してる姿かっこいいもん」

 芽維たんがさらりと田中くんのことを褒めた。

 あ、あれ?

 かっこいいと言われたら意識するとか言ってた田中くんを芽維たんが褒めたってことは……。

 え、ええーーっ、ここでまさかのイベント発生ってやつ?攻略対象田中くんが、ヒロイン芽維たんに惚れていくためのイベント……。

 ぐおっ、油断した!イベントは突然にやってくる!恐ろしい!

「そうですわね。野球部は、皆さまかっこよく見えますわ」

 って、皐月たんまで、褒めたーっ!

 っていうか、褒める対象が野球部全体に広がった!

「ふふ、本当ですわ。私も運動が得意ではありませんので、運動部の皆様すべて素敵に見えますもの」

 うおおお、相原さんまで褒め始めた。

 そして、範囲は運動部全体にっ!

 こ、ここは私もさらに範囲を拡大して褒めるしかないか!

 運動部全体に広がった範囲をさらに広げるには……。

 文化部も入れるとすると……。学校全体?

 だが、本当にカッコイイか?カッコ悪い人間だっているじゃないか!そもそも男ならだれでもカッコイイとかおかしいだろう!

 私がカッコイイと思う男の人を考えてみる……。

 田中くんはカッコイイと思う。兄も嘉久もカッコイイよな。攻略対象だし。嫌いだけど剣持徹だってカッコイイわけだし。

 相模くんも委員長の仕事っぷりはカッコイイ。

 轟くんだって、あの食に対するぶれない姿勢は男らしい。

 弟だって、顔は見えないけど立ち振る舞いは姿勢もいいしかっこよい。それに、躊躇せずに腐本大手サークル列に一緒に並んでくれるあの潔さはとても素敵です。

 あ、あれ?私にかかわりのある人、みんなかっこいいじゃないの?

「皆様、それぞれに良いところがあって、素敵だと思いますわ。田中くんも相模くんももちろん」

 結局そういうところに落ち着いた。

「そういう考えができる白川さんこそ素敵だと思うよ」

 相模くんの言葉に思わずドキッとする。

「そうだね。璃々亜さん素敵なの」

「さすがは璃々亜様ですわ」

「金子みすゞの『みんなちがてみんないい』ですわね」

 ええ?

 私何も素敵なこと言ってないよ……!

「それで白川様は気を使ってこちらに合流したというわけですわね……」

 話を聞き終わった相原さんが小さく頷いた。

「ええ。気の回しすぎだったと反省しております」

 苦笑いして見せると相原さんも芽維たんも皐月たんもふふっと笑ってくれた。

「いいえ、そんなことございませんわ!きっと私でも同じことをしたと思いますもの」

「そうだよ。私は、全然気が付かなかったかもしれないけど、気が付いたら私も同じことするよ」

「ええ。幸せになってもらいたいなぁという気持ちから出た行動ですもの。間違ってはいませんわ」

 ううう、みんな優しい。


 てなわけで、お昼ご飯で合流するまでに4つの絶叫系アトラクションをめぐることになりました。

 んが……。

「申し訳ありません、ちょっともう無理そうです。皆様で行ってらしてください」

 3つ目でドロップアウト。

 いや、絶叫系ダメってわけじゃないんだけど、並ばなくてもいいってことは、スパンが短かすぎて……三半規管の調整が追い付かない感じ……なのです。

 あれだ、私は絶叫系は2時間くらい並ぶのがちょうどいいと分かった……。

「あー、僕もちょっと疲れたから、ここで白川と待ってるよ」

 田中くんが皆に手を振った。

「え?よろしかったのですか?」

「ああ。今度白川と一緒に来た時にあれも乗ればいいだろう?」

 そっか。

 そういえば、田中くんと今度一緒に行く約束したんだっけ。

「そう言えばそうですわね」

 せっかくの優先チケットだけれど、無理に乗りまくることもない。確かに。


いつもありがとうございます。

おかしいな。田中くんターンのはずだけど、皆が仲良すぎて……汗

二人きりになれないっ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 二人っきりになれなくても、璃々亜が迷子で窮地に陥った時に現れるのはヒーローだから。行動力もすごいですね。次回のお約束もしっかり取れましたね。
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