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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第368話 ウェディングドレスはいらないらしい

 ぱくり。

 ふおうっ!

 たかが刺身こんにゃくだと侮っていたわ。

 うまぁー。

 何、本当に、何?

 プルンプルンとしたあの弾力とは全く違う。柔らかい。かといって、餅のようにべたっとせず、寒天のように崩れる感じでもなく……。

 新触感。

 はぁー。うまうま。

「ほう、これはなかなかの再現力だな……」

 と、兄が感心している。

「再現?」

「ああ、そうだ。白川家の料理人はすごいだろう。ふわとろりこんにゃくをここまで再現できるのだからな」

 えーっと、次は天ぷらいってみよう。

「高円寺家の料理人だって、負けてないからなっ!今度もっとすごい刺身こんにゃくを食べさせてやるっ!」

「ふっ、知っているよ。高円寺家の料理人の腕もね。だけど、刺身こんにゃくに関しては、白川家の勝ちじゃないか?ふわとろりに勝るとも劣らないこのこんにゃくを超えられるかな?」

「勝負だ、勝負!今度、高円寺家の究極の刺身こんにゃくを食べさせてやる!」

 さっきから、刺身こんにゃく、刺身こんにゃくうるさいなあ。

 いくらおいしいからって、刺身こんにゃくばっかり食べてられない!

 ダイエットしてるわけじゃないんだから!

 ……あ、ダイエットしなくちゃとか思ってたんだっけ?

 ……、……。いや、でも、成長期の男子高生が二人でダイエットとかないでしょうよっ!

 それとも、別の話なのかな?

「そうだ、どうせならこんにゃくフルコースをごちそうしてやる」

 こんにゃく……こんやく……婚約!

 ふおっ。

 脳内変換発動!

 そうか、京様と都キャプテンは、婚約するのか。

 勝負とか言ってたし、婚約をかけた勝負をするのね。ふむふむ。

 で、同性でも結婚できる国に行って挙式……ぐふっ、ぐふっ、よし。この路線で二人の会話を聞こうじゃないか。

 もう、私の頭の中には、鈴木ツヤ先生の絵で、大人になった二人が並ぶ姿が思い浮かんでます。

 あー、そうか。

 高校生の京様なら、ウェディングドレスとか無理無理着せられてっていうのもありだけど……。ツヤ先生の絵じゃぁ、無理だ。うん……。

 大人京様は、都キャプテンよりも成長してごつくなってる。

 むしろウェディングドレスは都キャプテン……いや、さすがに大人男子な都キャプテンにも無理だな。

 あ、あれだ!ヴェールだけかぶされる系。

 ほうっ!いいね!二人ともタキシード着てるのに、

京「足りないな」

 って、都キャプテンにヴェールかぶせるの。

京「ふっ、やっぱり、こっちの方が色っぽい」

 とかなんとか言って、やだ、大人京様だとめっちゃ主導権握ってそう……。

 ヴェールごしのちゅぅーとかもよさげだなぁ。……ぐふぐふぐふ、ふふ腐。

「璃々亜、こんにゃく勝負、どう思う?」

 婚約をかけた勝負か。

 ん?

 勝ったら婚約?負けたら婚約?

 いや、あれだ。結局二人は婚約するっていう、お約束なんだよね?

「どちらもおいしいと思いますわ」

 負けて婚約も勝って婚約も、どちらの展開もうまうま……ぐふ腐。

「あ、ああ、そうだな。勝ち負けじゃないよな……そうだ。流石璃々亜だ……私が間違っていた」

 ん?兄の何が間違ってたの?

「そうだ。どちらも美味しい料理を作る。フランス料理と日本料理、どちらが上かという話が意味がないのと同じだな……。白川家の料理人が作る料理も、高円寺家の料理人が作る料理も両方うまい。それでいいんだ……」

 そりゃそうでしょ。

 両方美味しい。

 美味しいは正義。

 ジャンクフードと呼ばれるものだって美味しい!

 おいしければもーまんたい!

 美味しいがすべて!

 ……と、言いたいところですが

 刺身こんにゃくに続いて、山菜の天ぷら、豆腐、胡麻豆腐、葛霧、根菜の煮物、とろろ、緩めのご飯、漬物、少量のそば……。

 どれも、美味しいよ!めっちゃおいしい!

 でもさぁ、ボリュームが足りない!

 それから、肉!魚!

 今日の私は、朝も昼もちゃんと食べてないんだから、肉!魚!こってり!どっしり!ボリューミーなの食べたいぃぃぃぃっ!

 はっ!

 そうだ、こんなに物足りない感じの精進料理でも、嘉久なら、グルメ番長なら、なんだか満足感のある食べ方の秘儀を知っているかもしれない!

 おうっ、とろろをご飯にかけたよ。

 混ぜて食べた。

 って、普通!

 めっちゃ、普通!

 あ、とろろの残りを、そばにかけたよ。

 食べたよ。

 って、それも、普通!

 めっちゃ、めっちゃ、普通!

 とろろかけごはんとか、とろろそばとか、メニューにあるくらい普通の食べ方っ!

 ちっ、肝心な時に役にたたないな。

 まだお前も修行の身だろう。グルメ番長あらため、グルメ副番長に降格だ!

 今日からお前は、グルメ副番長だ!

 ……。

 はー、物足りない。


ごらんいただきありがとうございます。

いつも本当にありがとうです。

近々、更新ペースを落とします。

……前々からずーっと考えていたことで、なんとか頑張って発売日までペースを維持してきましたが……現在の日祝休みを、土日祝休みにいたします。更新ペースが落ちても引き続きよろしくお願いいたします。


ブクマ、評価、感想、メッセージ、とても嬉しく励みになります。

なかなか返信できなくて申し訳ないです。読んで爆笑したり嬉しすぎて飛び上がったりしております(*'ω'*)

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