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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第361話 嘉久のことを語るらしい

「お金なら……」

「あるの?私は、持ってないよ。全部親からもらったお金」

 大切に使わなくちゃと思いつつも、つい、無駄遣いもしちゃうけど……。それでも、友達のお土産買ったり、ほんの少し同人誌を買ったりと、高校生の一般的なお小遣いの範囲を外れた使い方はしてないと思う。

 あ、手土産買いに京都までとかはちょっと普通じゃないけど……。

 あれは、お嬢様としての必要経費?っていうか、嘉久が払ったんだっけ……?

 私の言葉に、弟は下を向いた。ああ、落ち込ませちゃった?

 稼ぎのない男、甲斐性のない男っていう意味じゃないから。まぁ、いくら家が金持ちだからって、大学卒業しても働かずに親の金でオタ活したら引くけどね。ニートオタクとか最低。親が年金暮らしで節約しながら将来に不安抱えて必死に生きてるのに、その金でフィギュア買ったりエロ同人誌買ったりとか、最低だと思う。趣味を持つなとは言わない。金をかけるな。金をかけたければ自分で稼げ。ぶっちゃけ、そういう人間のせいで、オタク全体のイメージが悪くなる。

 まぁ、高校生の間はね稼ぎが無くて、お小遣いもらうのは普通だから問題ない。例外もいるけど……

 企業してる、高校生社長とか……。

 ああ、そういえば、嘉久も例外だったな。

「株取引で自分で何億も稼いだり」

 したんだよな、嘉久。あいつは金持ちだ。

「……というのは例外ですけれど、私たち、まだ高校生になったばかりですし、学園に通う方でアルバイトなどしたことのある人はいないでしょうね……。自分で稼いだことがないのが普通。私も、弟も普通の高校生だから、落ち込むことはないよ?」

 って、まぁ、落ち込んでるのかどうかは知らないけど。

 とりあえず、稼ぎがないのが普通。

 だから、親からお小遣いもらってその範囲で趣味にお金をかけるのをやましく思う必要はないと思うんだけど。

 足りないからとお小遣いの増額を望むとかはまた違うと思う。

 働いていない子や実家暮らしの子って、本当1000円の価値とかめちゃ低いんだよねぇ……。働きだして、一人暮らしして、お金のやりくりすると、1000円の価値がぐっと上がる。

 ……。って、まぁ今の璃々亜だと、どれくらい周りの人の1000円の価値がどうなってるのか分からないけど……。

 普通の高校生からしたらネズニーの入園料とかなんて、めっちゃ高級品ですよ。5000円超えて、1万円近くなんだもん。

 そういえば、その高級品チケット……それも、アトラクション優待付きの特別チケットをゴミくず扱いしてた人がいっぱいいたなぁ……。

 兄が、必要ないと思う人間からチケット回収してくれたけど……。あれ?

 そういえば、回収したチケット……、その後どうするんだろう?

 ん?なんか、兄、私に話を振ってなかった?

 え?

 ……使い道……考えてないよっ。もったいないって気持ちしかなかったけど、それ回収してどうするとか……。

 どうすんの?

 オークションで売るわけにもいかないよね……。鳳凰学園への特別優待付きチケットなわけだし。

 非売品なわけだし。横流しなわけだし。並びたくない人とかがきっと、値を上げるだろうし。

 学校ぐるみで転売とか思われてもまずいし……。ふおおおおっ、どうすんだ!

 って、頭の中がぐるぐるしてて、弟が何か言っていたみたいだけど、聞き逃しちゃった。

「あ、ごめん弟。ちょっと考え事していて、聞いてなかった。何だった?」

「姉さん……ううん、何でもない。僕……」

 弟がぎゅっと抱きついてきた。

 何だ?ちょっと、話を聞けてなくてごめん。大事なことだったかな?まぁいっか。

 本当に大事なら、もう一度言うだろうし。

 一応、さくっとパンフレットで興味がありそうな場所をチェックし、そこは回り終えた。

「はー、疲れたね」

「ご飯にする?」

「そうだね、ご飯食べようか。……えーっと、コンビニとかでいいかな?お店じゃなくて、買ったものをどこかで座って食べるんでも……」

「うん。でも、なんで?」

「えへっ。弟が準備してくれた動画を見ながら食べたいなぁって……。お店ではちょっと迷惑かなぁって……」

 まだ見終わってないんだよ。次、いつ見るチャンスがあるか分からないもんっ!見たいのだー。

「そうだ、弟……ほんっとうにありがとうね!いろいろ準備してくれて……嬉しかった。嬉しい!」

 ちゃんとお礼言ったかな?と思って、弟に頭をぺこりと下げる。

「姉さん、僕、幸せ」

 またもやきゅっと抱きしめられる。

 どうも、弟の感情表現は西洋風らしい。何かあればハグ、そういう環境で育ったのかもしれない。

 もしかして……英語とかフランス語とか、海外の言葉ペラペラだったりして。

 ありうるなぁ……。

 おっと。弟の個人情報入手は危険。危険。知らないことが多いままにしておかなければ。

「私も、こんな素敵な弟がいて、幸せ!」

 と、オタク的なノリでぎゅーっと抱きしめ返しておく。

 あー、そういえば、みっきゅんとも何度もハグしてたなー。特に寒い冬の日とか……。さむぅーい、みっきゅんあったかぁーいとか。

 ……芽維たんや皐月たんに抱き着いたらダメだろうか?

 冬の寒くなるまでには、もっと仲良くなって、ハグしあえる仲になるかな……?

 なるといいな……。

 いや、必ず「友達王におれはなる!」……。

 うん、脳内あほ展開はこれくらいにしておこう。

「でも、姉さん会場のどこで食べるの?これだけ人がいると、人目につかない場所は」

 という弟の言葉にはっとする。

 そうだ!そうだったぁ!

 マスクはずして堂々とパクパクもぐもぐできなかったんだよっ!

 食事一つ、人目を気にしないとだめだったんだよっ!

 ってなわけで、コンビニでは栄養補助食品購入。いわゆる、クッキー型とかさっと食べられるやつ。飲み物はストローさせるもの。

 それをもって、西館屋上、海を見ながら……つまり、人々に背を向けながらちゅぅちゅぅ飲んで、もぐもぐ食べて食事終了。

 ふっ。ごめん。

 ……とはいえ、弟は終始楽しそうだから、まぁいいか。

 もしかして、こういう携帯食とかも新鮮なのかな。

 で、食後、二人で手すりにもたれて、西館屋上の隅の方に並んで座る。

 タブレットにイヤホンさして、一つのイヤホンを二人でシェアする。片耳ずつはめるやつね。それから、動画スタート。

 うっわー、4話目も、素敵にいっちゃってる……。

 あああ、いや、まって、なんでそこで、お互いの短パン交換するの!

 やめてー!意味が分からなくて楽しいからっ!

 何?野球だったら、帽子交換したりできるけど、ユニフォームで交換できるのこれくらいって、……まぁ、練習は短パンしかはいてないからな……。

 って、納得するかーっ!やめれっ!せめて、タオルとか、もっと別のものあるじゃんっ。

 いや、腐女子的にはうまうまなんだけどさー。でも、それは、同人誌でやると楽しいんであって、なんで、本家でやっちゃうか……。

 もう、はぁー、はぁー、本家自体が、BL同人誌見てるみたいで、悶えるぅぅぅぅっ!


いつもお読みくださりありがとうございますです。

ついに2月に突入いたしましたーっ。

ぐあああああっ。

発売月ですよっ……どっきんこどっきんこ。って、まだ先だけどさ。


弟視点が書きたいような、怖すぎてやめた方がいいような複雑な心境ナウ

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