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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第348話 リア充らしいかわからないらしい

「私からもお願いします。今度こそ、一切の妥協をせずに、最高のものを食べていただきたいと思います」

 あー、いやぁー、ご馳走になった私からすれば、十分最高だったけどなー。

「皆様、いかがでしょう。もしよろしければ、もう一度彼らにチャンスを与えてくださいませんか?」

 女将さんが図書委員の顔を順に見ていく。

 えーっと。

 どうしようね?

 お互いの顔を見てどうするーって困った顔。

 うん。ご馳走が食べられるのは嬉しい。

 でも、なんていうの?普通に食べたら万単位の料理だよねぇ。なんか申し訳ないです……。

「あの、迷惑じゃなければ、お願いしたいのですが……今日と比べて、どうだったかという感想だけでも聞かせていただければと……」

 料亭娘ちゃんからも頭を下げられる。

「いやぁ、なんか、試食会といっても、ご馳走になるだけだから申し訳ないというか……」

 と、加藤くんが頭を書いた。

「モニターにお金をかけることは企業ではよくあることですの。覆面調査員に無料で食べていただくこともありますし、料理研究家などをお招きしてアドバイスをいただくこともございます。今回は正直、それ以上の価値があったと思っております」

 あー、所詮、覆面調査員にしても料理研究家にしても、批評家だったり、同じ土俵のプロだったりして、完全なる素人とは視点が違うんだろうなぁ……。

「謝礼をお渡ししたいくらいなのです」

 女将さんの言葉に、慌てる。

「そ、そんな……」

 ってなわけで、いろいろな葛藤を経て、また試食会をすることになった。日程はまだ未定。

 

 女将さんたちが去ってから、食後のコーヒーが出された。

 もちろん、コーヒーが飲めなければ紅茶やらジュースやらそれぞれ。ここは、洋風なんだね。

 また、試食会の時には何か手土産考えなくちゃいけないかなぁ?

 あ、そうだ。手土産といえば……。

「そうでした、昨日京都へ行ってきたのですが、お土産がございますの。お好きなものを選んでください」

 テーブルの上に、小袋に入ったこんぺいとうを並べる。

「うわー、かわいい」

「私たちに?ありがとうございます、白川様!」

「へぇ、こんぺいとうなのにチョコレート?」

 わいわいと盛り上がる。

 よかった。喜んでもらえてる!

「あ、あの、私、明日から北海道へ参りますの。私も、皆様にお土産を買ってきてもよろしいでしょうか?」

 と、藤吉さん。

「気を使わなくてもよろしいのですわよ?」

「いいえ、その、と、友達にあげるお土産を選んでいる姉が、うらやましいと思っていて……。私、その、いつも、2つか3つしかお土産をあげる相手がいなくて……」

 うおおーーーっ!

 聞いたか、友達にお土産を選ぶんだって。それを私達にくれるってこと?

「あー、それ、わかる気がするな。俺もなんか買ってくるかな。……って、女子が喜ぶものなんて全然わかんないけど……」

 と、それぞれがゴールデンウィークの予定を話たりして……。

 やだ、もう、なに、この楽しい集まり。

 リア充ってない?

 めっちゃ、リア充ってるよね?

 え?リア充って、こういう感じのことじゃない?

 友達がたくさんいるのがリア充なら、オタクにもリア充な人間はたくさんいるって……。

 はぁ、そ、そうですね。

 行く場所をどのイベントかにすり替えて、お土産を、推しカップルのBL本にすり替えれば……。

 う、うん。それもまた楽しかろう……。そして、それは全然リア充ではないな……。

 じゃあ、リア充ってなんだ?

 ……あとで、辞書引いとこう。うむ。

 まぁ、そんなこんなで、無事に試食会は終了したのであった。

 まだ、みんなと話がしたいなぁと後ろ髪を引かれる思いで、9時には解散。


「いかがでしたか?」

 蜂川さんの質問に

「とてもおいしゅうございましたわ」

 と答えたあと……ん?料理の質問じゃないのかな?

「図書委員の親睦会では皆様といろいろとお話ができて有意義でした」

 対向車のライトに照らされて少しだけ見えた蜂川さんの顔が嬉しそうだ。

 蜂川さんも、今日は何か楽しいことがあったのかな。

 ん?そういえば、ゴールデンウィーク中、白川家の従業員たちはいつ休みを取るんだろう?

 お兄様に一度確かめた方がいいのかな?

 その謎は、すぐに判明した。


 家に帰り着いたのは9時半すぎ。

「ただいま戻りました」

「おかえり」

「遅かったな」

 ……。

 居間には、兄と嘉久の姿が。

 えーっと、もう9時半ですが、まだいるのか?嘉久……。

 っていうか、おまえ、その姿は……パジャマじゃないのか?

「あの、なぜ嘉久様が、パジャマ姿で?」

「おや?璃々亜、忘れたのかい?今年は海外旅行で長期で家を開ける予定がないから、ゴールデンウィーク中、嘉久はうちに泊まるんだよ。高円寺家の従業員が休みを取るためにね。お爺様は別府温泉でのんびりしているんだったか?」

 げ?

 まじか。


お読みくださり感謝でございます。

蜂川さんが幸せそうでなによりっ!

っていうか、まさかのお泊りで、嘉久ターンがやってくるのか?!

にやり

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