第335話 目にも鮮やかな金平糖らしい
スマホがふるふると着信を告げる。
「どれがいい?」
お守りの画像が送られてきた。
なぬ?媛守……か、か、か、可愛い!女性専用のお守り?ええ?全部柄が違うの?
うわー、これいいかも!お土産にいいじゃん。
えっと、自分の分と、芽維たんの分と、皐月たんと、相原さんと、相楽さんと、ああそうだ、明日会う図書委員のメンバーの分も買っちゃおうかなぁ。
「俺はこれにした」
って、画像が送られてきた。
男性用のもあるんだ。じゃぁ、図書委員全員の分手に入るね。
ああ、どうしよう。こんなスマホ画像じゃ模様がよくわからない。
よし、行こう!本殿に行く!
てこてこ歩き出した。
うっかり、嘉久に返信するのを忘れていた。
結果……。
嘉久は、いろんなお守りを買っていた。
「どれがほしいと言われても対応できるように」
って、安産のお守りとか、それ、私が欲しがると思ったの?
っていうか、むしろ欲しがったりしたら大問題でしょうがっ!
……嘉久は、誰にあげるのか未定なお守りを両手いっぱい。
私は、あげつ相手が決まったお守りを両手いっぱい。
……。嘉久、早く孤高の皇帝卒業できるといいな。
「璃々亜、これ、やるよ」
と、お守りを一つ私に差し出してきた。
いや、自分で買ったし。
私もたくさんあるから。
「別の方に差し上げてください」
にこっと笑ってお断りした。
「べっ、別の人とか、あげる人いないからな!俺は、俺には……璃々亜しか」
うわ、ちょっ、嘉久、だから、早く友達作って!
どうしよう、ここは素直に受け取るべきなのか……。
「璃々亜は、何のお守りを買ったんだ?」
「お土産で明日、図書委員の皆様にお渡ししようと思って。男性用と女性用と……」
と、嘉久に見せる。
「な、なんだ。そうか。……縁結びが有名らしいが、買わないのか?」
え?
京様ボイスで縁結びとか言いました?
うひゃー。
都キャプテンとの縁を結びたくて、お守り買って、何気なく渡すとか、めっちゃ萌えますがな!
やっば。ふふ麩。いや、腐。
「私にはまだ必要ございませんわ……」
まだっていうか、今後必要になることがあるのかな。
どちらにしても、高校3年間は、誰かと恋仲になる危険は冒せない。
恋のもつれから、悪役令嬢と化し、破滅ルートへと進むわけにはいかないからね。
「そうか。まだ、必要ないのか……そうか。急ぎすぎた」
ん?
何を急いだの?
「なんでもない、行こう」
二人で並んで歩き出す。
嘉久も私も右手にお守りたっぷりの紙袋を持っていた。
手をつなぐつもりで伸ばした手を嘉久はひっこめた。いや、荷物を持ってくれればつなげますけど。っていうか、持ち帰ればつなげますけど。
って、別にそこまでしてつなぐ必要もないか。さほど混んでいないので、迷子にもならないだろうしね。
さて、次は、ついに金平糖のお店。
「!!」
声が出ないとはこのことだ。
カラフルな金平糖が店内には並んでいる。
もともと金平糖はカラフルだから不思議じゃないって?違う違う、全然違う。白、ピンク、黄色、水色、緑とか、そういう駄菓子的なカラフルさとは全然違う。
桜色、藤色、空色、鶯色、山吹色、菫色、若竹色、萩色……。
優しくて色鮮やかな金平糖たちが顔をそろえている。
可愛い。可愛くて、なんかビーズみたいにいろいろな色をコレクションしたくなるっ!ああ、この瓶に入ったのなんて、最高に可愛い!
それに……。味の種類がすごい。
ミルクにバニラにイチゴ。メロンにパインにバナナにチョコレート。うわぁ、アイスクリームみたい。
いや、アイスクリーム以上だ!ブランデーに梅酒にシャンパンに日本酒に赤ワイン。なにこの酒シリーズ……。
さらには、紫蘇、山椒、生姜、柚子……おおう、和食のお供シリーズ。
さらには、抹茶、ほうじ茶、紅茶に珈琲。ぬぬっ。カフェアンドティーシリーズ。
やばい。
全種類制覇したいっ!
はっ!
全種類制覇とか、やだ、何?今、誰がそんなこと言った?
わ、私?
……あああ、ああ……。
嘉久が乗り移った……。ぐごごごごっ。なんてことだ……。
ご覧いただきありがとうございます。
参考にしているお店の金平糖、写真を見るだけでも幸せな気持ちになれます。
すごくかわいい!手元にあったら「食べるのがもったいないっ!」って絶対言う。
さて、そろそろ12月も後半になりますね。
年末年始の更新お休みの冬休みを何日くらいいただこうか考え中でございます。




