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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第328話 買い物する必要があるらしい

「璃々亜……」

 嘉久の目が、きらきらしております。

 ちょ、イケメンがきらきら目でこっち見るなっ!眩しいから!

「そんなことまで知っているなんて……」

 知らなさすぎだ、金持ちたちが。っていうか、普通は財布に万札だけなんて状態ないからね?世の中の高校生は、財布にはむしろ小銭しか入ってないからね?

「とにかく、何か買ってお金を崩しましょう?」

 というか、お金崩す目的で、100円とか200円の物に万札出すの申し訳ないよなぁ……。

 だって、GW初日だよ?……あ、でも世間は平日か。ならいいかな?

 両替も、タダじゃないんだよね。だから、お店だって、おつり用意するの大変なんだからさ。

 とはいえ、あまり荷物になる物を持ち歩くのもなぁ。小さくて、本当に必要な物で、値段が高すぎず安すぎないもの。

 ピピッ。

 ん?なんの音?

「あー、使いすぎたみたいだ……充電が切れる」

 嘉久がスマホを取り出した。

 新幹線の中でずっとつけてたしね。私は大丈夫かな?

 っていうか、旅先での充電切れって致命的だわ……。はぐれたら、どうすんだ。

「しまったな。株をしている頃は、充電切れなんて凡ミス決してしなかったんだけどな。スマホ3台とモバイルバッテリーは毎日携帯していたんだがな」

 スマホ3台持ちとか、どこのビジネスマンだよ。

 いや。ビジネスマンだって、仕事用と私用のせいぜい2台じゃないの?

 3台持ちとか、どこのホストだよっ!

 もう、モバイルバッテリーに関しては、いくつ持っていたかなんて聞きたくもない。

 そんなに必要なら、発電機でも背負って歩けっ!と怒鳴り付けたくなるような数であることは間違いない気がする。

 モバイルバッテリー?

「そうですわ、買いに行きましょう」

 お金もくずせるし、必要な物だし、一石二鳥だよね。

「は?新しいスマホを買いに行くのか?」

 ……。

 やだ、この金持ち。スマホの充電切れたら、新しいスマホを買えばいいじゃないとか、マリーアントワネット以来のすっとぼけ発言なんじゃないだろうか?

「いえ、モバイルバッテリーを」

「なんだ、璃々亜知らないのか?モバイルバッテリーは、買っても、充電してからしか使えないんだぞ?」

 嘉久がどや顔で説明してくれた。

 そういえば、そうだっけ。

「だが、スマホはある程度充電してあるのが手渡される。だから、買うならモバイルバッテリーではなくスマホ」

 いや、それ、普通の人の発想じゃないから。

 っていうか、多分、全世界の金持ちからも、賛同してもらえないと思う。

 っていうかさ、もしそれしか方法が無かったら、世の中の人、すんごく困るから。

「確か、コンビニ等に高速充電用のステーションみたいなのがございませんでしたでしょうか?無かったとしても、乾電池で充電できるものが売っていましたわよね」

 嘉久、「がー」

 あ、また「がーん」って言おうとしてやめてる。

 口癖になっちゃったのかよ、早く直るといいね。

「璃々亜は本当に物知りだな……」

 普通だけど。めっちゃ普通だけど。

 駅校内に貼ってある近隣案内地図が目に入ったので、近づいて確認する。

「嘉久様、電化製品を扱っているお店があるようですわ。ここなら売っていると思いますわ」

 大型電気店の名前を見つける。

 地図で、何番出口から出てどう行けばいいかを覚える。とはいっても、外に出ればでかい看板が見つかるとは思うけど。

「さぁ、早く買って、観光しましょう」

 地図から嘉久に視線を戻すと、嘉久が辛そうな顔をしている。

 おーい、何だよ、その表情。

「敦也兄どころか……今の俺は、璃々亜の足元にも及ばない……」

 はぁ?

 ちょ、何を突然落ち込んでいるんだ、旅行中、旅行中、落ち込むのは帰ってからにして!

 っていうか、漫画を少し読んだくらいで、私に追いつけるわけないじゃないかっ!

 嘉久の何倍漫画読んでると思ってるんだ!

 あ、いや、違う、足元って、なんの足元なの?

 勉強も運動も家柄も容姿も株取引も、全部私に勝ってるでしょ?

 はっ!

 友達か?

 友達の数なのか?うむ。それは頑張れとしか……。

「俺が初めに立てた計画では、このような不測の事態が起きた場合すべてのスケジュールが狂って収集が付かなかっただろう」

 ああ、あの、何時何分の電車にのって移動には何分かかってっていう、なんたらサスペンス劇場なんとか特急殺人事件みたいなやつね。

「璃々亜が、ゆるく計画を立て直してくれたおかげだ……」

 いや、持ち上げすぎでしょ?

「嘉久様は、嘉久様の良さがございますわ」

 ……えっと、まって、どこだっけ。

 おーい、嘉久のいいところでてこーい。

 やばっ、出てこないとか、いや、出てくるはず、えっと、えっと……白目……。

「その、調査能力や計画性があってこそ、株取引で成功できたのではありませんこと?あと、分析力も必要もございますでしょう?」

 私の知っている嘉久のすごいところは、株で何億も稼いだってことだ。

 なので、株素人だけど、株に必要そうな単語並べてみた。

「……そ、そうかな?」

 嘉久の表情が少し明るくなった。

 あ、そうだ、それから、嘉久のいいところは……。

「舌」

 味覚が鋭いんだよね。

 グルメ番長だからね!

「は?舌?え?璃々亜、俺が特訓してちょうちょ結びまでできるようになったことを知っているのか?」

 ちょうちょ結び?

 何のこと?

「サクランボの柄だとさすがに短すぎて無理だから、細く切ったかんぴょうで練習しているんだが」

 かんぴょう?

 練習?

 ちょうちょ結び?

 なんだ、いなり寿司でも作る練習してるのか?


ご覧いただきありがとうございます。


昨日ご報告した通り、ありがたくも書籍化していただくことになりました。

それに伴い、タイトルを近々書籍に合わせて変更する予定でございます。

通称「あんた誰?」から通称「オタクガール」に変わります。

書籍化に関しては活動報告をご覧ください。

……(=゜ω゜)ノ


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