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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第37話 そこは天国ではなく、地獄だったらしい

 6階。

 料理部、お菓子部、お茶会部。

 6階にあがると、いいにおいがぷぅーん。


「うわー、料理部だ、何を作ってるんだろう?」

 芽維たんが興味深深で廊下の窓から中を見た。

 ホワイトボードに「本日のメニュー」と書いてある。

 どうせ、お嬢様学校だし、聞いたこともない料理だよね。

 「トマトのファルシ」とか「ナスのファルス」とか。

 おっと、私は聞いたことがあるなっ。ぶははっ。ファルシとファルスは、某ゲームの双子の剣士なんだよっ!緑の髪がファルシ、水色の髪がファルス。すんごく仲がいいんだよぉ。でもってお勧めカップリングは……あ、いや。違う違う。えー、料理だ。肉詰め料理のことをかっこよく言い表す言葉なんだとさ。

 他に「スープドポワソン」でもどーんとこいだ。敵の四天王にポワソン将軍ってのがいてだな。魚肉って意味らしいから、同人誌では魚肉ソーセージネタがわんさかともにょもにょ。「シュークルート パイヤソンを添えて」とかだって知ってるぞ!

 うん。何気に、あのゲームは食べたことのない料理の名前がキャラクターにつけられていて、知識だけは豊富になった。

 さて、本日のメニューは?


 本日のメニュー


 卵焼き

 鮭の塩焼き

 きゅうりの浅漬け

 ご飯


 旅館の朝食か!

 メニューの下に「誰でも料理ができるようになります!ぜひ料理部へ」とか勧誘の言葉が書いてある。

 あー、うん。料理ね。

 はい、料理に、一応入れときます?火を使うし。

 前世で「得意料理はトマトサラダです!」って言い切った人もいるし。それよりは料理だよね?

 

 テーブルの上には、出し巻き卵の素と卵と、鮭と、浅漬けの素とキュウリと、米が置いてあるのが見えます。ああ、素を使うんだ。


 真剣なまなざしで卵を割る女性徒。ああっ、そんなに強くコンコンしたら……ぐしゃっ。

 焼き網の鮭を箸でひっくり返そうとする女性徒。うわわ、そんな部分をそんなはさみ方したら……ぼろっ。

 きゅうりを切る女性徒がいます。指を切らないように慎重に包丁で切っていくが……案の定つながっています。


 前世の私が料理上手に思えてきた。

「ああ、すばらしいですわ。料理ができるようになるなんて……」

 皐月たんの目が輝いています。見なかったことにしよう。

 芽維たんは?料理部の前にはすでに姿がなく、お菓子部の前にいました。


「おいしそう~」

 お目々キラキラで、お菓子部の中を覗き込む芽維たん。

 こっちは何を作っているんだろう。料理部があれとすると、こっちは……ホットケーキとか?いや、ホットケーキは意外と難しいよ?焼き加減が。


「ぐぼっ!」

 やば、変な声出た。

 芽維たんは見るのに必死で気がついてない。よかった。芽維たんの他にいた5,6人の女性徒が後ろを振り返る。

 やばい。私も一緒に後ろを振り返って、今の声の主を探すふりしとこう。

 はー、もう、なんてことでしょう!

 色とりどりのフルーツがたっぷりのったタルトに、チョコレートで綺麗にコーティングされたザッハトルテ。

 ドゥーブルフロマージュを思わせるしっとり柔らかそうなチーズケーキ。

 見学者に見せやすいように完成品を窓際のテーブルに並べてある。商品じゃない、お菓子の説明を書いた紙が置いてある。

 今、奥ではボールを片手に何かを混ぜている先輩や、ケーキの飾り付けをしている先輩がいた。男女比半々くらい。

 プロ並みっていうか、もはやその辺のプロを越えてるんじゃないかってできばえのケーキたちが並んでいる。

 ふと、真剣に教室を見てる芽維たんを見れば、よだれ、よだれ!

 おっと、人のこと言えません。じゅるるっ。

「見学だけでなく、召し上がっていきませんか?」

 女神や!

 ここに、女神がおるでー!!

 にこっと微笑む女神様にいざなわれ、私と芽維たん及び他の女性徒たちはお菓子部の部室へ。

「どうぞ、好きなだけ召し上がってくださいね。感想をいただけると嬉しいわ」

 ふわりと回りに花が咲いたような笑顔で、皿とフォークを差し出される。


 ま、まさかの、食べ放題。ケーキバイキング状態です!!


 女性徒たちが女神な先輩に質問をしているのを聞きながら、下品にならないようにできるだけゆっくりとケーキを一つ取り、食べる。

 皿が空になると、別のケーキを取り、食べる。

 はっ!芽維たんはもう3つ目だわ!

「活動は週に1回が基本ですの。ですが、いつでも部室は使用できますから、毎日お菓子を作っている部員もいますわ。活動日には2種類ほどのお菓子を作ります。今日は、部活紹介の日ですから、いつもより種類を増やして作っています」

 芽維たんは、説明に時々目をきらっと輝かせながらも、手と口は止まらずに食べ続けている。


 わかるよ、分かる!

 部費も材料費も必要ないとか、研究のため月に一度は行列のできるお店のお菓子が食べられるとか、作ったお菓子は持ち帰り自由とか。

 ここは、天国か!

「どれも、とても美味しいです!」

 芽維たんがいつのまにか5種類制覇して、女神様に感想を述べていた。

 私、まだ4つ目ですが、そろそろおなかがいっぱいになってきました。


 そこに、料理部からお菓子部へやってきた皐月たん。女神様が皿を差し出すと

「ありがたいのですが、私、ダイエット中ですので……」

 と、爆弾発言をした。

 私と、芽維たん、皿をテーブルの上において、涙目でお菓子部を後にする。

 あそこは、天国じゃない。

 人を堕落へと導く地獄に違いない……。

 ぐずっ。ぐずっ。


「入部資格はございますか?」

 お茶会部の前で、見学していた女性徒に先輩が声をかけていた。

 入部資格?

おはようございます。ご覧いただきりがとうございます。

次回は「ざまぁ」会でございます。

そして、あの方が出てきます。覚えてるかなぁ。このあたりで思い出せるように書いておきますね!


【情報整理】

 白川璃々亜:私。前世は戸川芭琉。

 鈴木芽維:ティーカッププードルみたいなかわいさ。ヒロイン候補

 皐月幸子:クラス委員長 ツンデレポニーテール。ヒロイン候補

 高円寺嘉久:幼馴染(バスケの王子様の京様に声がそっくり)

 白川敦也お兄様:生徒会会長(都キャプテンに声がそっくり)

 剣崎徹:生徒会書記(東クンに顔がそっくり)

 三笠蔵丈之新:大財閥御曹司、未遭遇

 田中:クラスメイト、芽維の幼馴染 璃々亜と同じ図書委員




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