表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

357/565

第303話 シンデレラらしい

 ぎゅーっとされたまま、えーっと、1分とか?

 長く感じるだけかな?

 えーっと、うーんと、長いよね?

 3分経った?

 これ、どうしたらいいの?私から引きはがしたりしたら、拒否られたとか、また孤独感感じさせちゃったら……かわいそうだよね。

 えーっと、

 うーんと。

 うわっ、通行人の見て見ぬふりな視線を感じるわ。

 やだ、これ、一見すると、恋人同士の抱擁ですね……?

 道端で、真昼間から、いちゃいちゃしてるんじゃねーよ的な?

 あ、やばそうなやんちゃっぽい人にいんねんつけられたらどうしましょう……。

 おや?ちょっ、誰かがスマホ構えてこっちに向けてる。

 慌てて顔を伏せる。

 そうだ!今は「こんなとこで見せつけてくれるねー、あんちゃんよ」的やんちゃものよりもやばいのは……。

「秋葉原に糞カップル出現WWW」

 的なSNS利用者だよ。写真撮られて拡散とか……。

 いつ、だれに「あれ?これ、璃々亜じゃね?」と正体を見破られてしまうか……。

 いや、まぁ、秋葉原に糞アップルが出現した画像程度、そうそう拡散するとは思わないけれど。だが……。もう少し用心しないといけないかもしれないなぁ。

 手をつないで歩いてるくらいは普通だろうけれど、クレーブを分け合って食べるとか、別れを惜しんで抱き合うみたいなのは……。

 弟と姉キャラ知らない人からしたら、単なるバカップル。

 キャラを知っている人からすれば「普段からなり切りな痛レイヤー」。

 あ、あれ?

 どっちに見られても、辛い。


 ピピピピピ。

「あっ」

 どうしようか考えてたら、アラームが鳴った。

 弟は、少しだけピクリと反応したものの、そのまま私を抱きしめてる。

 ピピピピピとなり続けるアラーム。

 これ、だんだん音が大きくなる設定なんだよ。ほっておくと、大音量で注目浴びちゃうっ!

「弟、」

 弟の体をつっと手で押して放して、カバンからスマホを取り出してアラームをオフ。

「帰る時間だ……。遅れないようにアラームかけといたの」

「シンデレラみたい」

 と、つぶやいた。

「あはは。そっか。こうして秋葉原っていう舞踏会にいつもとは違う服を着て来てるんだからそれっぽいね。ガラスの靴は落としていかないけど」

 そうだ。

 秋葉原もそうだけど、コミケって本当に舞踏会みたい。夢の世界。あっという間に終わってしまう。その日まではいろいろとワクワクしながら準備を整えるんだ……。

「靴の片方は僕が持ってる」

 ん?

 いつの間に、私、靴を落とした?

 そんな馬鹿な!

 足元を見る。

 いや、履いてるよ。大丈夫。靴を落としたのを気が付かないほどぼけてないから!

 弟が、さっき私が渡した箱をポンと軽くたたいた。

「僕と姉さんは二人で一つ」

 ぐお。

 キャラ台詞来た。

「僕の靴と、姉さんの靴……二つで一つだから、僕が片方持ってることになるでしょう?」

「ふふっ、そっか。そうだね。せっかくのお揃いなんだもん。揃えてこそ、価値を発揮するね。また一緒に行こうね。じゃぁ、急がないと遅れちゃうから」

 急いで駅に向かって走り出す。

 少し進んで、振り返って、弟に手を振る。

 弟も手を振り返してくれた。


 駅で、適当な駅までの切符を購入して途中下車。

 商業施設に入って、化粧室で着替えて髪型変更。マスクやサングラスも外す。

 例によって、化粧室だけを利用するのはまずいので、買い物。

 何を買おうかな。

 あまり選ぶのに時間をかけるわけにはいかない。

 と、歩いていると、実演販売がやっていた。


「このスポンジでこすると、洗剤もつけずに湯垢があっという間に取れます」

 おおー、こういうの気になるよねぇ。本当に本当なのかなぁ?

 実演販売しているひとは、蛇口をスポンジでこすった。

 すると、曇っていた蛇口がピカピカ輝きだす。

 同じように、曇っている鏡を持ち出し、一筋分だけ撫でる。そうするとするーっとそこだけシミやしわがくっきり移りそうなほどきれいに。

 おおーっと、実演販売を見ていた10人ほどのおばさんや子供たちから声が上がる。

 私も思わず「おおー」と言ってしまった。

 いや、だけどね、昔、テレビで見たことあるんだ。

 実演販売の裏側みたいなやつ。こういう、曇った鏡や蛇口なんて都合よくその辺の転がってないでしょ?だから「実演販売用」に作るって。

 つまり、曇ってるけど、あれは本当に水垢とは限らない。その辺のスポンジでもちょっとこするだけで落ちるただの似せた何かである可能性はある。

 だって、ほら、あっという間に汚れが落ちますって洗剤みたいなの。あれも、アッという間に色が落ちるインクを探すんだってね。

 で、あっという間に落ちるインクのペンだけを選んで実演販売とかでは見せてるらしい。

 ……って、疑いだしたらきりがないし。

 スポンジなんて100円均一で買えるのに、5個入りとはいえ1280円は高い。

 ……。

 故に、気になってはいるけど買ったことはないんだよねぇ。

 はっ!

 いけない!つい、実演販売を見てしまった。

 何分経った?

 時間が!

 何か買わないと……。

「一つください!」

 もう、選んでる余裕なんてないよ!

 いいや。気になってたのは事実なんだもん。

 実演販売で水だけで水垢すっきりスポンジ購入。

 急げ!

 遅くなっては「どこへ行っていたんだい?」っていう尋問が始まる!


ご覧いただきありがとうございます。


以上。弟ターンでした。

璃々亜と弟の脳内にはいろいろと溝があるようだ。

さてと。

田中くんターン、弟ターンとくれば、次は、

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ