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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第295話 漫画だぁ~きゃほーい!らしい

 地球ガラスを買って、店を出る。

 はうっ!

 しまった!

 地球ガラスを手にもって、ワクワクな気持ちでレジに向かっちゃったよっ!お会計済ませたら、そのまま店を出ちゃったよ!

 他の棚の商品見るの忘れたー!

 なんてことだ!

 きっと、大手サークルの同人誌の委託販売してるお店には並んでいないような、小さなサークルの同人誌とかが並んでいただろうに!

 東京のイベントに参加できない地方作家さんの同人誌にも、掘り出し物あるのにっ!

 私ったら、なんてことなの!

 一つのことに気を取られると、ついほかのことを忘れちゃうんだからっ!もぅっ!

 どうする?また店内に戻る?

 いや、なんか、入ったり出たりって、ちょっと怪しい行動に見えるかな?

 そもそもマスクにサングラスの時点で、ちょいと怪しいわけだし……。

 それに、よく考えたらスーツなんて着てる人めったにいない。

 浮いてる。目立つ。それで、さらに怪しい行動までしちゃったら……。

 つーほー案件……。

 いや、つーほーはされなくても、人の視線は突き刺さるよね……。ほら、歩いてるだけでなんか、誰かに見られてる気がする。

 歩いてるだけで、あ、あっちでスマホ構えてる人、私の写真撮ってない?

 あ、違う。通話するためにダイヤルしてただけだ。

 自意識過剰になってしまっている。

 人目が気になりだして、落ち着かない。せっかく秋葉原に来たというのに。

 まだ、まんがだらけにも、K-BLOOKSにも行ってないよっ!

 ちょっと落ち着こう。

 目に入ったのは、ヨドバシカメコの看板。

 そうだ、あそこの7階に本屋があったはず。まずは、普通の本屋からリハビリだ。オタクな本屋じゃないから、普通に入れば大丈夫。

 うん、で、あそこって確かカフェが併設されてたんだよね。なんていう名前の本屋だったかなぁ?

 ふあっ!いいこと考えちゃった!

 本屋で漫画買う。とりあえず今日は普通の漫画でいいの。

 大好きな「バスケの王子様」や、急上昇中の「NARUKO」とか、続巻が出てたら買う。

 本当は、こちらの世界では前世とどれだけ内容が違うのかチェックするために1巻からというのが理想なんだけど、何せ時間が限られている。

 だから、読んだことのない部分だけで我慢。

 それから、買った漫画は併設のカフェで読む。

 読んだら……1冊2冊ならなんとか持って帰って部屋に隠しておいておけるだろうけれど、あまりたくさん隠す場所はないので……。

 読み終わった漫画は古本屋へもっていって売る。

 よし。完璧だ。

 いざ、本屋へ。

 ふふふっ。

 皆さま、今、私の目の前は、漫画の棚がございますわよ!

 きゃほーっ!

 えーっと、まずは「バスケの王子様」。あ、こっちの世界だと「バスケの玉子様」だっけ。

 続き。前世で読んだところの続き。2冊手に取る。

 それから「NARUKO」の続き。おお、表紙が弟だ。それからその次の表紙は姉。2冊並べると仲良く向き合って額をくっつけている感じになる。

 ぐふっ。こりゃ、姉弟信者大喜びだね。このポーズお願いしますとか、言われるかな?

「あっ、姉!」

 ふえ?

 私が手に取った「NARUKO」最新刊は確かに姉の表紙ですよ。

 口を押えて気まずそうに横を向いた中学生くらいの女子発見。

 あ、思わず表紙の絵みて「姉」って口に出しちゃったのを恥ずかしがってるのね?

 大丈夫。私もよく、脳内の言葉が口から洩れるからね。

 仲間ね。ふふふっ。

 さて、それから次に、少年漫画コーナーを物色。青年漫画、少女漫画、女性漫画とチェックし、手元の漫画の数はおよそ15冊になりました。

 スポーツ用品店で買い物した紙袋もあるので、そろそろ漫画を持って店内うろうろするのが大変になってきた。

 カゴとか置いてなかったかな?

 私、これから聖地なコーナーを落ち着いてみて回りたいんです。

 ええ。BLコーナーがこの先に!

 むほほほ。

「あうっ!」

 やばいっ、気持ちだけ先にBLコーナーに出発したため、体が付いていかない。

 バランスを崩し、手に持っていた漫画タワーが雪崩を起こそうと傾いた。

 むぎゃっ、崩れ落ちる!私の大切な「バスケの玉子様」他多数が!

 ああ、こういう絶望的シチュエーションに遭遇すると、スローモーションみたいに見えるっていうけれど……。

 斜めになってなだれようとしていた漫画様たちは、スローモーションどころかストップモーション。

 動きを止めた。

 ん?

 はれ?

 よく見れば、私の背後からにょっきり手が伸びてて、その手が漫画崩壊を止めていてくれていた。

 うわー、何と言うことでしょう!

「ありがとうございます!」

 抱えた漫画を倒さないようにすこしだけ頭を下げる。

「持つよ」

 弾んだような声が聞こえ、すいっと重みが消えた。

 目の前に立つ人物が、私が抱えていた漫画をそっくりそのまま持ってくれたのだ。

「あと、何見る?」

 当然のように、荷物持ちをしながら一緒に本屋の店内をまわってくれようとしてるけど……。

 えっと、あの、いろいろとツッコミ所満載なんだけど。

 まずは……確認しておかないと。

「弟?」

「何、姉さん」

 あっさり、当然のように返事が帰ってきた。

「え、あ、なんで、弟が……」

 と、口にしようとしてハッと思い出す。


ご覧いただきありがとうございます。

で、て、き、た!

で、て、き、た!

しばらく弟ターン。

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