第280話 薔薇は……らしい
うっとりしてたら、ケーキが食べたくなった。
ふとそれを嘉久に行ったので、午後はケーキを食べに行ったのさ。嘉久が「よし、美味しいケーキだな!任せておけ!」というので、車に2時間。往復4時間かけてね……。
あー、うん、絶品ケーキだったけどさ、ケーキのために小旅行みたいなのは望んでないから!
これからは、グルメ番長たる嘉久に、食べたい物を言うのはやめようと誓いました。
さぁ、待ちに待った日曜日ですよっ!
朝食は……。
嘉久のリクエストでフワフワ卵かけご飯をメインとした和食です。
脂ののった肉厚の鮭。新鮮な野菜の浅漬け。おぼろ豆腐。大根とわかめのシンプルな味噌汁。
うん、これだけおかずがあれば、卵かけご飯じゃなくていいんだけどな……。
何?卵かけご飯は別腹?飲み物だろうって?いや、違うから!嘉久、カレーは飲み物って言いだす大食い芸能人みたいな言い方やめて!
食事の後、今日は梅昆布茶で一息。
「嘉久、今日はお茶会部の清掃ボランティアに行くんだったな?」
兄の言葉に、嘉久が頷いた。
「あ、そうですわ……少々お待ちになって」
思い出した。部屋からクラスメートからもらった市議会議員のお母さんの報告書を手に取り食堂に戻る。
「こちら、市議会議員の後援会向けの報告書ですが、ここに書いてあるのはお茶会部のことではございません事?」
高校生たちの公園の清掃ボランティアについて書かれている部分を指し示す。
「おや、本当だ。すでに話題になっているのだね」
兄が満足げに頷いた。
「こうして、活動に目を止めて評価してくださる方がいるのは嬉しいですわね!」
嘉久は、ハッと私の顔を見た。
自分のことじゃないけど、自分の通う学校だ。悪く言われるより評判が良いほうがいい。
当事者ならなおさら嬉しいだろう。
「嘉久様、嬉しいですわね!」
嘉久も感激して言葉も出ないのか、ぼんやりと私の顔を見ている。
「璃々亜、嬉しい?俺……」
ん?
「俺、今日は、璃々亜のために頑張るからなっ!」
「公園を使う人たちのために頑張ってください」
やだ。嘉久ったら。白川家のトイレでも磨くつもりだったのかしら……。
今日の私は、色々と予定があるのに、私のためとか言って、監視されたりしたらたまらないのでございますよ。
だって……うふふ。
今日は、あ、き、は、ば、ら♪。ああ、秋葉原の文字が、秋葉薔薇に見えるわ。
ええ、バラ色の時間を過ごしますぅ~!
あ、薔薇って、あっちの薔薇じゃないよ。
……。
百合と薔薇とセットの薔薇じゃないってばっ!「BALA」って書かないのっ!略してBLとか、ちょ、ないから!
だって、BARAでしょ、ね?何ならVARAとかでもいいや。
って、もう、何の話なのよっ!
兄が、嘉久の肩をぽんっと叩いた。
そうか。兄も、嘉久に公園の掃除頑張れよとエールを送っているのか。
……二人が、切ない瞳で私を見ているような気がするけど、気のせいだよね?BLのことを考えた私の脳内漏れてないよね?
嘉久は、朝食後しばらくして出かけて行った。
兄も、今日も学校へと出かけて行った。あー、兄みたいなタイプって、ワーカーホリックになりそうだねぇ……大丈夫か?
んで、私は現在……。洋服選びをしています。
何を着て行こうか……。
田中くんと会ったあと、変装して秋葉薔薇だし。おっと、薔薇じゃなくて原。
鞄に財布……。
財布は、学校用と休日用に分けちゃうか。学校は兄にもらった財布で、休日は前使っていたピンクの財布と。
「あ……」
弟からもらったガラスの地球のストラップを財布に着けようっと。うん、かわいい。それから、後は何がいるかな?
おっと、スマホ、スマホ。
居間に置いてあるスマホを鞄に……あ、メール着てる。
弟からだ。
「明日はAKIBAに出掛けます」
ふおっ!
昨日来たメールだから、明日ってのは今日。AKIBAって、アキバで、秋葉原っ!
ふおー、偶然だ!偶然っ!
会えるかもしれないっ!
あ、いや、待って、会えるかもじゃなくて、変装した姿しかお互い知らないから、会えないでしょ。
私は別の変装する予定だし、弟だってどんな服装してくるのか分かんないもんね。
とりあえず、私はマスクとサングラスと、ショートヘアのウィッグ装着する予定。
田中くんと別れた後に購入しようと思ってる。サングラスもウィッグもオシャレアイテムだと言えば、例え部屋で兄とかに見られても平気だと思うし。
あ、もちろん、コスプレ用ウィッグじゃなくて、ちゃんとファッション用の買うよ?変な艶のない、自然な感じのカツラ。
……お互いに変装した姿で待ち合わせてお茶でも……ってわけにもいかないかな……?
メールの返事は保留にすることにした。
準備して、待ち合わせは現地。秋葉原……じゃなくて神保町。
田中くんを待たせるわけにはいかないので、早めに家を出る。あ、別に、早く秋葉原に行きたくてうずうずして、つい早く出ちゃったわけじゃないよ?
……うう。
運転手の蜂川さんは、相変わらず嬉しそうに最寄りの駅まで送ってくれた。
なんで、いつも嬉しそうなんだろう?
あ、なんかの漫画にあったなぁ。とにかく車の運転が好きな運転手。いや、違ったか、車が好きなんだったかな?
「お嬢様、帰りは何時ごろの予定でしょうか?お迎えはこちらでよろしいですか?」
帰りか……。
秋葉原に行くんだから、今日は帰りません。日付が変わってから帰ります!
……って言えればいいのにっ!
ダメダメ。璃々亜は高校生。夜遊びはダメ!
っていうか、夜遊びなんて前世だって……みっきゅんとファミレスでずっとBLについておしゃべりしたり、カラオケで朝までアニソン歌ったり……とかだったし。
一人じゃ……。
ファミレスでおしゃべりもできないし、カラオケに行っても……つまんないよね……。
みっきゅん……。
元気かなぁ……。みっきゅんも、一人じゃつまらないって、夜遊び(?)やめちゃったかなぁ……。
とはいえ、ここ数年は「さすがに歳かなぁー、徹夜は無理だー」って終電までには帰ってたけどね。ふふ。
みっきゅん、若返った今の体力なら、私、徹夜3日くらいできそうだよっ!って……嘘です。
夜9時とか10時には眠くなる生活です……。あれ?おかしいな……。璃々亜って体力ないのかな?
それとも……やっぱり楽しいこととかやりたいことないと、起きていられないのかなぁ……。
いつもありがとうございます。
本編280話でございます。
ええ、まだ4月とか。
璃々亜の成長が見られないのは、まだ1か月も立ってないからであって、なんというか……ちょー、もう、1学年3か月しかない世界とかにしちゃっていいかな?とかふと思う今日この頃。
ほら、ゲーム内世界だし。
ああ、でもそうすると夏とか冬のイベントが描写できませんね。
え?夏コミ冬コミ?違うって、夏のイベントといえば、海とか合宿とか花火とかでしょ?
冬のイベントといえば、クリスマス!に初もうで!バレンタイン!兄の受験とか色々とあるでしょ!
……あ、イベントって、そういう意味の方ね……。




