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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第278話 嘉久は変装するらしい

 回避といえば、うっかりしてた……。

 学校の近くの回転寿司屋って……、学校の近くの回転寿司屋って……。

 生徒に見られる可能性あるじゃんっ!

 学校で、なるべく兄や嘉久と接触しないようにしてるのに、休日に仲良く回転寿司とか見られたら、全然意味ないじゃんっ!

 うっかりにもほどがある。

 とぼやいたら、嘉久。

「よし、変装しよう!」

 ぶっ!

 変装かよっ!店を変えるとか一緒に行くのやめるとかいう発想じゃなくて、変装かっ!

 っていうか、変装なら、私にまかせろ!

 ……と、言いたいところだけど……。

「あ、あんた誰?」

 30分後には見事に変装した嘉久がおりました。

 ユニフォームの店だからね。変装のための服装はいっぱい売ってる。その中から、Tシャツとつなぎをチョイス。

 あ、つなぎは赤じゃないよ。紺。

 っていうか、お前、つなぎが着て見たかっただけで、お茶会部のユニフォーム選ぼうとしてただろう?ってちょっと疑ったよ……。

 首にタオル、頭にはつばのある帽子とヘルメットまでかぶってやがる。

 いや、服装だけ変えたなら、顔ですぐばれるだろうけど……。

 嘉久、すごいな、その発想!

 女だと化粧を変えるっていう手があるけど……まさか、男が化粧とかって発想はなかなかないでしょ?

 嘉久は、色の濃いドーランを顔とか手とか腕に塗り、外仕事で日焼けした男の色になっていた。

 ちゃんと、耳までドーランぬってるんだよ。

 で、眉を濃くしてる。もう、それだけで「あんた誰?」だよ。

 そうか、肌の色で印象がずいぶん変わるんだ……。勉強になったよ。私も、ひと昔前に流行った山姥メイクとかしてみようかな。って、行き過ぎか。山姥じゃなくて、ガングロでとめないとだめか。うん、確かに、テレビとかで芸能人が「昔ギャルだったんでー」とガングロメイク写真を出しても別人にしか見えないし。

 変装としていいんじゃない?

 ……って、今時ガングロギャルメイクは逆にすごく目立つか……。しかも、イベント会場って……。オタクの聖地にギャルって……。

 ううっ!

 想像しただけで、アウェー感漂うわ……。同人誌即売会っていうホームグラウンドに言って、なんでアウェーな気持ちにならないといけないのっ!

 やっぱ、ガングロギャルメイクな変装は無し!


 てなわけで、回転寿司に私と変装嘉久と兄と3人で行きました。なんだろね?この組み合わせ……。

 まぁいいや。さーて、ガンガン食べるぞ!

 兄も嘉久も、出張回転寿司の何倍もあるレーンを回る寿司に目が釘付けだ。どれにしようかと悩みに悩んでいる。

 味は……、まぁ普段は立派な寿司ばかり食べてるから物足りないかもしれないなぁと思ったら……。

「何だこれ?変わった魚卵だな」

 嘉久、それ、コーン。

 手に取って近くで見てびっくりしている嘉久。

「え?トウモロコシ?なんで?」

 なんでって、子供に人気のお寿司ですよ?

「これは……、タコだから、有りなのか?」

 兄が、タコさんウィンナーの乗った握りずしの皿を取った。

 いや。別に魚介類に寄せるためにタコさんの形にしてるわけじゃないと思う。

 二人が、恐る恐る寿司を口にする。

「うまい!」

 嘉久コーンの寿司絶賛。

 って、咀嚼途中ですでにレーンに視線を戻した。すかさず、回って来たコーンに手を伸ばす。

 そ、そこまで気に入ったのか?

 美味しいけどね。マヨネーズと酢飯と海苔と醤油って組み合わせ合うけどね。だから、ツナも美味しいんだよね。あとカニカマね。

 兄は「悪くないな、こういう変わり種も」という感じだ。

「璃々亜は何を食べる?取るよ」

 レーン寄りに、兄と嘉久が座っている。私はレーンから離れた場所だ。

 やっと気が付いたか。

「では、それを取っていただけますか?」

 設置されていたタブレットメニューを取ってもらう。

「メニューか?」

 兄から受け取り、タブレットメニューで……。

 ポテトから食べようかな、たこ焼きも捨てがたい……。

 あ、タコわさび……うまいんだよなぁ。酒に合うんだ。

 って、いや、酒はだめ。酒は。うん、そうだ。ジュース飲もう。

 あれ?ジュースっていえば、お茶も水も二人ともいらないのかな?

「お兄様、お茶が必要でしたら、そちらにコップがございますので」

 兄も嘉久も、初めてのお茶作りに悪戦苦闘。

 ああ、お茶の粉入れすぎてるよ。

 お湯の、手で押さない!やけどする!コップを押し当てるんだってばっ!

 調子にのって、いくつも作ろうとするなっ!


 あうー、おかしい、何だろう。たかが回転寿司なのに……なんでこんな風に私は……、小さな子供を遊園地に連れて行ったお母さんみたいに疲労困憊してるんだろう……。

 もう、率先して「貸せ!こうするんじゃっ!」って言いたいけれど……何で詳しいんだとか言われても困るから……。

 お願い、店員さーん、この二人を徹底指導してあげてっ!涙目!


 がーっという音で、注文の品が運ばれて来た。

 この店は、スーパーカー型なんだ。

「うおっ、何だ?」

「私のポテトが届いたようですわね。取ってくださいますか?お皿をとった後は、そのボタンを押すようですわ」

 やった。ポテト。

 ポテト。

 嘉久が、皿を取ってボタンを押した。


いつもありがとうございます。

感謝です!

ガングロ……そろそろ分からない人もいるかもしれませんね。調べたところ2000年が流行のピークだて。そのころ5歳だった子も、すでに二十歳をすぎてるわけだから、知らない人もいても不思議じゃない……。


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