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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第272話 お菓子部の社会貢献案決まったらしい

「機材を積んで車で運ぶのでしたら、いっそ移動販売車の形にした方がよろしいのではありませんか?」

 てなわけで、そこから急展開。焼きあがったシフォンケーキが冷めるまでの間に、トントンと話がまとまった。


「では、決定事項を確認いたします」


・移動販売車を用意する。予算は節約して200万。

・中古の車を安価で改造してくれる業者をインターネットで検索済み。2年生が連絡役になる。

・営業許可等の保健所とのやりとりや、必要な機材の選定などは3年生が行う


「質問はありますか?」

 東章子先輩に、副部長が質問をぶつけた。

「予算の200万は流石に下りないのでは?」

 東章子部長が、フッと笑う。

「生徒会に用意されている、いざという時の予備予算の総額をご存じ?」

 え?そんなのあるの?

「200万などはした金というような金額がございますわよ?それを、少しお菓子部に回していただくだけですわ」

 黒い笑み。

 そういえば、生徒会副会長だったよね。部長は……。

「その、お菓子部だけ優遇されていると言われる可能性はありませんか?」

 東章子先輩の笑みが黒みを増す。

 ふえええっ、部長は怒らせないようにしようって思わず誓うほどの力があるよっ。

「お茶会部なら、色々と言い出しそうですわね」

 部長の言葉に3年生の先輩が小さく頷いてる。

 うわー、何?お茶会部とお菓子部って何かあるの?

 ……いい、知らない。

 知らなくていい。うん。

「でも、構うことはありません。200万は今年、生徒会の予備予算から出していただきますが、お菓子部が元々支給されている部費から20万ずつ10年で返済するという形にすれば問題ないでしょう」

「部長、それでは学園祭などで十分な活動ができなくなりますわ!」

 副部長が焦ったように声を上げる。

「問題ありませんわ。部費が足らなければ、来年度からお菓子部の予算を増していただければ済みますもの」

 ん?

 あれ?

 来年から部費を増やしてもらって、その増やしてもらったお金で返済する?

 全然返済するとかじゃないよね?お菓子部の部費は痛まないよね?

 あれ?

 優遇されることに変わらないよね?

「流石ですわ部長。200万となりますと、流石に口を出す方も見えるでしょうが、20万という金額に対して目くじらを立てるような者はいないでしょう」

 副部長の言葉に、東章子部長が満足げに微笑んだ。

 やだ、黒いオーラが立ち上ってる。


 ……。20万は大金だよー。

 もしかしてさ、感覚的に200万は20万で、20万は2万くらいの感じなの?

 いや、下手したらさ、200万が2万で、20万は2千円くらいの感覚?確かに、「○○部が2千円余分に部費をもらうらしいよ」とかいう話なら、「ふぅーん」で終わるかおしれないけどさ……。

 感覚おかしいよっ!

 20万って、すごい大金だよ!1冊1000円の同人誌だったら、200冊も買えちゃうんだよっ!

 あれ?200冊しか買えないの?

 おかしいな。

 前世の私の家、軽く1000冊は同人誌あったと思うんだけど……、いったいいくら使ってたんだろうか……。

 時々「ゲーム課金したお金で家が買えたのに」みたいな話を聞くけど……。

 もしや「同人誌買ったお金で結婚資金がたまったのに」みたいな話?

 いや、結婚の予定がないから全然問題ない!みたいな切り返しができるとかいう話?

 ……しまった。闇を呼び出してしまった。お金の計算怖い!


 20万が大金なことに変わりはない。

「うぅーん」

 私がお金のことで一人震えていると、芽維たんが難しい顔をして唸っていた。

「どうなさったのですか?」

「何か、難しいなぁと思って……」

「え?何が難しいのですか?」

 特待生で賢い芽維たんがまさか、200万を10年かけて返済することに難しさを感じるなんて!

「お菓子を寄付をするのに、市販品でなければお菓子を受け取れられないっていう話だったでしょ?だったら、移動販売車の形でと、話が進んでるけど……移動販売車を作るにあたっては、営業許可を取って法的にいろいろな問題をクリアするわけだから作る品は市販品になるでしょ?そうすると、わざわざ移動販売車を使う必要がなくなるんじゃないのかなぁって……」

 あ……。

 あれ?

 移動販売車を作っても、移動販売車で移動して目の前でお菓子を作る必要がなくなり、出来上がったお菓子の寄付が可能になる?じゃぁ、移動販売車を作らなければいいかといえば、移動販売車で営業許可を取るから市販品という位置づけになるわけで、あれ?あれ?

「本当ですわね、難しいですわね」

 芽維たんと二人で首を傾げる。

 

 結果、芽維たんの言葉を発端に、新たな話し合いが始まった。

 シフォンケーキがすっかり冷めた後も話し合いは続いた。


 結果。


・移動販売車で回って、お菓子をプレゼントするのとは別に、出来上がったお菓子を別のところへもプレゼントする

・移動販売車の名前は「足長おじさん」と「不思議の国のアリス」のうさぎから「足長うさぎのお菓子屋」に決まった


 どうでもいい話だけど、アリスのウサギって、白うさぎと、3月うさぎの2種類出てくるって知ってた?遅れると走って行ったのと、お茶会してたのは別のうさぎなんだよ?え?なんでそんなこと知ってるかって?

 そりゃ、もちろん漫画で知ったんだけどさ。

「腐思議の国のアリスン」っていうタイトルの。

 あ、うん。もちろんBL。え?うさぎは当然うさ耳の亜人だけど?何か?

御覧頂きありがとうございます。

ブックマーク、感想、評価、励みになります。ありがとうございます!

移動販売車ですが、通常4~500万と言われますが、探せば50万ほどで改造してくれる業者あります(もちろん、改造する中身によって値段の違いはありますが)中古の車50万と合わせて100万とかでも実現できます。

保健所で許可が下りるように改造する必要がありますが、地域によって基準が違うそうなので営業する場所の保健所での確認を!

……ほら、時々ためになる小説です。注*その知識をいつ使うかは知らない

念のため「足長うさぎ」で検索かけた結果……楽しい画像に出会えた。

明日は兄の闇?


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