閑話 弟視点
白川りりあはお菓子部に所属しているらしい。
ああいう人間はお茶会部に所属するものだと思っていたが違うらしい。しかも、噂で聞くにはお茶会部に入部資格がないと言われたとか。……いや、まさか、そんなはずはないだろう。
白川りりあは、間違いなく白川生徒会長の妹のはずだ。とすれば、白川家の令嬢ということになる。
白川家といえば、日本有数の家柄だ。お茶会部に入れば、トップとして君臨することもできるはずだ。
お茶会部への入部資格がないと言われたのは、何か別の理由があるはずだ。
そんなときに、噂が耳に入ってきた。
「高円寺様と、白川様は仲がよろしくないらしいですわ」
「そういえば、歓迎会の少し前に白川様が教室まで乗り込んで高円寺様に何やらおっしゃっていたそうですわ」
何?
高円寺家といえば、白川家と同じような家柄のはず。その子息と白川りりあが対立している?
にわかには信じがたい噂だ。
我々の世界では、子供同士の対立も、家に影響を及ぼすことがある。それゆえ、分別の着くような年齢になれば、上の家柄とはうまく付き合い、同じような家柄とは関係を崩さないようにと教えられるはずだ。
もし、嫌いな人間がいたとしても、近づかなければいい。
何も近づいて対立することはないのだ。
僕は……、表面で取り繕ったその世界が苦手だ。
いや、嫌いだ。
だから、社交の場には近づかない。
人脈を広げるために、会えてパーティーなどの社交の場に多く出席する者も多い。だが、僕は行きたくない。
僕がまだ小さなころは、誕生日パーティーを盛大に催していたりもした。だが、親も近頃では僕をパーティーの場にだそうとはしなくなった。
いや、僕が頑なに逆らった。
そんなにパーティーに出ろというのなら、アニメのTシャツを来て出る!と言ったら、それ以上出ろと言わなくなったのだ。
僕の脅し文句が聞いたのか、パーティーの場でうっかりとオタクがばれると困ると思ったのかはわからない。
とにかく、白川りりあや高円寺の家は、僕とそう変わらないはず。
子供同士でも、適になるなと言われているはずだ。それに逆らって対立しているのか……?
それとも、ただの噂なのか?
……いや、白川りりあみたいな女は、自分の立場もわきまえず、誰かれ構わず敵対するのかもしれない。
愚かだ。
やはり、僕がきっちり調教してやる必要があるのかもしれない……。
……って、残念ながら、今はそんなひまなんてないけどね。
姉と夏コミに行けるように作戦を立てなければならないのだから。
ちょうど、僕の誕生日は夏コミ周辺だ。
ああ、だから、利用するんだ。
大嫌いだった誕生日パーティーも、社交の場も……。
姉のためならなんだってできる。
御覧頂き有難うございます。
弟、嘉久を意識するの巻。




