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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第268話 シフォンケーキを作るらしい

 部活が始まり、またみんなで泡立て。

 でも、今日はマカロンじゃないんだって。

 シフォンケーキなんだって。

 しかも、一人2つずつ作るんだって!ええーっ!でしょ?

 シフォンケーキ食べ放題!で、す、よ!わぁい。

 材料は、卵、砂糖、小麦粉、牛乳、油。

 ……、え?た、卵10個?一つに5つ使うの?

 えーっと、家では2個で練習してたけれど、大丈夫かな?

 5つ……。

 混ぜ混ぜ。

 ん、なんとかなりそう。

 カシャカシャ、カシャカシャ。

 ぶおっ、すごい量だ!

「随分上達したわね泡立て方は、合格」

「はい、ありがとうございます!」

 やったぁー!

 泡立ては先輩に合格点もらえたー。

「あとは、タイミングを見極められるようになれば完璧ね。今日作るシフォンケーキは、このあたりで泡立てをやめましょう」

 タイミングの見極め?

 確か、泡立てすぎると分解しちゃうし、泡立てが足りないと膨らまないんだったよね。

「いわゆる、柔らかいメレンゲね。先週のマカロンは、もう少し泡立てて硬いメレンゲを使用するのよ」

 なぬっ!

 柔らかいメレンゲに、硬いメレンゲ?

 いったい、どこまでメレンゲは奥が深いのだ!

 これは、家で色々と研究しなければ!柔らかいメレンゲと硬いメレンゲ……。どちらが、卵かけご飯により合うのか……。

 次に卵黄も泡立てるのね。

 おお、卵黄も泡立つんだから、今度、卵かけご飯、卵白も卵黄も泡立てて食べてみようかな?もっとふわっふわになるかな?

 うむ、研究すべき事項がまた増えた。そうそう、ゆくゆくは、卵の種類でも何が一番合うのか研究してみよう。

 烏骨鶏の卵とか……。

 

 シフォンケーキの味によって、他の材料が変わってくる。

 プレーンならバニラエッセンス。チョコなら、チョコとココア。色々とあるけれど……何味にしようかな?

 1年生は、1つは基本のプレーンって決まってる。もう一つは選べるんだ。

 うーん、悩む。

「芽維さん、何味にしますか?」

「えーっと、オレンジにしようかな?チョコとか紅茶とかヨーグルトは食べたことあるけれど、オレンジはないから!」

 なるほど!食べたことのないものか!

 じゃぁ、私は……。

「私は、ココナッツにいたしますわ」

「いいね!私もココナッツと迷ったんだぁ」

「では、出来上がったら半分ずつにいたしませんか?」

「え?いいの?じゃぁ、4分の一ずつと、プレーンを半分、立花ちゃんにあげようっと」 

 芽維たんがニコニコ顔だ。

 そうか、私も田中くんへの差し入れはそうしよう。

 家に持って帰るのも、プレーン半分とココナッツ4分の1とオレンジ4分の1。

 兄と嘉久には、プレーン8分の1ずつと、ココナッツかオレンジのどちらか8分の1を上げよう。

 で、私の分はプレーン4分の1と、ココナッツとオレンジが8分の1ずつ。……あれ?シフォンケーキ半分の量だな?食べ過ぎ?

 ……うーん、まぁいっか。週に1度だし。

 何々、シフォンケーキをふんわりと仕上げるには、しっかり泡立てるのはもちろんのこと、材料を混ぜる順番を間違えないこと、混ぜすぎないこと、混ぜ方が足りないのもダメ……えーっと。せんぱぁい、へるぷぅ~!

 さてと。

 焼きあがるまでの時間に、使った調理器具を洗って片づける。調理台の上も綺麗にしてと。

 試食スペースのテーブルをくっつけて、会議スタイル。


「では、K3についてのお話をしましょう」

 東章子先輩が口を開く。

 えーっと、何が決まったのだっけ?

「足長おじさん計画ですが……」

 おお、そうだ。

 作ったお菓子を名を名乗らずに寄付しようというところに落ち着いたんだよね。

「色々と調べた結果、実行は無理のようです」

 え?

「部長、どうしてですか?」

「私たちが寄付しようとしていた物は、お菓子ですね」

 そりゃ、お菓子部だから何かできないかな?からスタートしてるからねぇ。

「正体不明の人間から送られた手作りの食べ物を、皆さまは口に入れますか?」

 うっ!

 確かに!

 いや、正体が分かっていたとしても……手作りって確かにハードル高いよねぇ。

 いくら、プロ並みの腕前といっても……。家族や友達から「手作りなの!」ってプレゼントされるならまだしも。

 知らない人から「先輩好きです。手作りなんです、食べてください!」って突然渡されるバレンタインやクリスマスや誕生日のプレゼント……。

 何が入っているか分からなくて怖くて食べられないって聞いたことあるわ。

 汚い手で調理されたとかそんな話じゃなくて、大好きな先輩に……と、おまじないの何か、怪しい惚れ薬、唾液、得体のしれない何か……を混ぜ込むとか……怖い!

 怖いぞ!手編みのセーターやマフラーには、髪を一緒に編み込むって話も聞いたことがある。いや、もう、ホラーだね。

 あ、それはあれだ。まぁ、愛情の暴走なんだけど……。

 とにかく、手作りでもし、お腹壊したりとかしても責任の所在とかいろいろ……確かに、問題あるよねぇ……。

 確かに。

 何で、先週は気が付かなかったんだろうか。


いつもありがとうございます。

しばらく紆余曲折のお菓子部話し合いです。

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