↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

293/565

第256話 逆壁ドンらしい

 自ら、もう片方の手を顔からどけて、目をぱっちり開ける。

「くっ……」

 何故、お前が……。

 目の前には、朝見たばっかりの嘉久の顔。

 でもって、嘉久から視線を外すと、横には腕を抑えて唖然とする田中くんの姿が。

 ダンッとか、バシッとかいう音……。

 腕を抑える田中くんの姿……。

 嘉久、おまえ……田中くんに何をしたーっ!

 野球部の田中くんの腕に、何てことしてくれるんだっ!

 それに、学校では話しかけるな、近寄るなって言ってあったのに……。

 つかまれている腕を振り払って、嘉久の肩をドンッ。

 壁に背中を付いた嘉久の正面に回り込んで、肩を抑えつけたまま下から睨み上げる。

「なっ、何……?」

 嘉久が驚きの声を上げる。

「しっ、白川っ」

 続いて、田中くんも焦った声を出す。

 うおっと、これ、ほぼ逆壁ドンな体制になってます。

 えっと、ちょいと人に見られたらまずい体制ですか?

 ……ですよね?

 私、ヤンキーみたいになってますよね?

「えーっと、高円寺様でしたわよね?何をなさいますの?」

「なっ、何って、お前、今この男に脅されてたんじゃ……」

 はい?

 田中くんに脅される?

 何で?

「ああ、そうか……。僕が壁に両手をついていたから誤解させちゃったんだ」

 お!

 そういえばそうだった。

 壁ドンって乙女的なイメージだけど、もう一方で相手を逃がさないように囲い込んで脅すみたいな使われ方もするんだった。

 しかも、私、両手で顔を覆ってたっけ。

 見ようによっては、脅されて怖くて泣いてるようにも見えるか?

 ってことは……。

 嘉久は、田中くんに無体を働こうと思ったわけではなく……。

 脅されてる私を助けようとしてくれたってこと?

 ううん、待って、待って、私は顔を両手で覆っていたんだから、嘉久は、璃々亜だってことも分からなかったんじゃない?

 ってことは、嘉久は、見ず知らずの女子生徒を助けようとしたってことだよね!

 嘉久……。

 なかなか誰にでもできることじゃないよ。

 田中くんは、さほど大きくはないけど、明らかに嘉久よりは大きい。筋肉がしっかりついているのも解禁シャツの上からだって分かる。

 自分より強そうな相手に、何の躊躇もなく挑むなんて……。

 いい奴だ。

 いや、もしかして、全然相手が強そうとかそんなこと考えないのかもしれない。助けなくちゃって思ったら、猪突猛進。何も考えずにただ突っ込むみたいな……。

 あり得る。

 嘉久だし。

 うん、でも、それでも……。困っている女生徒を助けようとする嘉久、偉い!立派!褒めて遣わす!

 って、何で私は上から目線なんだ。

 いや、すまん。素直に見直した。

「もしかして、私も……顔を手で覆っていたので、嫌がっていると勘違いさせてしまいましたか?」

 私の言葉に、嘉久の肩がびくっと震えた。

「いっ、嫌がっていたんじゃないのか?まさか……」

 おや?肩の震えがダイレクトに伝わると思っていたら、私、嘉久の肩をドンッした姿勢のままでした。

 失敬、失敬……。

 手を放して向き合う。

「少し事情があって、姿を隠す必要があったのですわ。彼の背で隠してもらい、万が一顔を見られないために手で覆っていたのですわ!」

「そ、そうか……、脅されていたわけでも、口説かれていたわけでもないのか……」

 はい?

 口説かれて?

 え?

 何それ?

 そう見えた?

 いや待て、待て、もしそう見えたなら、邪魔しちゃだめだろ!

 あ、いや、今回は全然違ったから問題ないけど……。

「だが、姿を隠す必要とはどういうことだ?」

 もー、嘉久、誤解だって分かったんだったら、さっさとどっか行ってくれよ。

 関わりたくないの、学校では!

 まだ、田中くんとの話も終わってないんだから!

「あ、貴方には関係ありませんわ!私たちの戦いです!」

「戦い?」

 うお、嘉久、関係ないって言ってんのに、興味津々って顔するなよっ!

「誤解だったとはいえ、助けてくれようとしてありがとうございました。では、失礼いたしますわ!」

 頭を下げて、さっさと嘉久に背を向ける。

 ったく!

 ぷんぷんですわ!

「ごっ、ごめんな、白川……。その、変な誤解されちゃうことになって……」

 田中くんが申し訳なさそうな声を出す。

 いけない。怒っているのは田中くんのせいじゃないから。慌てて否定する。

「あ、いえ、別に構いませんわ」

 にこっと笑えば、田中くんがうーんと、頭を押さえた。

「構わないって、意識してないってことかぁー、それはそれで、あー、いや、」

 意識?

 はっ、そういえば……。

 私、嘉久に対する態度、無意識にいつもの幼馴染モードになってなかった?学校で知らない人のふりできてたっけ?

 ……嘉久の肩ドンしちゃったけど、それって、不自然じゃなかった……かな?


いつもありがとうございます。


えーっと、お盆休みを取ろうかと思います。更新を……その間、えーっと、休……

日曜は更新お休みですが、祝日も休みですと、もう言いましたでしょうか?

お盆休みの日程は検討中です。明日は更新あります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。