閑話 図書委員長視点
私は、買い付け旅行のために、そのために図書委員になりました。
買い付け旅行がなければ、図書委員になる意味などないのです。
意味のない図書委員などせずに、クラス委員になったことでしょう。クラス委員になれば……、生徒会役員と接する機会が増えます。
3年生の私が、2年生の剣崎様と接触を持とうとすれば、お茶会部の時間くらいしかございません。クラス委員になれば、もう少し剣崎様と会える時間が増える……。その貴重な機会を蹴ってまで、図書委員になったというのに……。
図書委員長を勝負して決め直す?
はっ!
貧乏人がイギリスにそれほど行きたいのか、ふざけたことを言い出した。
私ほどの家柄になれば、イギリス旅行など毎年どころか長期休暇ごとに行くことも可能ですから、ただの旅行であればすぐに譲りましょう。
ですが、この買い付け旅行だけは譲るわけにはまいりません。
鳳凰学園の先輩方が長年に渡って積み上げてきた物があるのです。
普段は見られない場所、行けない場所、会えない人……。鳳凰学園の図書委員の買い付け旅行ということで、見せてもらえる、行かせてもらえる、会わせてもらえるのです。
このような機会がなければ……。
4つ上の姉が鳳凰学園の図書委員として買い付け旅行に行った話を、何度聞かされたことか。
その素晴らしさを語る姉のうっとりした目。
私も、鳳凰学園高等部に進学したら、絶対に図書委員になって行こう!と……。
やっと、3年生になってチャンスが巡ってきたというのに!
それを……、それを!
私には、今年しかもうチャンスがないというのに!
2年生のあの……特待生だからって、家柄で委員長を決めることに反対して……。
そうよ!
それに生意気にも同調した1年生がいた。
よりによって、生徒会長の妹!
私よりも上の家柄、逆らうわけには行かない相手……。くっ。
どうして、どうして……。
幸いなことに、勝負は家柄ではなくKHT、K3ポイントで競うこととなった。
絶対に、負けませんわ!
たとえ、どんな手を使ってでも……。
まずは……。
「図書委員便りを作りましょう。有益な情報をふんだんに盛り込むのです」
「え?それは、1年生男子から出た案の……」
「それは、図書室だよりですわね?私達が作るのは、図書委員頼りです、何か問題がありまして?」
そう、問題といえばステマ問題というのが上がりましたわね。
私には秘策があります。
そう、堂々と広告として扱うのであれば、陰口を叩かれることもありません。
広告を載せるスポンサーになってもらえばよいのです。
「それから、本を100冊ほど寄附しましょう」
「それは、予算の10万を使って本を購入するということですか?一度に使ってしまっては、他に何かに使おうと思った時に困りませんか?」
私と同じようにイギリス買い付け旅行を楽しみにしていた友人が、真剣な表情を見せる。
「ふふっ、本は購入しませんわ」
「え?では、不要となった本を皆から集めるのですか?」
そうね、それもいいですわね。それは後で考えましょう。
「とりあえず、素晴らしい本を100冊選ばなければなりませんわね。私達だけでは100冊もの本を選ぶのは大変ですから、文芸部にも選んでいただきましょう」
それから、すべきことを頭の中で考える。
卒業生や在校生の家族の出版社関係者がどれくらいいるのかリストアップしなければなりませんわね。
選んだ100冊が、うまく関係者のいる出版社のものだといいわね。
図書委員便りに広告を兼ねた紹介文を載せる。広告料は、その本を10冊ほど提供してもらうことでいいかしら。
その100種類の本を10冊ですから、100冊の寄附を10ヶ所に行えますわね。
……出版社によっては、もう少しいただくこともできますかしら……。
この鳳凰学園の図書委員が推薦するとなれば、よい本の宣伝になるでしょう。出版社としてもメリットがあるはずです。
winwinの計画ですわね。
我ながら、素晴らしいですわ。
「他のチームに知られて、真似されないようにしなければ……それと、他のチームのアイデアは実行前に潰すか、私たちが先に実行させていただきましょう」
いつもごらんいただきありがとうございます。
策略練ってます。




