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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第247話 雅号を決めたらしい

 和風。

 あ、そうだ、NARUKOとか、そんなので。

 うわ、あと2人。

 ああー、もういいや!

 舞。

 そう、舞にしよう。姉と弟の苗字。

 雅号っぽいし、風流だし、いいよね!

 ささっと、舞と描きこんで先生に提出。

 ほっ。よかった。最後にはならなかった。セーフ。


 提出して気が付く。

 ん?弟が「舞」って見たら私に気がついちゃったりしないよね?

 って、そもそも美術の作品を他の生徒が見る場なんてないか。

「優秀作品は、校長室前の廊下に張り出すので、目を通して勉強するように」

 え?

 張り出すの?

 こ、こ、困るよーっ!

 って、優秀作品に選ばれる気満々とか、そんなんじゃなくて、もし張り出されたりして舞という名前で弟がピンと来たりしたら……。

 しても……。

 あれ?舞イコール璃々亜だって分かんなきゃ大丈夫ってことじゃないか?

 そっか。

 なら問題ない。

 存分に張り出してくれ。

 あ、いや、違う、優秀作品に選ばれる気満々じゃないから!他の生徒の作品をじっくり見られる機会があって嬉しいって話だからね!

 ……。

 そういえば、みんなはどんな雅号つけたんだろうか?お互いに雅号を知らない方がいいんだろうか?

 うっかり先生の耳に入らないように、生徒もお互いなるべく正体は隠した方がいいのかな?

 いいや。聞かれたら、聞き返そう。

 ……。

 ……。

 べ、べつに、元オタなうえに、元ボッチだったりで、コミュ障気味で話しかけるのが苦手だから聞かないわけじゃないからね!


「璃々亜様、雅号はどうなさいましたか?」

 あううっー!

 相原さん、マジ心の救世主!

 ほら、私はボッチじゃない。こうして雅号を尋ねてくれる友達がいるもんっ。

「舞にいたしました。漢字一文字で舞うという文字で、マイですわ」

 私の言葉に、相原さんは素敵ですわ!と両手を合わせた。

「相原さんは?」

 私の言葉に、相原さんは、少し恥ずかしそうに眼を伏せた。

「カンパネリー……と。とっさに、何も思い浮かばなくて……。私ももう少し日本名っぽい名前にすればよかったです。なんだか恥ずかしい……です」

「カンパネリー?もしかして、童話のカンパネルラに関係していますか?」

 相原さんが小さく頷く。

「絵も童話みたいですし、名前も童話みたいで、とてもお似合いな雅号だと思いますわよ?」

 素直に感想を述べると、相原さんは嬉しそうなはにかんだ笑顔を浮かべた。

「ありがとうございます。璃々亜様の絵も、優美な舞を見ているかのような美しく流れる線で描かれていて、とても素晴らしかったですって、あ、偉そうなこと言って申し訳ありませんっ」

「いいえ、有難う。感想を聞けて嬉しいですわ」

 流れる線か……。

 うん、確かにそういう線かもなぁ。頭に浮かんだイメージを、璃々亜の手が迷いなく線にしていった感じだもん。


 なんだか、今日も一日精神的に疲れました。

 家に帰ってアニメ!

 ……と思ったら、今日の帰りは兄と一緒とか。

 あれ?生徒会長、本日のお仕事は?

 え?今日は朝早くに出たから、仕事が早く終わった?

 ……。

 ……。ちっ。今日もアニメお預けかよっ!

 帰って勉強……って気分でもないし。

 あ!そういえば、お菓子部のメレンゲ練習とか全然してなかった!今日は帰ったら卵を泡立てる練習とかしよう。

 どうしようか、泡立てて、マカロンを作るには材料がないし。

 メレンゲを使って何か作れないかなー。練習で何度か泡立てるでしょ?割と大量?それをどう消費するか?

 ふっ。そうだ、いいこと考えちゃった。

 おっと、練習はいいけれど、冷蔵庫の中に卵とか入ってたかな?おやつと飲み物と調味料は見たことある。食材は無かったよなぁ……。

「蜂川さん、スーパーに寄っていただけませんか?」

「はい?スーパーですか?」

 うわっ、しまった。驚かせてしまったよ。

 そういえば、今日は兄も乗っているのに、寄り道してくれとかダメだったかな?

「璃々亜、スーパーに何の用があるんだい?今まで一度も行ったことがないだろう?」

 ふえーっ!

 そっちか!

 スーパーって言葉に驚かせてしまったのか!

 だって、卵はスーパーだよね?コンビニじゃないよね?いや、コンビニにも売ってるところあるかもしれないけど……。

 あっ!もしかして、卵とはいえ、百貨店?

 百貨店で卵を買わなくちゃダメだったの?

「卵を……」

「卵なら、契約農家から送られてきたものを調理場から分けてもらえばいいだろう?」

 兄がきょとんとしている。

 ぶほっ。

 契約農家!

 契約農家の卵ときたもんだっ!どうりで、朝食に出るスクランブルエッグも出し巻卵も一味違ったわけだ。

 ……いっそ、卵かけご飯にしたら美味しいんじゃなかろうか?っていうか、そういえば、卵かけご飯とか出ないなぁ……。

 あれかな、料理人として、食卓に調理したのかしていないのか分からないメニューは出せないっていう……。

 いやでも、たまには食べたい。炊き立てご飯に卵を落とし、少し醤油を垂らしてかき混ぜる。

 ぐはー。

 いい、いいなぁ。


御覧頂きありがとうございます。

やっと、フラグが立ちました。ええ。舞です。舞。もう、お分かりですね?

にやり。

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