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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第207話 思わず惚れちゃうらしい

「いくらよい案を出しても、図書委員内部でつぶされては意味がありませんからね」

 特待生は、委員長が破り捨てた田中くんが作ったデモプリントを拾い、顔の横でひらつかせた。

「お互いのチームの案には一切干渉なし。1チーム5名で、優勝したチームがそのまま買い付けに行くメンバーになること。そして、社会貢献活動に仕える費用は1チーム10万円まで。どうですか?」

 特待生の言葉に、委員長が頷いた。

「いいでしょう。皆様もそれでよろしいですか?」

 反対の意見は出なかった。

「では、残りの時間はチーム分けと、チームごとで話し合う時間にいたしましょう」

 え?

 あれ?

 3年生は、委員長と取り巻きチームと、それ以外にさっと別れたようだ。

 チームごとに、離れた場所に移動していった。

 2年生は、どうすると顔を見合わせ、少しの話し合いでチームが決まったみたいだ。そして、場所を離れるときに、特待生の2年生男子が来て、田中くんの方をぽんっと叩いた。

「僕は、この案好きだったけどな……」

 いつの間にかセロハンテープで破られたところを張り付けたデモプリントを、田中君に差し出した。

 うおお、特待生先輩、いい人やぁ……。

 ぐすっ。

 そんなことしたら、ほれてまうやろーーーっ!

 やばい、やばい!

 私、3次元興味ないんだってば!

 でも、特待生×田中くんってちょっと美味しいかもって思っちゃったじゃないの!

 田中くん、ほれちゃだめだよ!リアルBLとか、差別する気はないけど、でも、田中くんでBL妄想とか、私には辛い!

 ……。

「でも、負けないよ」

 特待生先輩は、ニヤッと再び悪い顔してチームの皆が待つところへと移動していった。

 残されたのは、1年生です。

 シーン。

 えーっと、1組から5組までの5クラス。それぞれ2名ずついるわけだから、全部で10人。さくっと5人ずつに分かれるには……。

 ……。

 シーン。

 あれ?誰も口を開かず、私の方見てる。

 にゃんででしょうか。

 さっき、2年3年の先輩に生意気な口きいちゃった??ってイメージ植え付けた?

 やだっ。違うよ、あれは……。

 びええーーーん。

 悪役令嬢に仕立て上げないで!

 3年の先輩に盾突く女帝とかないから!

 ふぅ。大人しく黙っていよう。

 シーン。

 そうしたら、田中くんが口を開いた。さんきう、田中!

「あのさ、申し訳ないんだけど、部活が忙しくてあんまり手伝えないんだ。それに、夏休みも練習があるから、買い付け旅行なんて行く気はない。だから、役に立たないと思う……」

 ほうっ!そうだよね。

 そもそも、買い付けに行くメンバーを決めるための勝負だった。

 私も、イギリスに言って、掘り出し物探すなんて……無理だぁ。できないよ!

「えっと、2組の田中くんだっけ?僕も買い付けには興味がないんだ。同じ班にならないか?」

「わっ、私はイギリスに行きたいの!買い付けには、鳳凰学園のツテで普段いけない古書店にも行けるって聞いていて……ずっとあこがれてて」

 ほーそうなんだ。

 もしかして、一見さんお断り的な古書店もあるのかな。

 というわけで、行きたい人3人。行きたくない人4人。残り3人は、どっちでもいいっていうか、どうしようかなな感じです。

「では、私もこちらのチームに……」

 と、行きたくないチームへ私も名乗りを上げようとしたら、残りの2人が涙目になった。

 ふえ?何?

「あ、あの、もし勝ったら、誰が委員長になるんですか?私、無理です。委員長になって、先輩方に指示したりとか絶対できませんっ!」

 そういえば、その問題もあったねぇ。

 行きたいと言っていた3人もハッとした顔してる。

 どうしようって表情だ。

 まぁ、確かにねぇ。あのめんどくさそうな先輩方じゃぁ……。

「では、1年生はチームに分かれずに全員で協力しませんこと?もし、他のチームを抑えて勝つことができたら、買い付けはあなた方3名と、とても行きたそうだった委員長と他の1名で行けばよろしいのではなくて?」

「でも、ルール違反なんじゃ……」

「ルールと言っても、2年生の先輩が勝手に言い出したことですし、買い付けに行きたくない人を強引に行かせることまではできないと思いますわよ?それぞれのお家の事情もあるでしょうし。海外ですし」

「そうですわね!」

 うんうん。

「ああ、でも、行きたい私たちだけで頑張ります……」

 って、3人がみんなで協力するということに遠慮を示した。

「ぷっ。ははははっ」

 田中くんが盛大に笑い出した。

「皆さぁ、忘れてないか?目的を!」

 目的?

「イギリス買い付けが目的じゃない。その上にあるだろう?」

「K3で得点を取るってことか?そうだな。それにつながるんだった」

 買い付けに行きたくないと言っていた一人がポンと手を打つ。

「いや、違う」

「そうか、元々はKHTのためのK3だったな」

「いや、それも違うよ」

 田中くんが、また首を横に振った。

 ん?どういうこと?


いつもありがとうございます。最後の?日曜更新です。

来月から日曜休みの予定です。

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