表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

215/565

第193話 二人きりらしい

 えーっと、買った同人誌を家に置いてはいけないんだから、手放すにしても読んでからになるわけで。

 読まないといけないよね。

 会場を出た通路の端には、地面に座り込んで戦利品を手にしている人の姿もある。

 んー、おぼっちゃんに地べた座りさせるわけにはいかないか。

 私も、前世では大人だったので、地面に座るのにはちょいと抵抗があるお年頃になりまして……。

 じゃ、あれだ。

「ご飯食べようか?」

 パンフレットを開いて、コスプレのまま行動できる場所を確認する。

 あ、レストラン街も大丈夫なんだ。……行ったことないけど。

 てなわけで、前世と今世、初の東京ピッグサイトレストラン街探訪です。

 やべ。緊張するよ。

 コスプレして食事とかも、そもそも初めてじゃないか。

 あれ?マスクしたままストローでジュースは飲めたけど、食事はマスク外さないとだめなんじゃない?

 やばい。人に見られるとやばいのです。

 ……。

 なるべくマスクを外さずに食べられる物って何だ?

 麺物はだめそうだよな。

 ……やっぱり、一口分ずつ箸で口へ運べるもので、マスクを左手で浮かして、下から箸で口に……っていう感じかな。

 ……。いっそ、紙袋とかかぶって食べたいぜっ。

 というわけで、定食とかのある和食の店に入ることにしました。

 向かい合って座り、本日のランチを注文。

 マスクを左手で浮かせて、右手で箸で口に運ぶ。

 汁とかマスクに付かないように身長に……。

 うっ、おっ、やばい。ソースが付く!

 ……。ええ、結論を言いますとね、マスクをしたまま食事は難しい。

 こんなに苦労して食べると、味もろくに分からないよっ!

 あ、このカツの衣、サクサクっとしてて美味しい。

 ソースが、普通のソースじゃないんだ。味噌カツの味噌ほどじゃないけど、味噌の風味がする。ソースと味噌をブレンドした、オリジナルソース?

 ほうほう、甘みも少しある。うまいじゃないか!

 おっと、マスクに、ソースが!

 くそっ。マジで味わえないよっ!

 弟は、どうやって食べてるのかな?と見れば、マスクをずらして顎に引っ掛けてました。

 あう、いさぎいいな。だが、面が割れるぜ!見ちゃったよ。

 一瞬だけど。でも、覚えないように頭から消去。

 大丈夫、なんだかきれいな肌と、整った顎のラインしか覚えてないから。

 歯並びも良かったな。鼻も大きすぎず小さすぎず……って、覚えてない、ぜんっぜん覚えてないから!学校で会っても分からないから。

 ……大丈夫だよっ!……よし、男子生徒の顔は必要以上に見ないようにしよう。そうしよう。見るなら目を見よう。

 顎も口も鼻も見ないようにして、相手の目をじっと見て話すことにする。そうすれば大丈夫さ。

 人の記憶も75日っていうし。2~3か月もすればすっかり忘れるさ。

 ……ん?人の記憶も75日?あれ?

 弟の顔を見ないように、下を向いて食事を続ける。

 とにかく、食べることに必死で、会話もない。

 んで、やっとのことで食べ終わって……前を見ると、いつの間にか食べ終わった弟が両肘をテーブルに付き、手に顎をのせて私の顔をじっと見ていた。

 んぎゃ。変な食べ方を見られてたよぅ!

 店員さんが食器を下げに来ると、弟が

「姉さん、何飲む?」とメニューを向けてくれた。

 そりゃもちろん、ストローが使えるジュースでしょう。何にしようかな?

 オレンジジュースにすると、弟が「僕も姉さんと同じの」と店員さんに頼んでいる。

「読もうか?」

 テーブルに買ってきた同人誌を出して広げる。あ、もらった同人誌もあったんだ。

 飲食店でこんなに堂々と同人誌を広げてみるなんて普通はしない。だけど、イベント開催時のイベント会場の飲食店なので特別だ。

 待っているお客さんがいなければ、座ってのんびりお茶飲みながら同人誌広げるなんてごくごく普通。右見ても左見ても同じ穴の狢。

 あ、もちろん、同じ穴じゃない、迷い込んだムジナがいる場合は、同人誌広げるのはやめますけどね。ほら、他の展示会やらなんやらで来てる人もいるわけで。

 私が唯一買ったのは「遊具王」の同人誌だ。

 パラリ。

 くあーっ。

 パラリ。

 ぎゅふふふふふ腐。

 パラリ。

 *P`%`+'('{"#P$?%P!{P#"+:!!!!

 はぁ、はぁ、はぁ。堪能させていただきました。

 弟の姿を確認すると、右側に積み上げた同人誌を読み、左側に置いている。ふむ。まだ3冊か。

 よし、私は2回目読もう。

 手放さなければならないのだ。焼き付けられるだけ目に焼き付けておくんだ!


 弟が同人誌を読み終わったので店を出た。

 会計は、弟が済ませた。お金を出そうとしたら断られた。えーっと、お姉さん、おごられてばかりで申し訳ないんだけど……。

「どうする?どこか回りたいブースある?西館屋上に行く?」

 当然のように手をつないで歩きだす。

 弟は、すっと一本の角を指さす。

 曲がるの?

 そこって、嘗ては公衆電話が設置されていた場所だよね。今は、携帯電話を使う時に使ってね、みたいに場所だけは残ってるけど、誰もここまで移動して電話したりはしていない。

 公衆電話が1台だけ残っていた。あとは、ただ公衆電話が昔乗せられていた台が並んでいる。通路とは壁で仕切られていて、利用している人の姿はなかった。

「姉さんと二人きり……」

 ん、あ、そうだね。壁一枚だけど、ちょっとした二人だけの空間だ。

 元々、公衆電話を掛けるために設置された場所だから、少しは声が遮断されるようだし。

 学校の話とか、人に聞かれるとまずい話もここでならできそうだね。

 まずはあれだよね。

「家に置いておけないから、どうする?弟、一応、同人誌なんかを郵送で買い取りしてくれる店なんかもあるんだけど……そういうところを利用する?」

 弟は顔を横に振った。

「手放したくない……」

 そうか。

 大切な同人誌を手放すのはいやだよね……。

「今日の思い出の品……」

 うんうん、イベントデビューの記念品でもあるよね。

「姉さんと一緒に回った同人誌即売会の……」

「でも、どうするの?家にはおいておけないんだよね?」

「今日は、ロッカーに預ける」

 ああ、その手があったか。

 ロッカーって、何日か入れておけたよね。

 お金さえ定期的に払えばいいんだっけ?

 もしくは、何日かごとに別のロッカーに入れ替えたりすればいいのかな?

 私もそうすればいいんじゃ……。いや、だめだ。家の近くではいつだれに見られるか分からないし、家から離れていては、定期的に通える保証はない……。

「姉さん、写真撮りたい……」

 いつの間にか、弟がスマホを手に持っていた。


いつもありがとうございます。

書きたいシーンは明日です。中途半端でつなげたくなかったので、明日に伸ばしました。うきゃきゃ。

昨日のストラップのフラグで、弟を実は鳳凰学園中等部2年生(年下)ってのもいいかもっ!って思っちゃいました。年下攻略キャラですね。「姉さんに嘘をついてたんだ、僕……本当は、中学生なんだ」みたいなさぁ・・・。むふん。「早く姉さんと同じ学校に通いたい」とか「年下だからって、うんとかかんとか」みたいな、そういうのもうまうまじゃないかと……あかん。それはあかんのじゃ。そんなことにしたら、まるまる高校3年間書かないとだめになりそうで、そんな怖いことできない……。だが、年下キャラ・・・・ぐぬっ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ