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【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


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第176話 やっぱりNARうKOは同じらしい

 って、おい!

 いくらすごいスピードでもさ、付箋がはさんである漫画、すごい量なんだよ?

 付箋ページを開いて渡すを繰り返してたらさ、私……。

 漫画を読む時間がないじゃないかぁーーーーっ!

 お前は、私が帰った後に、徹夜でもなんでもして一人で資料作りやがれ!

 そもそも、さっきまで読んでいた漫画「いいところだ」って言ってたじゃないか!

 その漫画の続きを読むのを中断して作業するとか、お前なんか、漫画好きって認めてやらないんだからね!

 目の前に漫画の続きと、いつ取り掛かってもいい仕事があったら、漫画を読んでから仕事でしょう!

 そりゃ、仕事が終わったら漫画が読めるって、時には馬の鼻先の人参にすることもあるけど……。

 さすがに、1冊の漫画のすんごい途中でそれをすることはないわ!

 先に漫画を読もうぜ!

 その間に、私も漫画を読むから!

「次!」

 うるせーっ!

 自分で取ってきてやればいいだろう!

 プチッと切れそうになってきたころに、兄がやってきた。

「璃々亜、もう遅いから家に帰りなさい」

 ぐああーーーーーっ!

 嘉久に続いて、兄まで……。

 目の前の漫画をお預けさせるとか、鬼か!

 おまえらそろって、鬼かぁ~!

 ぐすん。

 ぐすん。

 ぐすん。

 いいもんね。

 私には、午前中に嘉久にもらった、4冊の宝物があるもんね。

 さっさと寝る準備して、お布団の中で楽しむもんね。


 寝る準備をして、布団に入ったのは9時少し前。

 よし。眠くなるまでには時間がある。あ、もし漫画を広げたまま眠ってしまうとやばいので、30分だけにしよう。

 寝落ちなんてお嬢様はしてはいけないのですわよ。だって、家族以外がいつ何時部屋に入ってくるか分からないんだから。

 ……いや、むしろ、メイドさんには口止めできても、家族に見られる方がやばいか。兄が漫画を読みながら寝てしまった私の姿を見てなんと思うだろう……。

 今なら、生徒会の仕事を少しでも手伝おうとして夜遅くまで読んでいたってことで納得してもらえるかもしれない。

 だが、待て……。

「璃々亜に無理させるわけにはいかない。今後手伝わなくてもいい」

 とか、せっかくの漫画を読める機会を失う可能性もある。

 むぎゃーっ!ダメだ。それはほんまにあかんやつや。(思わず似非関西弁)

 寝落ちダメ。漫画という名の宝物を隠し終わってから寝ないとだめ。だから、4冊入手した新たな宝物は、今日は1冊だけで我慢する。璃々亜いい子。

 一日1冊とか、璃々亜本当にいい子だ。

 さて、何から読もうかな。

 NARUKOにしよう。

 そうしよう。

 NARUKOを開く。

 前世で雑誌掲載時に読んでいた部分の単行本だ。

 私の記憶の中のNARUKOと、今目の前にあるNARUKO……。

 やっぱり、同じに思える。


 そりゃぁ、左右に並べて置いて比較しているわけじゃないから、どこか気が付かないところが違うのかもしれないけど……。でも、他の作品はパッと見て明らかに違うって分かるようになってた。

 「バスケの王子様」は「バスケの玉子様」になってたし。キャラクターだって、名前や髪型や、ユニフォームのデザインなんかが少しずつ違ってる。

 だけど、NARUKOは……。同じだ。

 NARUKO部メンバーの、双子キャラ姉も弟も同じ。兄と妹とか、変えようと思えば変え方ありそうなのに、そのまま。

 何で?

 版権とか、そういうの……。もしかして、コラボ?

 なわけないよね。

 商店街の小さなお店は同じままだった。それって、商標登録だかなんだかされてるされてないとか、そういうことだよね?

 ……権利、法律、同じにしてあっても問題ない理由?

 「バスケの王子様」と「NARUKO」に、どんな違いがあるっていうの?

 掲載雑誌も同じだから、出版社の方針が違うとかそんなんじゃないはずだし。

 ……。

 ……。

 うん、どうでもいいか。

 目の前にNARUKOがある。私にとって大切なのは、その一点のみ!

 わーい。

 1冊だけだけど、いいんだ。

 ぐふっ。


 朝の5時です。

 おはようございます。璃々亜です。

 枕元には「NARUKO」があります。

 んぎゃーっ!寝落ちしちゃったよ!漫画読みながら寝落ち!

 1冊だけにしたのに!

 1冊だけにしたのに!

 6回読み返しているところから先の記憶がない。

 ……ええ、今度からは、読み返すのを3回までに決めようと思います。

 よかった、5時に目が覚めて。流石にこの時間なら、誰も部屋を訪ねてこない。

 漫画を机の引き出しの奥底に隠して、いつも通り勉強を始めることにします。

 ああ、隠す前にもう一度読みたい!

 でも、分かってます。読み始めたら、気が付いたら朝食の時間になっちゃうことくらい……。だから、我慢しますよ。

 だって、明日は全国模試なんだから、勉強しないとね……。

 いい子だな、璃々亜。うん、自分のことだけど。


ありがとうございます。

今日で、10月23日にスタートしたこの小説ですが、半年間毎日更新を達成することができました!応援してくださる皆様のおかげです。

ブクマ、感想、メッセージ、評価、とても励みになります。

本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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