↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】オタクガール、悪役令嬢に転生する。【web版】  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

131/565

第122話 大切なものなので、隠すらしい

「何があった?」

 兄の声でハッとする。

 そうだ、私、思わず変な声だしちゃったんだ。

 手には……。


 そう、私の手には、今「バスケの玉子様」がある。

 そうだ、確かにそうだ。バスケの試合のチケットを手に入れて京様を誘う東くんっていう話があった。

 別にBL内容じゃなくて、京様のプレイスタイルに似た選手が出る試合があって、いろいろと思い悩んでいる京を何とかしてやろうという東くんのおせっかい回だったわけだが……。

 あれで一気に「東×京」同人誌が増えたんだよな。「京×都」派としては、歯噛みするような出来事だった……。

 「バスケの玉子様」タイトルといい、表紙のデザイン、絵柄といい、「バスケの王子様」の版権に気を使った感じなものに違いない。

 これ、欲しい。欲しいよ!


 ど、どうしたら……。

 えっと、まずは、どうして声を出したかだ。

「えっと、なんだかその、暴力的な漫画に少し驚いただけですわ……」

 とっさに、目にに留まった世紀末的な表紙の漫画を兄に手渡す。

「璃々亜……すまない。こんなものを見せてしまって。無理をして手伝わなくてもいいから……な」

 ぐえっ。しまった。

 手伝う、手伝わせてください!手伝わせろや、こらーっ!


 ここで私から漫画を取り上げるとか、「バスケの玉子様」を取り上げるとか、あんたは鬼か!

 一生恨んでやる!


「大丈夫ですわ。表紙を見て、選ばせていただいておりますもの。ほら、これはお兄様よろしくお願いしますね。これは私が……」

 兄には「俺の妹がこんなに可愛いわけがある」というラノベ原作の漫画を手渡す。私の手元には「お兄様といっしょ」という少女漫画と、その漫画の下にこそっと隠した「バスケの玉子様」

「そうか……。じゃぁ、頼もうかな?」

 兄は、「俺の妹がこんなに可愛いわけがある」を持って、いそいそとソファに戻った。

 ふぅ。セーフ。

 

 二人とも、漫画を広げて真剣な顔。

 イケメン二人が漫画を今で読んでるとか……。すごい絵面だな。


 二人の意識が漫画にあるうちに、ガサガサと段ボールの中を物色。

 ちっ。やっぱりBLは1冊もない。1冊くらいうっかり紛れ込ませてもいいんだよ?

 店員さん、嘉久のようなイケメン高校生が、BL漫画を目にしてどんなリアクションをするか想像して楽しんだっていいんだよ?

 え?ミスすると首が飛ぶ?趣味を仕事に持ち込んじゃダメ?そ、そうですね。失礼いたしました。


 さて、物色した漫画を嘉久と兄から少し離れた場所に積む。そして、その一部、30~40冊ほどを抱えて、部屋に戻った。


 ああ、ああ、久しぶりの漫画!


 そして……久しぶりのバスケの王子様!

 分かってるよ。こっちの世界じゃ「バスケの玉子様」ってことは。

 はー。

 まずは、漫画のにおいを堪能しよう。

 うん、これこれ。紙なのかインクなのか漫画独特のにおい。

 あー、幸せ。


 「バスケの玉子様」は7巻。

 話は覚えてる。表紙に描かれたキャラクターは、私の知っているキャラクターとほぼ同じ。ただ、髪の色が違ったり、前髪が違ったりしてる。

 ユニフォームのデザインも違う。


 中身は、うん、これまたいろいろと違う。なんていうのかな「バスケの玉子様」が、「バスケの王子様」の同人誌みたいだ。

 そう、同人誌だと思って読むと、とてもよくできた漫画だ。

 ああ、でも……。もう一度「バスケの王子様」に少しでも接することができるなんて……。嬉しいよう。

 ぐすん、ぐすん。


 一通り最後まで読んだ後、ネズニーランドでお土産を買った時につけてもらった紙袋に入れる。それを、勉強机の一番したの引き出しの、奥にしまい込んだ。

 あれだけ漫画がいっぱいあるんだもの、1冊くらい無くなったってわかんないよね?


 さて、他に持ってきた漫画は、読んで楽しみながらも、チケットが出てくるページに付せんをはさむ。

 20冊ほど読んだところでノックの音が。

「璃々亜お嬢様、お昼の時間ですが、いかがいたしましょう?」

 おお、もうそんな時間か。

 時間も忘れて漫画を読むなんて、本当に久しぶり。

 付せんをした漫画を持って、居間へ行く。

「璃々亜、がんばったね。ありがとう」

 兄の前には、100冊を超える漫画が積まれていた。付せんがついてる。え?何?こんなに読んだの?

「おい、嘉久、そろそろ昼食だ」

 嘉久の前には兄の半分ほどの漫画。それでも、私の倍くらいは積んである。

「嘉久!」

 漫画に集中しすぎて、兄の言葉が耳に入らない嘉久を、兄が手でゆする。

「はっ?今、いいとこなんだけど」

「ご飯だ。続きは後で」

「お預けかっ、あと少しだから、頼むよ……」


 ぶほっ。

 やべぇ、京様が、お預けくらって、都キャプテンに要求してるよ。

 都キャプテンも、いいところでじらすなんて……。

 な、なんてエロい会話を食事前にしてるの、君たち!私の妄想が爆発しそうだよ!


 →璃々亜は聖書をゲットした。聖書の名は「バスケの玉子様7巻」

 次なる使命は、世界に散らばる聖書の欠片「同人誌」を集めることだ

 そして、布教活動をして、「京×都」を世に……。

 そうだ、「バスケの玉子様」がアニメ化してるか調べなくちゃ!そして京様や都キャプテンの声がどうなっているのか……。

 もし、前世と同じであれば、兄や嘉久にそっくりというわけで……。

 こっそり二人の声を録音して編集してネットに流せば……。あっというまに再生回数すごいことになると思うの。

 ……あ、しませんよ?

 しませんって……。

 た、ただ、仲良くなったお友達に聞かせてあげるくらいはするけどね。

 

 ああ、そうとなれば、脳内録音で満足してる場合じゃないわ。ちゃんと録音しないと。

 でも、さすがに盗聴録音はしないよ。

 どうしたらいいんだろうか。

 うーん……。

 って、あかんあかん。なんだかどんどんやばい人になっていくわ!

 やっぱり脳内録音で我慢しないと!


いつもありがとうございます。

皆さまは、人の漫画を勝手に持って行ってはダメですよ!こんなにあるんだから1冊くらいって駄目な考えです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。