第108話 両親にイメチェンカミングアウトされたらしい
いつもありがとうございます。
服の描写は難しいです。高校生らしい格好では、彼ら彼女らにはだめだろうし・・・
私、璃々亜と申します。
漫画?なんですの?そんな低俗な物、読んだことございませんわ。
下品なバラエティ番組?ふふふ。見るわけございませんわ。もっぱらフランス映画を鑑賞してますの。
アニメ?それ、小さなお子様が見るものでございましょう?高校生になって見るような方がいらっしゃいますの?
BL?それは何かしら?初めて聞くお言葉ですわね。
コミケ?三毛猫の小さなものを指しているのでしょうか?
同人誌即売会?申し訳ありませんが、存じません。
ゲームですか?生憎と勉学に忙しくて手にすることはございませんわ。
……って生活になってるわ!
璃々亜になってから、テレビすらまともに見てない!
どうしたことだ!
毎日毎日毎日!!!!!
あ、もう9時だ。明日はネズニーだから、早く寝なくちゃ!おやすみなさーい!
……そう、体が……。9時には眠たくなって、5時には目が覚める……。
これが、縦ロールセット型早寝早起き健康法か!って、意味がわからん。
さて、そんなわけで、ネズニーにワクワクして早く目が覚めたわけではなく、いつもどおり早く目が覚めました。
着ていく服はすでに準備してある。
芽維たんと一緒に買った、パステルイエローのズボン。あ、パンツって言ったほうがいいのかな?
でも、おしゃれ用語だかなんだか知らないが、パンツって、下着みたいだからやっぱりズボンって言いたい。
「おまえ、パンツ汚れてるぞ!」
「え?嘘だ!」
あわててズボンの中を覗き込む京様。
「ばっ、何してるんだ!」
それを見て動揺する東くん。
「だって、パンツが汚れてるって……」
「ち、違うっ、パンツってズボンのことだよ」
勘違いに気がつき、赤面する京様。
「ほら、おしりんとこ」
パンパンと、ズボンの汚れを払い落とす東くん。
おしりに伸ばしたその手が……。ふふふ。腐。
っていう、東×京同人誌があってだな!京×都派の私も、思わず赤面する京様フェイスがかわいくて買ってしまったという……。
ん?話がそれた?
まぁつまり、そういうことで。ズボンはズボン。若干ダサい音に聞こえようが、パンツと呼ぶと頭にかぶるやつみたいなんで。
あ、よい子はパンツは頭にかぶっちゃだめよ!……そういえば、なろう出身の書籍化ライトノベル作家さんで、パンツを頭にかぶった写真をツイッターに上げている人がいたなぁ……。
よい子はまねしちゃだめだよ!頭にパンツをかぶったからって、書籍化できるわけじゃないからね!
そういえば、なろうで総合ランキングトップの作品の主人公って、パンツを頭にかぶったりするなぁ……。
はっ、だめだめ!そんなことでランキングがあがるわけないからね?よい子はまねしちゃだめなんだからね!
ふぅ。私は早朝から何をパンツパンツ言っているのだろう。反省。
白の短いふわふわのシフォンスカートを重ねる。トップスは白の七部袖のニット。スカートとニットが一体化してチュニック風になる。
結構足ぴたズボンなので、おしりの形がくっきり出ちゃうのでチュニック必須だけど、なかなかよいものがなかったので、こうなったのです。
そして、このふわふわシフォンのスカートは、あと2つありまーす!
持って行きまーす!
ふっふっふ。もし、ファッションとしておかしくなければ芽維たんと皐月たんにも来てもらっておそろいにするんでーす!
……やりすぎかな……。
ちょっとネズニーだからって、浮かれてやりすぎかな?
あ、うん。ほら、念のため持っていくだけだからね?シフォンスカートだからかさばらないしね?
……。
あと、ハンカチにティッシュに、お財布。スマホに……。あと、何がいるかな?
ウェットティッシュにビニール袋。そうそう、ノートとペン。薄いベージュに桜色の花がアクセントでついた斜めがけの小さめのかばんに詰め込む。
念のため、財布以外の場所にもお金を分けて入れておく。
準備万端!
時計は5時30分。
……。さ、勉強勉強。
歓迎会が終わったら、全国模試だもんね……。
なんとか忘れちゃった部分を勉強しなおして間に合わせないと。数学は、前世でも苦手だったから勉強しなおしてもなかなか難しいんだけどさ。
理科の暗記部分については、がんばるよ!
あと、歴史の「諸説あり」の同人誌的においしい説と、学校で習う説に隔たりがある部分を埋める作業も必要です。
あうっ。詳しくなったと思ったら、それ、同人誌や漫画的な諸説の一つだったりするんだよぅ。ぐすん。
新撰組とか森蘭丸とか、かなり余分な知識がどっぷりで、歴史からはみ出てたりする。
はううっ。
食堂にはすでに兄がいた。
「おはようございます、お兄様。今日は晴れてよかったですわね」
「璃々亜!」
兄は、私の姿を見ると、急いでスマホを構えた。
あー、うん。ズボン姿が珍しいもんね。
だが、どこの世界に、朝っぱらから妹の写真を撮る兄がいるだろう?
シスコンめ!
写真を撮り終わると、兄はスマホを操作して何やらしている。
すぐに、兄のスマホにメール着信音。
兄は確認すると、私にスマホを手渡してきた。
え?
「璃々亜ちゃんっ!素敵!」
とタイトルの母からのメール。
「スタイルがいいから、パンツ姿も似合うわね!」
……親の欲目だな。とてもスタイルがよいわけではない。普通なのだよ。
「その髪型もとってもかわいいわよ!」
んげっ!
そういえば……。
両親に会ったときには、縦ロールアンドどぎついメイクしてたんだっけ……。
うっかりしてたよっ!
高校生になってイメチェンしたとか、まだカミングアウトしてなかったよね……。
でも、母メールを見ると、この髪型やメイクも受け入れられた?
次に、父メールを見せられた。
「璃々亜~!いろいろなファッションや髪型にチャレンジしてくれる気になったんだね!嬉しいよ!次はぜひ和装を!」
……そう。
受け入れられたどころか……。
縦ロール卒業を待っていたと、そういうことですか!
……。えーっと、和装VS洋装を回避するのにも、もしかして縦ロールは一役買っていた?
どうしよう。非常にめんどくさいけど……。次に両親と会うときも、縦ロールにするか?
着せ替え人形に付き合う気はない!
よし。そうしよう。
両親の前では縦ロールと。
嘉久も登場。
兄も嘉久も、ジーパンなどという服装をするはずもない。
グレーと黒のチェックのズボンに、白いシャツと薄手のグレーのカーディガンというのが兄。
嘉久は黒のズボンに、白と水色の細いボーダーのパーカー。
別に、なんら感想を述べるまでもない服装なのだが……。
「璃々亜、ズボンなんて初めてだな……」
嘉久がぽかーんと口をあけて私の姿を見ている。
「似合いませんか?」
「い、いや、似合うよ!」
「当たり前だ。璃々亜は何を着ても似合うからね」
兄、言いすぎ。
「お兄様がコーディネートしてくださったのですわ」
そうそう、兄がコーディネートしてくれた服は何を着ても似合うんだろうな。
「そ、そうか。今度は俺が、服を選んでやるよ!」
……。
嘉久が?
何だろう、全力で遠慮したい気がするのは……。




