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おデブちゃんと異世界  作者: 神ノ有希
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おデブちゃんの性格

異世界にて侍女になった築山日和(つきやまひより)は、その巨体をできるだけ縮こまらせながら、常に働いていた。


自分の体の大きさが、廊下を歩く他の人の道を少なくし、または通りにくい状況を生み出すことをしっているからだ。だからこそ彼女は常に縮こまり、猫背は年々酷くなっていく。


周りの人間に迷惑をかけることに関しては、彼女は非常に気にしていた。


その体型ゆえに[邪魔だ、どけ、デブ!]や[ちっ]といった舌打ちなど、自我が芽生え始める小学生からいわれていた。それら言葉だけでなく、視線。視線だけでも、好奇、憐み、軽い侮蔑などは伝わってくる。もちろん、それがなんなのか小さいころの彼女は言葉にはできなかったが、よくないものであることは理解していた。


言葉のいじめなどは中学まで続いたし、高校に入ってそんなあからさまなものは減ったが、それでもそういうことを気にする習慣はすぐに変わるわけではなく、人に気遣えるし、優しい性格であるものの、また失敗も多く、なかなかネガティブ寄りの考えをする少女であった。



たとえば、買い物をする際、目の前でおじさんが買い物袋を落としての内容をばら撒いたところに出くわした。それらを拾うのを彼女は手伝って、ありがとうといってもらいはしたものの、もしかしたら手助けしたこと自体が迷惑だったのではないか、とすべてが終わってから後悔するくらいの、ネガティブ思考の少女であった。


そんな彼女は言葉がわからないこともあって、掃除や皿洗いなどの仕事を好んでいた。しかし、お姫様は彼女をそばに置きたがった。


そしてずっと時間があけば話しかけてくれるのだ。


話の内容は、正直いってわからない。けれど、最近では日和は彼女が話すのを聞くのが楽しくなっていた。なぜなら、彼女はぺらぺらとずっと話しているのだが、根気強く、日和にも理解できるように、何度も単語を繰り返したり、身振り手振りで伝えようとしてくれたからであった。


最初は理解できなくて申し訳ない気持ちばかりで、日本語ではあるがやめてくれといったが、お姫様はそれを受け入れなかった。


ずっと日和に話しかけ続けた。


そして日和は、少しずつその世界の言葉を話せるようになったのである。








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