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低スペブルーカラーの俺、AIが超発達したハイスペだらけの異世界でどう生きればいい?  作者: ヒイロ・ユウ


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俺、異世界に来てしまったらしい。

 西暦2026年、東京………。


 俺の名は、藤之宮《ふじのみや》 優一郎《ゆういちろう》。西暦2006年生まれ20歳、Z世代の日本人。


 小・中・高校時代はスクールカーストの一軍とは無縁な二軍に所属し、氣の合う二軍男子とつるんで一軍男子に媚を売る同じ二軍男子、いわゆるキョロ充とは一歩距離を置いて彼らをどこか冷めた目で見ている、これといった目立つ特徴も特技もないどこにでもいる平凡な男子学生だった。

 高校卒業後は将来の夢や目標もなく、元々人からよく見られたいなんて世間体を氣にする柄でもなかったので、優良企業へ就職するために学歴を取りに大学へ進学しようとはならず、田舎から上京して機械メーカーに就職しライン工をしている、一人暮らしの独身・彼女なしのしがない低スペブルーカラーの男をやっている。


 上司からは「言われたことをやるだけならAIにでもできる。AIが発展し続けている今、お前の仕事だっていつなくなるか分からないんだぞ‼︎」と説教されたり、実家の両親からは「お前には夢や目標がないのか? もっと将来のことを考えて資格取得や投資を始めろ‼︎」なんて言われるが、俺にスキルアップしようとか夢や目標を持とうなんて氣が起こるはずもない。


 そんな風に俺は、今日もいつものように指示された仕事だけを淡々とやり、休み時間には氣の合う同僚・先輩と愚痴や不平不満、流行りのソシャゲ・アニメ・映画・芸能人のゴシップネタなんかに花を咲かせ、帰宅後はスマホで動画や掲示板でも見ながら一人で飯を食い、食後はダラダラとスマホをいじったりゲームをした後、風呂へ入って寝るという惰性的な日々を過ごす。


 たまに週末の仕事終わりに同僚・先輩と飲みに行ったり、休みの日に高校時代の同級生と遊んだり、時にはSNSのオフ会に参加することもあるが、どれも俺の人生を大きく変えるようなイベントには到底なり得ない。


 最近、幼馴染の同級生で「鷲田大学《わしだだいがく》」に通う「山添《やまぞえ》」に「俺、積み立てNISA始めたんだ。お前も将来に備えて自己投資しておけよ」と言われたり、この前カラオケのオフ会で知り合った同い年の「金森《かなもり》」には「俺、声優やってて最近アニメで脇役もらったんだ。お前も声優やってみないか?」と誘われたりもしたが、別に将来に不安も焦りもなく努力なんて言葉とは無縁で、今のままで充分と思っていた俺の心には何も響かなかった。


 そうやって5年10年と、結婚や出世をしていく同級生・同年代を横目に、俺は今と何ら変わりない平凡で味氣ない毎日を過ごしているのだろう…、そう確信していた…。


 だが、そんなある日のこと…。



 ???「優一郎さん、優一郎さん…‼︎」



 夢の中で、誰かがを俺を呼ぶ声がする…。



 そして俺がふっと目を覚ますと、そこはいつも自分が寝食をしている賃貸マンションの部屋だった。だが、なぜか雰囲氣がいつもと違うような氣がする。妙な違和感が拭え切れない俺は氣になってカーテンとドアを開け、ベランダへと出た。すると………………、



 街の様子がガラリと変わっている………。



 目の前に広がる光景に驚いた俺は、急いでマンションの屋上へ上がり街を見下ろした。

 屋上から見える寺社仏閣の位置・道路の構造などから、一見すると俺が住んでいる街のような氣もするのだが、建物や家屋はみんな近未来SFアニメに出てきそうな形状になっている。

 まるで10年…、20年と少し先の未来にタイムスリップしてしまい俺と俺の部屋だけが時代に取り残された、または浦島太郎のように俺だけが歳を取らず時間だけ経過してしまった、はたまた別の世界線・パラレルワールド・異世界へ来てしまった…、そんな氣分だ。


 目を疑った俺は目を擦ってみたのだが、目の前に映る景色は変わらない。それならば「これはきっと夢だ‼︎ そうに違いない‼︎」、そう思うことにしてもう一度ベッドに着いて寝たのだが、起きてベランダへ出てみるとまた同じ景色が広がっている。



 どうやら夢ではないらしい………。



 優一郎「クソッ…、何だよここは? まさか俺は、異世界ってヤツに来てしまったのか? 異世界なんてラノベやマンガ・アニメの中だけの話だと思っていたぞ…‼︎」


 しばらくの間、俺は孤立感と絶望感に立ち塞がれ両手を床に着いていたが、ここで立ち止まっていても何も変わらないと思い、とりあえず街を散策することにした。


 街ゆく人々の視線が氣になる、当然だ。周りの人々がみなキラキラして小綺麗で、時代を先取りしたような洗練されたファッションセンスや上品なオーラを醸し出している中で俺一人だけ、俺がいた世界風に言えば、みんなスマホを使っているのに今だに自分だけガラケーを使っている、そんな感じだろう。


 容姿端麗でオシャレなジャケットを着こなした、いかにもハイスペな感じの二人の若い男が俺に近づき、不思議そうに話しかけてきた。


 男A「君、どこから来たんだい? この辺では見かけない感じだね」

 優一郎「えっ? 日本の東京だけど…、ところでここはどこ?」


 男A「清歴《せいれき》0050年の日本の東京だよ」


 せ、清歴⁉︎ 何だそりゃあ⁉︎ 聞いたこともない元号だぞ‼︎


 やはり俺は本当に異世界に来てしまったようだ‼︎

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