9-6
「ひゃー!? 無理ー!? サクラちゃん、前に出てー!」
「何を何時まで拗ねてますの! さっさとこっちに、きゃっ!?」
「ま、また湧きましたよ!? これ、どうするんですか、クロード!」
「姫、落ち着いてください。掴まれては魔法が使えませんので」
オウガの群れと遭遇し、どんどん追加で地面から生まれて来るので中々数が減らない戦場に居るサクラです、おはようございます。
私は昨夜の敗北のショックで気分が乗らず、目の前で他のメンバーが戦っているのを後目に近寄ったオウガだけを相手にしてます。
この感じだとぼーっとして戦闘してないように思えるでしょうが、オウガが一杯過ぎて私の方にも寄ってくるから仕方がありません。
リリーさんにはクロードさんが付いて魔法でどんどん倒してますから、ちょっと危ない気もしますが何とかなってます。
アルミラージュさんは先ほどからどこぞやの無双ゲーのように鎧袖一触です。
右手の魔剣の切れ味はオウガの肉体にも通用しますから一振りすればどこかの部位が飛んで行き、左手の魔剣を当てれば相手は感電と凍傷を受けてほぼ行動不能に。
それを剣舞のように流れて剣を振いますから結構な数を倒してます。
それでも中々数が減ったように思えないのは、どうも湧きと呼ばれる罠に掛かったからです。
湧きとは2階層以降で稀に起きる現象の事で、ある一定の区域でどんどん魔物が生まれる現象を言います。
ゲームとかだとモンスターハウスとか言われるやつですね。
そしてこのダンジョンの湧きは無限湧き、原因を排除しない限り湧き続けるダンジョンが容易した罠なのです。
この罠の解除方法は湧きを誘発する個体を倒す事。
ただし見た目は他と変わらないので分からず、しかもスキルとして所持していると言われています。
そう、私でもこの罠を看破する事ができない、という事なのです。
罠の専門家であるミゥさんも見破れないので、今のところ当たりを探して倒し続けているのが現状です。
「私だけでは手が足りませんわ!」
「サクラちゃーん!」
「クロード、何とかなりませんか?」
「範囲魔法は味方を巻き込む危険性がありますので、乱戦では使えません。運に身を任せるしか」
「危ない!」
「きゃ!?」
倒したと思った相手が倒れてきて避けたら他の相手に襲われて、アルミラージュさんが吹き飛ばされました。
いよいよピンチなのですが、どうもやっぱりやる気が出ません。
「アルミラージュちゃん! ちょっと、サクラちゃん? サクラちゃーん? うう、ちょっとイジメ過ぎたか。ごめんってばー」
いえいえ、イジメられただなんて思ってませんよ?
ちょっと調子に乗り過ぎてので反省して大人しくしているだけです。
確かにはっちゃけ過ぎてましたし、私ってつえーと勘違いしてました。
なので自分の出来る範囲だけ頑張ろうと思います、はい。
「もう、仕方がないか! ええい、持ってけどろぼー!」
ミゥさんは何を思ったのかずっと鞘に納めていた、頑なに戦おうとせずに回避に専念していたのに短剣を抜いて走り出しました。
途中で倒れて動けないアルミラージュさんを回収してこちらの方に。
「アルミラージュさん、大丈夫ですか? 今治しますから!」
「な、何とかなりますわ」
「これなら範囲魔法が使えそうですが、詠唱が間に合うかどうか」
「使いたくなかったけど仕方がない、そう仕方がない」
何だかミゥさんがぶつぶつ言ってますが、短剣をオウガの群れに向けて、最後に力強く叫んだ。
「ウィンドブレス!」
轟音を撒き散らし、短剣から風が放たれる。
ただの風ではなく、まるで台風が接近したかのような強風。
いえ、台風どころか局地的に竜巻でも発生したんじゃないかと思えるほどの、暴風でした。
暴風を受けたオウガたちはまるでゴミのように吹き飛び、どういう理屈なのか分かりませんが体中を切り裂かれて光となって消えました。
「あー、使っちゃった。結構高かったんだけどなー」
風が止むと役目を終えたとばかりに短剣がボロボロと崩れ、土くれとなって地面に落ちました。
この光景を見ていた私たち、落ち込んでいた私も含めてミゥさん以外全員唖然とした表情を浮かべ、何が起きたか理解できてません。
ただ解るのはオウガの群れが消え去って、地面に拳程度の大きさの魔石がかなりの数転がっているだけでした。
「えっと、今の何ですの?」
「あ、回復魔法を」
「い、今のはまさか伝説の風魔法タービュランスですか?」
タービュランスとは、風魔法が6レベルになると覚える魔法でハヤテさんも使える全てを吹き飛ばす魔法です。
ただしこの魔法は相手を切り刻んだりしませんから、別の魔法だと思います。
後、以前見せてもらったタービュランスはもっと凄い風圧でした。
「彼の者を癒せ、ヒーリング!」
「ありがとう、リリーさん。痛みは消えましたわ」
「いえいえ。これぐらいしかできませんし」
「ああ、今のは風魔法じゃなくて竜魔法だよ」
「竜魔法ですか? 聞いた事がありませんね」
「ほら、竜って火を噴いたり空を飛ぶじゃない? アレって身体的能力じゃなくてスキル、厳密には種族固有の魔法なんだよ。アルミラージュちゃんやサクラちゃんのようなエルフが使う妖精魔法と同じね」
「ミゥさんはドラゴンだったのですか!?」
「「「「え!?」」」」
「お、やっと反応したね、サクラちゃん」
「そういう問題でもないかと。えっと、ミゥさんは小人族じゃあ?」
「私はちゃんと小人族だよ。ギフトを得た事で私も疑似的に使えるようになっただけだよ。出来るのは竜のブレスぽいものだけど」
「あの風はドラゴンブレスだったのですか。あれ? でもリンドブルムは大地の竜ですよね?」
「ああ、リンドブルム様なんだけど実は」
ホルトバージ大平原の主リンドブルムは大地の竜という名称を持つドラゴンさんです。
二つ名から行くと地精霊と関わりあるドラゴンのイメージがありますが、実は風精霊と関わりのあるドラゴンさんだそうです。
このドラゴンさんは1000年以上生きる方で、大昔に地の妖精であるノームの上位種ドヴェルグと親交があり、その妖精が死ぬ時に魂を引き継いだとか。
その所為で風と地という相反する精霊に関わりを持ってしまったが為に一族を追われ、ホルトバージ平原へと辿り着いて棲み付き、今では主になっているとの事。
そんなドラゴンさんの加護を受けたミゥさんのような存在はグラスランナーとなり、風と大地の恩恵を受けているらしい。
そしてドラゴンから加護を受けた者は稀に竜魔法が疑似的に使えるようになるんですって。
「なるほど。疑似的とはいえ流石ドラゴンのブレスでしたね。凄まじい威力です」
「疑似的だからあまり使えないんだよね。ブレスっていうと口からだけど、私がやると口が潰れちゃうからさっきみたいに武器から使ってるんだけど」
「威力に耐えれなくて壊れる、と」
「うん、そんな感じー。ところでやっと何時もの表情に戻ったね」
「うっ」
「サクラちゃんてば考え事が好きなんだねー」
「そ、そうですね」
考える事じゃなく、考察が好きなんです。
「うう、ミゥさんだけは私と同じく戦えない人だと思ってたのに」
「姫は今でも十分皆の為になってますよ、居てくださるだけで」
リリーさんはそんな事を思ってたのですね。
そして、クロードさんのぶれないリリーさん至上主義がやっぱり怖い。
「戦えるのでしたらこれからは戦ってもらいますわよ」
「いやぁ、アレ使うとすぐに短剣ダメになるし。風との親和性を高める処置を施した物だから特注品で金貨1枚だよ、金貨。そんなのあんまり使えないって」
「うっ、高いですわね。でも、耐えれないって事は魔法金属ではないからですの?」
「そうだねー。魔法道具扱いではあるけど、素材は鉄だよ」
なるほど、私みたいに魔力付与スキルを持った人が作った短剣だった訳ですか。
どこで作ったのでしょう?
気になりますね。
「あの短剣はどこで手に入れたのですか?」
「女将さんの伝手だよ。だから私は女将さんの頼み事を断れないんだー」
ミゥさんの発言になるほどとばかりに全員で頷きました。
「サクラ、あなた持ってませんの?」
「え? 何をですか?」
何気にアルミラージュさんに名前を呼ばれたのは初めてですね、ちょっと嬉しいです。
「この魔剣みたいな短剣ですわ」
「ああ、ミスリル製ですか」
「ミスリル製の魔剣!? そんなの貸してるの、サクラちゃん?」
「その様な物を所持していたとは。流石エルフ族のお二人ですね」
「王族でも中々持ってないのに、凄いです」
短剣自体を使わないから作ってないのですよね。
証明部位を剥ぎ取るのもヴァルキリーレイピアを使ってますし、調理に使うのは包丁ですしね。
まあ、無ければ作れば良いですか、きゅぃー。
私は妖精鞄を探るふりをしながら鞄の中で早速武器作成。
風との親和性と言ってましたし、風魔法ウィンドを付与した短剣で良いですかね。
後は切れ味も追及して突き刺すのが目的じゃなくて切るのを前提なスタンダードな形状で良いですか。
鞘は木製で十分でしょうし、ちょっとそれらしい装飾を施してしまえば、物の数秒で完成です。
「これなんてどうでしょう?」
「「「「持ってるの!?」」」」
早速作った短剣を妖精鞄から取り出して見せたら何故か驚かれました。
持ってないかと聞かれたので作って出したのに意味が解りません。
「風の精霊と親和性が高いはずですよ。風魔法ウィンドが付与されたミスリル製の短剣ですし。はい、どうぞ、お貸しします」
「ありがとう。って、これも魔剣なの!?」
「あなた魔剣を一体幾つ所持してますの?」
「魔剣といってもこの短剣は魔力を込めても刀身に風が纏わり付くだけで、魔法剣を使ったと同じ程度の効果ですよ?」
「十分ですわよ! 何ですか、ではこの短剣は魔力を込めるとそれだけで切れ味が増すというのですわね!?」
「はい」
「はい、って。サクラちゃん、やっぱり凄過ぎだよ。えっと、私殺されたりしないよね?」
「えっと、何故ですか?」
「だって昨日の事で」
いや、別に昨夜の事で怒ったりしてませんし、ミゥさんを攻撃する理由がないのですが。
まあ、私に襲い掛かってきたら反撃しますけど。
「いえいえ。私を諫めようとしていてくれた事ですし、怒ってなどいませんよ。その短剣を貸すのはその感謝の印という事で」
「そう? じゃあ遠慮なく借りておくね、サクラちゃん」
「良かったです、お二人が仲直り出来て」
「そうですね、姫」
「世話が焼けますわ」
こうして私たちは仲直りしたのでした。
あれ、仲直り?
別に喧嘩していた訳じゃないんですけど、何故こんな反応されるのですかねー、きゅぃー?
その後私たちは階層主の部屋へと向けて進み、途中現れたオウガたちを鎧袖一触な感じで蹴散らして辿り着きました。
ミゥさんも戦いに参加しだしたので殲滅力がアップし、昨日よりも早く進みました。
そして階層主の部屋へと入り、扉が閉まるのを待つ間に色々準備を整えた。
「階層主はオウガの上位種か稀にサイクロプスです。どっちが出ても作戦はあまり変わりませんからよろしくお願いします」
クロードさんの説明に皆がそれぞれ返事をして準備を開始。
アルミラージュさんは両手の魔剣に魔法剣を使い、ミゥさんはいつでも飛び出せるように屈伸などをしてます。
リリーさんとクロードさんは相手が現れてから準備に入りますから待機状態。
そして私は全員に支援の補助魔法を掛けました。
「タフネス! ゲイルムーブ! 序にリラックス!」
「水と風と光の高レベル魔法ですわね」
「疲れ難い、素早くなる。リラックスってどんな効果ー?」
「集中力が増して魔力を扱いやすくなる光魔法です。うう、何時かは私も使えるようになりたい」
「おお。これでしたら魔法が何時もより早く完成しそうですね」
そんな事をしていましたら扉が閉まり、魔法陣が輝きだしました。
4階層の階層主で出現するのはオウガの上位種であるブルーオウガとレッドオウガです。
ブルーオウガは脳筋オウガさんなのに水魔法を使ってくる厄介な魔物で、魔法剣で攻撃力を上げて、水魔法リザレクションやキュアで怪我や状態異常を回復します。
勿論身体能力も通常のオウガよりも高く、より一層強くなった相手です。
レッドオウガは通常のオウガを単純にグレードアップした相手で身長も5mを超え、パワーとスピードが段違いです。
赤い角付きが早いのはテンプレなので驚きませんが兎に角強敵です。
そう、こんなのが2体同時に出て来るのが4階層の主だったりしまして、ランク5冒険者クランでも倒せないと言われてます。
でも、階層主の部屋は人数制限がないので普通ならクランが合同で戦うので何とかなっているみたいですね。
所謂レイド戦ってやつです。
そして稀に出て来るサイクロプスですが、ランク5冒険者が100人は要ると言われている強敵です。
嘗て女将さん、ランク3冒険者が単独撃破したと言われていますが、普通ではありえないそうですよ。
何せサイクロプスは10mを超える巨体に鋼の剣をも弾く強靭な肉体を持ち、鉄をも砕く剛腕、踏み付けられたら一撃でぺしゃんこです。
例え傷付けてもどんどん回復していき、千切れ飛んだ部位も繋げ合わせていればくっ付いて元に戻るほどの回復力を持ってます。
極め付けは心臓や脳を片方だけ破壊しても死なず、両方破壊しないと死なないところです。
流石にこの2つの臓器はすぐさま元に戻る事はありませんが、完全に破壊しても1分としない内に元通りになるそうです。
そんな相手をどうやって倒したんだ?と疑問に思う相手なのですが、女将さん曰く殴って倒せるらしいので、その時の倒し方を参考に作戦を立てました。
まあ、クロードさんが言ったようにオウガかサイクロプスどっちが出ても大幅な作戦変更はありません。
「1体だけ。サイクロプスですわよ!」
言わなくても皆わかってますが、アルミラージュさんはこういうのが好きらしく、ちゃんとセリフをしゃべります。
馬鹿にしている訳じゃなく、こういうところが微笑ましく感じるのがアルミラージュさんの持ち味です。
それと誰かが声を出せば合図になるのでありがたかったりします。
そんな合図となったアルミラージュさんの声を皮切りに皆動き出す。
まず動いた、前に出たのはアルミラージュさんとミゥさんで、二人ともサイクロプスに向けて駆け出した。
このまま行けば瞳が1つしかないのに視力や動体視力が優れたサイクロプスにカウンターを食らうところですが、リリーさんがそうはさせません。
「コンセントレーション!」
「ゴアアアアアア!?」
出現した瞬間に光魔法コンセントレーションで視力を奪われ、突然の暗闇に閉ざされたサイクロプスは混乱して手に持っていた巨大なこん棒をその場に落として目を覆う。
そしてそんな隙だらけの相手の足元に辿り着いたのはミゥさんが先だった。
全力疾走で駆け抜けた勢いを短剣に乗せてサイクロプスの足を斬り付け、魔力が込められたミスリル製ゆえに易々と強靭な皮を突き破って刀身がめり込んだ。
「ウィンドブレス!」
「ゴア!?」
短剣から放たれた風のブレスがサイクロプスの右足を吹き飛ばし、バランスを崩しそうになったところでアルミラージュさんが辿り着いた。
「はああああ! 魔法剣技!」
流れるように放たれた二振りの魔剣が右足に当たった瞬間に込められた魔力弾を解放。
切り飛ばすまでは行かなくともサイクロプスは完全にバランスを崩した。
そしてメイドスキルの隠密の効果で背後に回り込んでいた私はエアウォーカーで空を駆け、がら空きの背中、丁度心臓のある部分にヴァルキリーレイピアを突き立て、込められた風魔法ブロウを開放。
背中だけじゃなく、胸の一部も吹き飛ばし、バランスを崩していたサイクロプスは前に倒れ、無意識なのか両手を突いて倒れ込む体を支え、無防備な頭部を晒す。
誰に?
それは頭上に大きな炎の槍を5本も用意したクロードさんにです。
「炎よ。螺旋を持ちし槍となりて敵を穿て、フレイムランス!」
「ゴアアアアアア!」
放たれた炎の槍は全てサイクロプスの頭に突き刺さって内部を焼き尽くし、物の数秒で光の粒子に変えた。
サイクロプス討伐、ここに完了です。
「やったー! サイクロプスを秒殺だー!」
「作戦通りとはいえ、あっさり倒せましたわね」
「自分でも信じられません。私、夢でも見てるのかな?」
「いえいえ、姫。姫が居られたのですから当然です」
だからクロードさんのリリーさん至上主義は以下略。
確かに10mを超える巨人を討伐なんて信じられない光景ですが、相手はちゃんと弱点のある、殺せる生物なのですから倒せますって。
「まあ、確かに信じられなよねー。まずサイクロプスの皮を突き破れる武器なんて中々手に入らないし、矢や魔法なんて避けられるしね」
ああ、そうそう。
サイクロプスの強さの秘訣ですが、実は魔眼持ちだとされるほどの動体視力の良さなのです。
凄腕の弓手が放つ矢や高レベルの魔術師が放つ魔法も見切られて防がれてしまうので、まず頭部や胸部に攻撃が中らないんです。
更に鋼ですら弾く硬い皮に覆われてますし、それを貫いても筋肉で刀身を止められて深く刺さりません。
勿論骨もすっごく硬いから、脳や心臓といった弱点臓器まで攻撃が届かないんです。
なので普通なら倒せない、とされているのがサイクロプスという災害級魔物です。
あ、災害級といっても山奥に棲んでますから人里にやってくる事はなく、討伐依頼はあっても緊急依頼ではありません。
なお、討伐に向かうのは無謀で馬鹿な冒険者か、サイクロプスの素材で優秀な武具を作ろうとする馬鹿な国ぐらいですよ。
「今回はミスリル製の魔剣が4本もありましたし、倒せるべくして倒せたかと」
「止めはクロードさんの魔法だけどねー。魔剣の内3本はサクラちゃんの所有品ってのがアレだけど」
「人間の魔術師なのにやりますわね」
「クロードは自慢の従者ですから!」
「勿体ないお言葉です。ですがいつも以上に魔力が込められた結果の威力ですから、凄いのはサクラ嬢ですね」
「「「ええ」」」
「きゅぃー!?」
「あ、またきゅぃーだ」
その後しばらく私のきゅぃーで盛り上がる皆さん。
私をネタにして遊ぶんじゃありません、きゅぃー!
もう、もう、もう!
お読みくださってありがとうございました。




