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サイクロプスを倒した私たちは十分に休息を取って5階層にやってきました。


この階層は罠の類は存在しませんが、強力な魔物が登場します。


その魔物とはゴーレムと呼ばれる動く人形、アース世界的な解釈で行けばロボット兵士が敵として出現するのです。


ゴーレムは作られる素材によって強さが変わる魔物で、ゲームでは硬くて力強いけどそれだけですが、マンガなどでは特殊な能力を持った物が多く存在します。


ファンタジア世界の魔物はゲームよりもマンガやラノベに近い存在のようですし、ゴーレムも特殊な能力を持っていそう。


そう思ってましたがやっぱり持っているようで、ゴーレムは核と呼ばれる心臓部分を潰さない限り動き続け、それ以外が壊れても自動修復していきます。


そして構成素材によって硬さや素早さ、力強さが大きく変わり、土や木で出来たゴーレムなら比較的倒し易いと言われています。


といっても一般人ではまず倒せず冒険者でもランク7以上のクラン推奨で、石を素材にしたゴーレムになるとランク5以上のクランが推奨だそうです。


割と私は岩とかを簡単に破壊してるような発言をしてますが、普通岩なんて簡単に破壊できず、鉄の剣で斬ろうとしたら剣の方が折れちゃいます。


ある程度実力があれば砕けるはずですが、それでも修復され続けたら破壊なんて出来ないですから、素材関係なくですけどね。


なのでゴーレムは複数人で挑む事が推奨され、特に攻撃魔法が使える魔術師が居る事が望まれます。


魔術師が必要とされるのは、魔法は魔力を纏っていないモノに対して絶大な威力を発揮する為で、私が岩を簡単に破壊しているのはこれも関係しています。


後、金属を簡単に切り裂く妖精鉱の剣を持ているというのも大きいですね。


何だか話が逸れましたが5階層に出て来る魔物はゴーレムで非常に倒し難い、それが言いたかったのです。


序に言うと、核を破壊すると爆発します。


罠がないのはこの所為だと思いますが、自爆機能付きとはテンプレ過ぎて涙が出そうですきゅぃー。


あ、ちなみに4階層までは地面から生まれてくる魔物たちも、この階層では何故か天井に穴が開いてそこから落下してきます。


これも罠じゃないですか、と小一時間このダンジョンを作った人に言いたいです。


で、出て来るのが石素材のゴーレム、ストーンゴーレムです。


形状は人型ですが、造形はのっぺりしており、遠目で見るとゴリラぽい。


目や鼻といった器官はないので私たちをどうやって認識しているかは不明ですが、完全な暗闇でも見えているように攻めてきます。


「うーん、不思議な存在ですね、ゴーレムって」


「サクラちゃーん。こういう時まで考え事しないでよー」


ゴーレムの不思議に付いて考察していましたが、現在2体のストーンゴーレムと戦闘中です。


核を破壊するまで倒せないゴーレムですが、何処に核があるかは個体によって違う為、先ほどからミゥさんが牽制しつつアルミラージュさんが切り刻んだり、クロードさんが火魔法を浴びせてます。


3m近い巨体を誇るゴーレムですから中々核発見に至らず、そもそも核の大きさは大体拳ほどの大きさと言われてますからかなり根気の要る戦いです。


リリーさんは何時もの如く、私たちの視界を確保するために光魔法に専念してもらってますので、戦闘には参加してません。


そして私は考察に忙しいのでリリーさんの横でお留守番です。


「ええい、限がありませんわ!」


「ゴーレムとは初めて戦いましたが、これほど厄介だとは」


削ったり砕いても、どんどん修復されていきますからね、そりゃあ厄介です。


あ、一応言い訳をしてきますけど、私はサボりたいとか趣味を優先したいからと考察を続けている訳ではなく、ゴーレムの弱点を探しているのです。


だって、普通に倒したら爆発して岩が四方八方に飛び散るんですよ?


凄く危険じゃないですか。


なので戦ってもらい、その様子を実験データとしているのです。


はい、正直に言いますと、自爆機能付きロボットとかちょっとロマンを感じているのでもうちょっと見ていたいなぁ、と思ってますきゅぃー。


でもそろそろ止めにしないと怒られそうなので、真剣に弱点を、いえ、安全な攻略法を探しましょうか。


先ほどから見ている限り、相手から襲ってきますが攻撃されると反撃しようと拳を向けてきます。


それも魔法に向けて、とか、剣に向けてです。


これは攻撃の意志を感じて迎撃しようと動いているのか、それとも別の何かを感じているのか。


ちょっと、その辺りを確認したいので妖精鞄から街で購入したローブを取り出し、相手に投げつけてみました。


「何をやっていますの!?」


投げつけたローブはゴーレムに命中し、そのまま引っかかったままです、ナイスコントール。


続いて予備のローブを今度は魔法を使わないで全力で投げ、殺気も混ぜてみましたがこれもゴーレムに命中し、勢いがあったので落下しました。


「サクラちゃーん。遊んでないでそろそろー」


ふむ、どうやら物や殺意に反応している訳ではないようですね。


と、いう事は答えは魔力かな?


何せアルミラージュさんの魔剣たちには魔法剣で魔力が、それでなくとも妖精鉱製ですから普通の金属と違って魔力が豊富です。


クロードさんの火魔法も魔力の塊ですからやっぱり魔力に反応で間違いなさそう。


そして、人、いえ、生物は必ず大小関わらず魔力を持っていますから、それに向けて襲い掛かっているのでしょう。


ただし、このダンジョンの床などの壁面全体を魔力が込められてますので、それ以上の魔力に対して反応している、という事ですね。


じゃあ、続いての検証。


「あ、今から相当明るいライトを使いますので、一端下がってください」


「「「「え?」」」」


皆さん不思議そうにしてますが、私が何かする、しでかすと分かっているのか離れて目を細めてくれました。


色んな意味で信頼されているようですね、ええ。


では、早速きゅぃーっと。


ゴーレムたちの後方の壁面辺りに設置型の光魔法ライトを結構な魔力を込めて使用。


するとゴーレムたちは私たちを無視して明るくなった壁に向かい、攻撃し始めました。


「こ、これっていったい何ですの?」


「やっぱりそうですか。ああ、ゴーレムはどうも魔力を感知して攻撃しているようなので、ちょっと試してみたらああなりました」


「「「「おお!」」」」


さて、これでこの階層も楽に攻略できそうですね。




攻略法が確立された私たちはその後全てのゴーレムをやり過ごし、階層主の部屋を目指しました。


設置して持続時間が長い魔法は光魔法ライトが一番効率的ですからそれでやり過ごす為、それからは光魔法コンセントレーションで暗視効果で移動じゃなく、追尾型の光魔法ライトで光源としました。


囮用の魔法は私が使い、光源用はリリーさんと分担してましたので、MPも無駄使いせずにゆっくりです。


5階層の階層主の情報は一切ないですし、今までの傾向から行くとゴーレム、しかも金属系のが出てきそうですし、出来るだけリソースは残してきたいですから。


そうやってゆっくりゆっくり進み、もう少しで階層主の部屋という辺りで複数人が近寄ってくる気配を感じました。


「誰かこっちに向かってやってくるね、しかも大勢」


「まさか、他の参加者がもう追い付きましたの?」


「私たちはここまで1日半程ですから、違うと思いますが」


「かなり急いでも3日は掛かるって聞いてましたよ?」


「それは普通に、いえ、通常ルートで休憩をあまり取らない場合です。もし、一番早く辿れるルートを休息を最低限に抑えたら可能だと思いますよ」


「え? でも貴族がそんなのに耐えれるかなー?」


「私たち以外の参加者全員が結託していた場合、王にしたい人だけ残して後はリタイアしてたら可能じゃないですか? 参加メンバーだけは貸し出して」


うん、本当ならそんな事しないでしょうが、可能性としては多いにあり得ます。


元冒険者なリリーさんの兄である王子さんだけを残して、他の王選参加貴族たちはどこかで最低限の護衛だけ付けて待っておき、他の冒険者を引き連れて行けば、とか。


人って無理をすれば2,3日眠らずに行動できますし、ファンタジア世界には魔法やポーションなどがありますから行けちゃいそう。


あくまで予想だった私の発言は、割と当たりだったようです。


「まさか、お前たちが先行してようとはな」


「・・・兄さん」


かなり疲れ切った表情を見せる王子さん、そしてお供の二十数人の冒険者たち。


その中にはアレックスさんたちは居ませんが、ランク5冒険者が大半で、中には王子さんのメンバーであるランク4冒険者とあのローブな人もいました。


「ふん、お前に兄と呼ばれるのもこれで最後と思えば、考え深いものがあるな」


好青年の仮面を捨て去ったのか、結構危ない事を言ってます。


王子さんから危険感知がびんびん反応してますし、冒険者たちからも感じます。


えっと、冒険者って野盗集団だったのでしょうか?


私たちを襲う気満々じゃないですか。


ダンジョンの中だから武装していた当たり前ですし気を抜いていないだけ、と言われたらそれまでですが、危険感知に反応してますからね、ばっちり殺気を放ってます。


私はメンバーだけで相談する為に風魔法サウンドを使用して話し掛けました。


「ここは一気に駆け抜けて主の部屋まで行きましょう」


「扉が閉まるまでに1分はありますよ? 追い付かれてしまいますが」


「でも、それだったら全員で主と戦ったら」


「あー、多分、あの人たちは私たちを攻撃してくるよ。殺気を放ってるしねー」


「徐々にこっちに詰めて来てますし、可能性はありますわね」


「そ、そんな」


「リリーさん。流石に家族を殺したくはないでしょうし、逃げる為にも主の部屋に駆け込みましょう」


「は、はい」


「じゃあ、今から相手を一時的に行動封じしますから、全力で走ってください」


「え、まさか、アレを人相手にやるの?」


そう、アレです。


別に死ぬ訳でもないですし、一時的に動きを止める程度ですから問題ないですよ、きゅぃー、もとい、風魔法アクセラレータロアーは。


「走って!」


「「「「「「「「「「逃がすか!」」」」」」」」」」


「きゅぃー!」


三半規管を揺らし、精神が弱い者は気絶するこの魔法を受けて、駆け出そうとした王子たちはバランスを崩して転倒。


転倒しなかった者もいたようですが、他の転倒者に巻き込まれて身動きが取れないようです。


序でなので床一杯に水魔法ウォーターを使い、氷魔法フリーズで凍らせて走れないようにしておきました。


これで流石に追い付くのに時間が掛かるはずです。


いやぁ、なんだか悪者登場シーンで、これから実の兄妹の悲しい戦いが始まるというドラマチックな展開が待っていたのに、思わず喜劇に変えちゃいましたね、きゅぃー。




階層主の部屋は全てが金属製の、多分アダマンタイト製の壁面で覆われた場所でした。


広さは相当なもので、100m近くあるんじゃないでしょうか?


中央にある魔法陣も10m近い大きさのものですから、どれだけ大きいゴーレムが登場するのでしょうか?


もしかしたら機動戦士的なゴーレムが出て来るのかな?


ビームなサーベルやライフル装備だと、ちょっと確保して家に持って帰りたくなりますね。


そんな事をしたら赤眼様に怒られそうですから諦めますけど。


そもそもファンタジア世界でロボットは出てきませんか、一応ハイファンタジーな世界だし。


などと思いつつ、作戦通りにまずは魔法陣の上方へと光魔法ライトを、と思ったのですが、アダマンタイト製の壁面だと意味がない気がしてきました。


「もうすぐ扉が閉まって主が出ると思いますが、ライトは使いません」


「え? 誘導用の囮はどうするの?」


「気が付きませんか? この部屋明るいですよ。多分ライトを使っても誘導できません」


そう、アダマンタイトが仄かに光っており、天井に至っては昼間のような明るさで光ってます。


しかも魔力の量はかなり多く、下手すると一番魔力が小さいリリーさん並みにあったりします。


これから出るゴーレムは、魔力感知型ではなく、他の要因で感知して襲ってくるタイプなのでしょう。


「どうせ倒さないといけない相手ですから、支援は最大でいきます。ですから初っ端から最大火力で攻めましょう」


「分かりましたわ」


「んー、金属系のゴーレムに効けばよいけどねー?」


「私はどうしましょう? ライトの維持を考えていましたが」


「姫は回復を担当して頂ければ」


「あ、そうですね。私は神官ですからそれが一番でした」


ダンジョンに来てから回復魔法をあまり使ってませんでしたしね、うっかリリーでも仕方がないですよ。


私が魔法による3つの支援を掛けた頃、扉が勝手に閉まり、魔法陣が輝きだしました。


その魔法陣を輝かせる魔力が多い。


多過ぎませんか、これ?


そして魔法陣が一瞬眩しいぐらいの光を発した後、それは現れました。


魔法陣の中央に片膝で跪く、銀色に輝く少女。


まるでドレスを着た人形のようなその少女は俯いているので顔が解りませんでしたが、長い髪を後ろで束ねた騎士のようにも見えました。


あれー?


何だか見覚えがあるスタイルなのですが。


「小さいですわね」


「それよりもとっても見覚えがあるんだけどー?」


「似ておりますね」


「何だかサクラさんみたいです」


そう、私の現在の姿。


戦乙女シリーズを身に纏った私を思わせる姿の銀色少女人形でした。


その少女人形は立ち上がってこちらに顔を向け、まるで私が目の前に居るかのような錯覚を覚えました。


え、これ本当にゴーレム?


そう疑問に思って鑑定スキルを使って、思わず息を飲み込んだ。


========================


名前:シリアルナンバー001(0歳)


名称:シークレットフロアガーディアン


種族:ミスリルゴーレム(LV30)


解説:総ミスリル製のゴーレムで、ミスリル製ゆえに非常に硬く、素早い。


   このフロアを守護する為に大量の魔力を込められており、又、希少出現率を誇る守護者ゆえに敵対した相手で一番強い者を模した形を取る。


   戦闘方法も模した相手を参考にし、ここに辿り着くまでの戦い方を参考にしている。


   ただし魔法やスキルは再現できず、代わりに魔力を利用した熱光線を放つ。


所属:マケドニア大帝国/第6番浮遊防衛都市バルゴ/地下第5フロア


========================


かなりやばいゴーレムという事で息を飲みましたが、それよりも色々気になる情報が!


古代に栄えた大帝国がマケドニアとか乙女座を意味するバルゴとか気になるワードが盛り沢山。


それよりも一番気になるのは。


「やっぱりビームを。あ、このゴーレムはミスリル製です」


「「「「ミスリルゴーレム!?」」」」


「しかも私の戦い方を参考に襲ってくるみたいですよ。魔法は使いませんけど」


「「「「うそでしょ!?」」」」


私たちの驚きを他所に、少女人形は閉じた目を見開き、瞳を光らせた。


って、ビームはビームでも、目からビームきゅぃー!?




「きゅぃー!」


目から放たれたにしては太いビームは光の速さ、とは言いませんがかなり早く、こんなの食らったら一撃で死んじゃいそうです。


なので光魔法コンセントレーションで屈折率を変えてビームを上方へと流し、回避しました。


「なっ!? まさか今のはホーリーレイ! 聖魔法を使ってきましたよ、サクラ嬢!」


あ、熱光線だからビームじゃなくてレイですか。


クロードさんの声で気が付きましたが、似たようなものですよね。


「クロードさんも使えますよね?」


「私は使えませんよ。聖魔法は光と火の魔法レベルがそれぞれ5にならないと覚えられないと言われている、使い手が殆どいない勇者の魔法です!」


「おや、そうでしたか」


「って、そんな暢気な事言ってないで、来るよ! ウィンドブレス!」


熱光線、もうビームでいいですが、回避された少女人形は私がよく取る構えを見せると駆け込んできた。


その動きは私と同等、それ以上、戦乙女装備を身に着け、風魔法ゲイルムーブを使ったのと同じぐらい。


こんな相手でしかも私と同じ背丈なんですから、攻撃が中るのでしょうか?


兎も角やるしかないので早速ミゥさんが竜魔法で攻撃しましたが、いくら早くとも広範囲に暴風を放つブレスは避けきれなかったようで命中しました。


でも、まったく効いて無さそうだし、吹き飛ばされもしませんね。


「ええ!? 傷どころか吹き飛ばしたりもできないの!?」


「行動は封じてますから足止めにはなりますね」


「それだけ!? 私の魔力だと2回使ったら回復まで時間が掛かるよ!」


しかし、小さいのによく耐えれますね。


私だったら風魔法で対抗して耐えないと無理ですね、って小さくなきゅぃー!


しばらく暴風を受けて足止めされてましたが、もうそろそろ終わるから動き出しそうです。


でも、こんな好機を逃さないのが私たちです。


「フレイムランス!」


風が止む寸前に発射されたのはクロードさんの火魔法で、サイクロプスを倒した時と同じ大きさのものが5本。


流石にこの状況だと全てを回避できなかったのか3本命中し、でも、ミスリル製は伊達ではなく、表面を炎が撫でただけでした。


「まさか全く効かないとは」


「私にお任せなさいな!」


次に攻撃したのは駆け出していたアルミラージュさんで、魔剣による連撃を浴びせ、少女人形の両腕で上手く受け流された。


「ええ!?」


「一人で攻めては危険ですよ」


反撃されそうになっていたアルミラージュさんに割り込んで、私もヴァルキリーレイピアを振いましたがガントレット部分で受け止められた。


私の剣で傷付ける事もできないのは初めてで、ちょっと驚きましたが想定内です。


剣を振いつつ風魔法ブロウを魔法剣で込め、そのまま斬り付けた所で、少し火花が散り、ちょっとだけ傷が付けれました。


「これでやっと傷ですか。硬過ぎです」


僅かでも傷付けられた事で少女人形もびっくりしたのか大きく後ろに後退し、距離を取った。


「リリーさん! 相手の目が光ったら、コンセントレーションで熱光線を上に曲げてください!」


「分かりました! 私はそれに集中します!」


言いたい事が分かってくれた様で、ビームに関してはリリーさんにお任せです。


早速目からビームを放たれましたが私たちに中る前に上方へ流れ、回避成功。


どうもこの攻撃方法は魔力を集めるのに時間が掛かるようで、連続発射は出来ないようですね、安心しました。


そこからは私たち対少女人形の総力戦となり、それこそ形振り構わずに攻め立てました。


前衛である私、アルミラージュさん、ミゥさんがどんどん剣で斬り付け、隙あらばと飛んでくるクロードさんの火魔法。


しかし少女人形はほぼ傷付かずで、しかも傷が付いてもすぐに修復されます。


水魔法タフネスが掛かっているから全力で戦っても疲れはしませんが、既にこの状態になってから十数分は経過してるはず。


相手も疲れ知らずのゴーレムですから、膠着状態に陥っていました。


そしてそんな状態を長く続けられないのが人です。


真っ先に痺れを切らしたのが堪え性のないアルミラージュさんでした。


「ええい、これでどうですの! 魔法剣技!」


「あ、ダメです!」


両手の魔剣から魔力弾を魔法剣技でインパクトの瞬間に放ち、僅かながらに傷付ける事に成功。


でも、そんな事をしたら大きな隙を生んでしまいます。


「きゃああああ!?」


「アルミラージュさん!」


私だったらそんな隙を逃さないですし、少女人形は私の戦い方を模しているのですから同じように逃さず反撃してアルミラージュさんを吹き飛ばした。


すぐさま鑑定スキルで確認しましたが、死んではいませんが重症なうえに気絶してます。


そして何とか互角の戦いをしていた要員であるアルミラージュさんが抜けて、私とミゥさんの負担が一気に増えました。


そうなってくると次にやられるのは短剣術レベルの低いミゥさんです。


「っ!?」


「そ、そんな」


何とか避けようとしたミゥさんでしたが、軽く振った腕が掠り、小さなその体を吹き飛ばした。


鑑定スキルによれば重症ながらも気絶はしておらず、何とかなる。


でも、一人で少女人形を相手にしなければならない私の負担は相当で、何度か攻撃を受けるようになりました。


対戦してみて分かりましたが、少女人形の方が上手い。


多分体術と回避が5レベルだと思われ、私の方が力は大きく劣り、素早さで同等。


その状態で剣を使った戦闘なんて手数が足りずに防戦一方。


何とか自分に回復魔法を掛けて凌いでますが、このままでは負ける。


そうなったら全滅、皆殺されてしまう。


そんなの耐えれる訳がない!


「リリーさん! 熱光線はこっちで何とかします! 二人に回復魔法を!」


「分かりました! でも、それでは」


「何とか時間を稼ぎますから!」


私は色々と自分に制限を掛けて来て、余り実力を他人に見せてきませんでした。


でも、今はそんな事を言ってられる状況じゃあない。


だから、久しぶりに全力で戦います。


幻惑の森の猛者たち、ハヤテさんと赤毛さんにしか出した事のない、私の全力を受けて見なさい!

お読みくださってありがとうございました。

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