幼女、王宮で
私達一行は、宿屋ソレイユを後にし、すでに5時間ほど経った。
すると景色は一変し、綺麗に整備された道を進んでいたのだけど、その道の周りには池があり、赤や青、黄色や緑色の花が沢山咲いていた。
「見た事の無い綺麗な花ですわ、池の水も綺麗な色をしていますわ、でも、花は綺麗ですけれど食べられそうにありませんわね」
私は、見た事は無いけど何処か懐かしい花を見て、しかし綺麗だからこそ食べられそうにないので、思った事を言って見た。
「アリエッタちゃんおしい、この花は食べられるんだよ?『ハスの花』って言って、実、茎、葉、全て食べられるんだ、ハスの花は御釈迦様の花って言われているんだよ」
ケインさんが私が言った事に対して答えてくれた。
「こんなに綺麗な色をしているのに毒はないのですのね、不思議ですわ」
「アリエッタちゃん、実を言うとハスの花は毒は無いけどクセがあるから、食べるのを苦手にする人もいるんだ」
「そうなのですね、流石ですわケインさん、よく知っていらっしゃいますわ」
私の言った通りに、ケインさんはハスの花の事をよく知っている様だった。
「アリエッタちゃん、ハスの花の事は『夜明けのいざよい』と『年明けの同胞』のメンバーならみんな知っているよ、それに、王都ではハスの花は有名なんだよ」
「そうでしたのね、教えていただきありがとうございますわ」
そんな会話をしながら、王宮を目指して進んでいると、かなり大きな門が開いていて、門の左右に人が立っていて、私達一行の馬車を見ると突然馬車を止められた。
そして恐らく門番2人は馬車の中を見る。
「ようこそいらっしゃいました、『夜明けのいざよい』と『年明けの同胞』と、それとお連れの方2名様、いつも通り馬車はここまでですので、ここから先は徒歩でお願いします」
私達一行は、門番の人に言われたので、素直に従う事にした。
「ご苦労様、じゃあプリフィちゃんとアリエッタちゃん、ここからは歩きだ」
「わかりましたわケインさん」
そして歩きに切り替えて、そのまま門を通り歩く事30分ぐらいだろうか、庭だと思われる景色の先には統一された建物が遠くに見えた、そしてケインの後をそのまま歩いていると、またまた大きな門と今度は建物があった。
そんな大きな門に、ケインさんは慣れた様子で大きく2回ノックをすると、門は開き進めるようになった。
そして私達一行は、その門も通り少し歩くと、建物の中は金ピカで豪華で、奥のほうを見ると玉座だろうと思われるものが見え、その玉座には王冠を被ったいかにも王様と思われる人物が座っていた。
(うわ、いきなり王様を発見してしまいましたわ、どうしましょう)
私は、心の中でどうしましょうと思いながらも、前を進むケインさんの後を早歩きでついて行く。
そしてそのまま進むと、玉座を囲むようにして、沢山の人がいて、その人たちの視線は私とお姉ちゃんにそそがれた。
私はケインさんの歩くままについて行くと、ついに王様らしき人物が座る玉座の前まで来てしまった。
「よく来たな、『夜明けのいざよい』と『年明けの同胞』の冒険者達よ、それに『エンジェル』のプリフィとアリエッタ、余と会うのは初めてだな、余の名は『アルファニカ・トリスタニア・メナード』この国の王であるが、堅苦しくせんで良いぞ」
「初めまして王様、私が『エンジェル』のプリフィです、今は8才です」
「初めましてですわ王様、私も同じく、『エンジェル』のアリエッタですわ、5才ですわ」
「ほう、まだ幼いのに立派なものだ、では今回の件の事、聞かせて貰おうか」
「はい、おそれながら、私が代表して今回の件の事をお話しします」
王様の問いに、ケインさんが応えた。




