幼女、初めての魔物
私は早速今使える様になった魔法の『サーチ』の事をお姉ちゃんに伝えようと思った。
「お姉ちゃん、出来ましたわ、これで魔物の気配がわかりますわ」
「本当に?凄い、どんな感じに魔法なの?私にも教えてくれない?」
「お姉ちゃん、わかりましたわ、取り敢えずここは安全地帯みたいですから、一旦私は魔法を解除しますわ、だからここで止まりましょう」
私はここが安全地帯だと言う事も有り、お姉ちゃんに魔法を教えるために、この場で一旦止まって魔法を解除した。
「お姉ちゃん、まずは魔力を薄く薄く薄〜く薄〜く伸ばすイメージで自分の周りに魔力の層私張る感じをもってね?そして『サーチ』って唱えるの。
ではやってみて」
「わかったわアリエッタ、薄く薄く薄〜く薄〜く伸ばすイメージね・・・、『サーチ』」
するとお姉ちゃんの周りに薄い魔力の層が出来て、その層が一気に見えない所まで広がっていった。
「・・・、出来たわアリエッタ、魔物の気配がわかるわ、でもこれだと私だけしか魔物の位置がわからないから、私が『サーチ』の魔法を使っている状態からで、アリエッタも『サーチ』を使ってみて?」
「確かにそうですわね、わかりましたわ、『サーチ』」
私はお姉ちゃん何『サーチ』を使っている状態でサーチを私も使って見た。
すると。
「魔物の気配がわかりますわ、お姉ちゃんもわかるかしら?」
「え〜アリエッタ、私もわかるわ、この魔法、便利ね」
どうやら『サーチ』は重ねがけしても使える様だ、でもこれでかなり安全に森の中でも探索が出来る様になった。
「ではお姉ちゃん、この気配の中にコカトリスが居るでしょうから、気配が少ない場所から行って見ましょう」
「そうねアリエッタ、魔物の気配に近づいて見ましょう」
そう言って、最初のターゲットを決めて、私とお姉ちゃんはせめて行く事にした。
森の中は平坦な道だけでは無く、起伏も激しい場所も有り、そんな中お姉ちゃんちゃんは私のペースに合わせてくれて一緒に歩く。
なんと言っても私は5歳児、歩くのが遅いのだ、でもまだ5才だから疲れない、今の所は。
そして最初の魔物の気配が少ない場所まで行くと、3体の人型の魔物を見つけた。
私が魔物に見つからない様に小声でお姉ちゃんに言った。
「お姉ちゃん、たぶんゴブリンだよ、今まで会った中で1番禍々しい・・・、ってお姉ちゃん!!!」
私は魔物のゴブリンが凄まじく禍々しいので、ビビってしまっていたのだけれど、お姉ちゃんはゴブリンに向かって突っ込んでいってしまう。
そして。
『バキ、ゴシャ、メキ』
大きな音がしてゴブリンは吹っ飛んで行くと木にぶつかり、力無く首を下に向けたゴブリン3体、お姉ちゃんがゴブリンを殴ったのだ。
(お姉ちゃんを怒らせると私はゴブリンみたいになってしまうんだわ、これから先、お姉ちゃんを怒らせない様にしよう)
「アリエッタ、たぶん仕留めたわ、見た目は怖いけど、本当に弱いわね、ゴブリンって」
「いいえ、お姉ちゃんが強いのだと思いますわ」




