扉探し
それにしても扉までどれだけ歩くんだろう。もうそろそろついてくれないかな。
「ここに何かあるみたいだけど」
「何もないね」
「壁ないからわかんない」
「壁あったとしても触んな」
あの廊下の時の事で月華が壁には触らせてくれない。というか、不執拗にペタペタ触るのダメって言われる。
「何かあるとは思うけど」
「もう少し探してみるか」
「そうだね。星音は休んでて」
「うん」
休んでって言われてもどこで休めば良いんだろう。
適当に邪魔にならなそうな場所で休んでいれば良いかな。
「きゃ!」
びっくりした。急に地面がボコって凹むから。
「あっ、扉」
「扉?」
なんか変なの出てきた。時空が歪んでいるみたいな感じの変なの。もしかしてこれが扉なのかな。だとしたら入るのにかなり勇気がいると思うんだけど。
「これで出られるよ」
「うん」
きっと一瞬勇気を出して入れば学園に帰れるから。一瞬……扉消えちゃった。
「月華、他にも扉ある?」
「分からない。あったとしても出れないと思う」
「扉を閉めている原因をどうにかしないとか」
扉を閉めているのってもしかして御徒さんなのかな。ここから出さないようにするために。
「少し休憩しよ」
「そうだな」
「星音、寝れるなら寝ても良いよ。起こすから」
疲れてはいるけどこんな場所で寝れないよ。寝るならもっとふかふかの場所で寝たい。
……ここ雲みたいにふかふかだった!
それなら寝てるかも。
「じゃあちょっとだけ寝るね」
「うん」
寝転んでみると本当に雲の上にでもいるみたい。綿を大量に使ったらこの感触を作り出す事ができるかな。でも、綿の柔らかさとは違う気がする。
何に似ているんだろう。どうにかして作りたいけど。
目を閉じていると地面があるとは思えない。空気みたい。……空気⁉︎そうだ、空気で作れば
「星音、寝るなら寝たら?」
「あっ、うん」
いつ出れるか分からないから寝れる時に寝ておかないと。
「うふふ、ようやく見つけましたわ」
今寝ようと思ってたんだけど。
この声って御徒さんだよね。
「これでやっとですわ。やっと、令嬢をあたくしのものにする事ができる」
「趣味悪いね。悪いけど、僕の大事な許嫁を渡す事なんてできないから」
大事な許嫁……なんだろう嬉恥ずかしい。
「星音、走れる?」
「うん」
「少しだけ頑張って」
蝶華の手あったかい。良く触っているのに、どうしてこんな事思うんだろう。そんな事思っている場合でもないのに。
蝶華と手を繋いで一緒に走った。少しだけ早いけどこれくらいなら頑張って走れる。




