空の白
ある日。
それはなんでもないとある日。
翔太と一緒に並んで歩く帰り道。
今日は正樹は居なかった。
2人きりの帰り道。
いつもの道。
たわいもない会話。
変わりない笑顔。
かわらないはずだった関係。
告げたのは翔太。
考えないようにしていた。
だからすぐには答えられなかった。
それからして、
私は答えた。
それまでは考えないようにした。
それから私は考えていなかった。
考えられなかった。
考えようとしなかった。
告げられたのは正樹から。
私は考えていなかった。
今日は翔太は居なかった。
私は答えられなかった。
考えていなかったから。
しかしもう告げる事は出来ない。
自惚れていないつもりだった。
でも事実は違った。
間違わないはずだった。
だけど結果は違った。
これでいいんだと思っていた。
これで幸せなんだと思っていた。
私は
私は
思っていた
そう思っていた
でも
だから
結果2人とも死んだ
私だけが生き残った
私だけ考えていなかった。
だから、
だから?
生き残ったの?
だから、
私は今も答えが分からなかった。
だから私は答えなかった。
「それでいい。」
だから私は考えななかった。
「ただ食事をする。」
答えなくなった。
「考えなくていい。」
考えなくなった。
「君こそがまさしく死神にふさわしい。」
「今日で引退だ。」
「後は君がやってくれ。」
「『人を食うもの』を喰らうもの。」
「誰が呼ぶかはどうでもいい。」
「私はもう満腹だ。」
「正直に、疲れた。」
「ここまでだ。」
人を食べた。
ヒトをタべた。
ああまたお腹が空く。
また食べるのだろう。
私は考えない。
今はもう食欲しか考えない。
ま、だからと言って食われたやるほどオヒトヨシじゃないけど。
だって人じゃないのだから。
だから首輪を付けなければ。
でなければ生きていけないから。




