からの外
先生に渡されたメモに従い、生まれて初めて町を出た。
いつか自分は町を出て行くのだと思っていた。
だけど、先生に言われるまでそんな事忘れていた。
彼女はここへ来た。
何処から?
ここからは何処?
胸が締め付けられる。
これで正しいはずなのに、
これが正しいはずなのに
知らない場所へと踏み出した。
地図の通り進む。
確信はない。
他に縋るものもない。
だから進む。
もう後には戻れない。
着いたのは酒場だった。
居酒屋なら何度か付き添いで行った事はあるが、
それはまた違った雰囲気の店だ。
今日は休みのようだが店の中の明かりはついてる。
覚悟を決めて扉を開ける。
カウンターに女の子が座っている。
中に男が一人。
二人とも話すのを中断して私の顔を見た。
「すみません、本日はお休みですが。」
男が尋ねた。
「…」
女の子は私を凝視している。
「あ、はい、すみません。
道永先生にここに行けと言われて。」
「。本日は何方からお越しになられましたか?」
「 …」。
あれ?。
ここは何処だろう?
私は何処から来たんだっけ?。
私は知っているはずなのに。
ここは何処だろう?。
私は何処から此処に来たんだっけ?
私は何処から来たのに。
彼女は何処から来たんだ?
先生は?彼は?彼女は?
何処だ
何処だっけ
「あの?」
「あれ?」。
「何方から_?」
「あの。」?
「そんな事も分からないの?」
「あ_
「マズい!!」
あ…れ?…
動かない…?
動けない?…
「起きたか?」
声がする…ここはどこ…?
「___」
目の前で誰かが手を振る。
「…なに ?」
「起きたか。」
次第に視界がハッキリとする。
「自分が誰だか分かるか?」
「…」
「変わって。」
女の子が私の目の前に立った。
胸ぐらを掴んで揺する。
「あんた、自分が何者か分かってんの!?」
ああ、確か先生が言ってたな。
「進化した人類。人型人食種。
それのなりそこない。ガラクタ。」
どこか哀しそうな顔をしながら、女の子は掴んでいた手をそっと離した。
「それはどういう事だい?」
男が尋ねた。
「私にもよく分からない。先生が私にそう言った。」
男は視線を女の子に向けた。
「…いつだって半端者は除け者にされるのよ。」
男はまだ納得していない様だ。
「なら、君は人を食べた事があるか?」
おかしな質問だ。
「ない。
…自分からは。」
おかしな回答だ。
「…さすがに少しは察せたよ。変な質問してごめんね。」
男は私の拘束をといた。
「まだ取るのは!」
「大丈夫だ。」
焦る女の子を男は制止した。
そして私を見て確信する。
「大丈夫だ。」
番外編は穂花ちゃんのその後編へ。
新キャラの2人の名前は次回までには考えておきます。




