please kill me
「私を食べて。
それで一緒になれるから。」
彼女は手を差し出し微笑んだ。
「…」
「遠慮しないで、
私の事はすぐに忘れるといい。」
「…。」
「何も感じる事はない。
あなたが望むのなら。」
「…」
俺はその子の首筋に歯を突き立てた。
「それでいいの…」
さ よ う な ら
あいつを、酒井真斗を殺してこい。
お姉ちゃんはそんな簡単な事も出来なかった。
お父さんの言う事を聞かなかったお姉ちゃんは今日も打たれた。
それでもお姉ちゃんはどこか嬉しそうに見えた。
お父さんは気味悪がって打つのをやめた。
お姉ちゃんはずっと笑っていた。
失くした腕の先を見つめながら。
その手はいつも私を撫でてくれていた。
今はもう叶わないだろう。
私はただ見ていた。
「お前があいつを殺してこい。」
お父さんに言われた。
何で?と聞くと、
「俺の大切な物に傷をつけたからさ。」
報いを受けるべきだと答えた。
「あいつを殺せたら御褒美をあげよう。」
それは必ず私が気にいるものだと言う。なんだろう?
「やれるか?」
私は頷いた。
私じゃあの女の子に勝てなかった
赤い服を来た同い年くらいの女の子。
体格は同じなのに、何もかもが私より勝ってた。
攻撃は読まれ、防御は崩され、ただ逃亡のみが許された。
私はお父さんに言った。
「手を出すな。その気ならお前達を殺す。」
逃す代わりの伝言。
もちろんお父さんは怒った。
その言葉と私に。
何度も打たれた。
何度も何度も。
別に痛くはない。
それでも私は何かを感じていた。
「役立たずめ!!!」
何度目のセリフだろうか、興味はないけど。
「お前の方が最新式だろ!?
スペックだってこっちの方が上だろ!?!
それで何で負ける!!」
蹴りは久しぶりだった。
きっと避けたら、もっと怒るだろうから。
「っ!」
二次被害で頭を床にぶつけた。
これはさすがに痛かった。
「なあ?何で負けるんだあんなやつらにぃ!!」
横をお姉ちゃんが通り過ぎた。
相変わらず幸せそうだ。
「なんで私だけ?」
内側からそんな声がした。
私じゃない私の声
いつからか。
ふと、誰かが嘆く声が聞こえる。
それは私の声。
私じゃない私の声
ずっとずっと無視していた。
だって私は、そんな事思ってないから。
「どうして私なの?」
そんな事思った事もなかった。
のに
どこかで何かが切れた。
ここで誰かと重なった。
私が私になった。
私は全てを彼女に押し付け閉じ籠った。
誰にもさようならを告げられず、
憎むべき男の腕の中で。
「なんでわたしなの?」
連休という名の連勤。
SAN値消失とキチゲ限界突破。
やつれちゃうやつれちゃうよすり減っちゃう。
あたまおかしい