終わりの狭間の永遠の夢
「それでいい。」
やっと楽になれる。
やっと全部が終わるんだ。
終わったはずの人生。
私には何の意味もないのなら、せめて報いたい。
ただのわがままでここまで来てしまった事を。
ずっとずっと私の代わりをさせられてきた、紅葉ちゃんの為にも。
ずっと知っていた。
私の体を支配していた者を。
それは私の代わりなんだと。
それに甘えてここまで生きながらえた。
惰性の生。
それをただ、最後の最後まで終わらせてやる事すらさせてあげられなかった。
ずっと私の代わりを。
自分を殺して自分を生きる。
強要はしてないが強制はした。
だから、私にも責任はある。
いや、全てが私の責任だ。
たったの最後をあげられなかった。
もう彼女が目を覚ます事は無いだろう。
それならせめて、せめて彼女を記憶の中で生かしてほしい。
彼女は楓じゃないのだと。
…結局、私はどっちに生きて欲しいんだろう。
最後までワガママだ。
お姉ちゃんにだって生きていて欲しい。
でも、彼女の為に、綺音ちゃんにも生きていて欲しい。
それは決して叶わないのに。
だから彼女に最後を。
彼女たちに意味を。
綺音ちゃんが食べやすい様に。
爪で顔を剥ぐ。
その手で綺音ちゃんの顔を撫でる。
最初で最後のワガママなお願い。
「私を喰べて、生きて」
その魂に安らぎを
肩を噛みちぎられる。
痛いよ
優しく歯を立てた甘噛み。
そうしてすぐに目の色が変わる。
痛い
ほとんど咀嚼せずに飲み込む。
そして次を食む。
乱暴に筋を嚙みちぎり、骨を噛み砕く。
これが最後の痛み
ただただ貪り頬張る。
私を見ていない目。
ただの肉塊に齧り付く。
痛いのは全部私がするから
その手は身体を食べやすい様に引き千切る。
血を啜り肉を飲む。
だから泣かないで
瑞々しい臓物を握り潰して口に入れる。
味の変化にますます食欲が湧き上がる。
千切る、潰す、噛む。
ただそれだけの工程を繰り返す。
さようなら
他の感情など、他の事など考えられない。
目の前に肉が誰で、自分が誰で、私が誰なのか
ほんの一瞬流れた記憶。
「だからね、楓ちゃん。
私を食べて。」
一人で悲しくないように、と笑う青山さん。
「今日からこの体が楓の物だよ。」
誰かが笑って頭を撫でた。
元の持ち主の名は
赤井 紅葉。
そんなのとうの昔に忘れたけど
さようなら
休みの日に書き溜めて予約掲載しようと思ったらミスってしまったと思うんですけど




