生き残り
「それにそっちの君もまだ、終わった訳じゃない。」
穂花を指差して言う。
「まだまだ殺し合ってもらわないと困る。」
「どういう事?先生。」
「あいつ知ってるの?」
「うるさい、後にして。」
「名乗る程のモノじゃないよ。
どうせ死ぬんだから。」
「あ゛ぁん!?」
「そんな直情的でよく生き残れたな。
いや、あそこは異常だからそういう事もあるかもな。」
「アンタさっきから何様だよ。」
「そこに隠れてる子もついでに名乗ってよ。」
男の傍から少女が姿を見せた。
私と同じ制服。
「ウチは名乗る必要ある?」
「みっちゃん!??」
「みっちゃん??」
「忘れてたでしょ、ウチのこと。」
安藤 美子、
綺音と入れ替えで留学した生徒。
「誰?」
「はじめまして、安藤 美子です。
よろしくね、高崎綺音さん。
それとそこの彼も。」
柔らかい物腰の華奢な少女だった。
昔から変わらない外面だけの女。
「それにしてもウチはまだ信じられないよ。
まさか穂花が生き残ったなんて。
どんな手を使ったの?」
「あん?」
「ほら、あなた真っ先に死ぬタイプでしょ?」
相変わらずいけ好かない。
ソリが合わない。
「うるせぇ、お前には分かんねぇよ!」
「生き残るのは"委員長"だと思ってたけど。
どうせその子に助けて貰ってたんでしょう?」
「逆だよ、綺音には殺されかけたんだ。」
「あら、意外だねぇ。」
値踏みするような一瞥。
「そうだよ、私は最初は穂花を殺そうとしてた。
そして委員長を…楓を殺したのは私。」
「へぇ、ほんとに、意外だねぇ。
ほんとにほんとに良く生き残れたね、あなた。」
「自分でも分かってるよそんな事。
それでも生き残ったのは私だ!文句あっか!?」
「ないよ。
ないけど、殺すよ。」
…
助ける義理はないので、
穂花は首を掴まれ壁まで叩きつけられる。
「がっっ!??」
もがき足掻く穂花を物ともせず
美子は穂花の耳元で言う。
「昔から嫌いだった。」
見てれば側からでも分かる。
「今も大嫌い!」
見れば分かる。
「だから死んでよ。
私は死にたくないから。」
困惑して助けに向かおうとするユウくんを止める。
「助けないんですか?」
「うん。」
「友達が殺されちゃいますよ。」
怪訝な表情で問われる。
「友達じゃないよ。」
「それにね、穂花が弱いのが悪い。」
泡を吹き、暴れる力も徐々になくなってきている。
楽しそうに笑っている美子の顔を横から思いっきりぶん殴った。
「ぶっ!?!」
「がはっ」
「まったく、人の家を汚して、人の家で暴れて、
なんなんだあんたらは。
最悪、超機嫌悪い、
から、
あんたら全員殺すよ」
遅くなりすみません。
久しぶり過ぎて口調ブレてないか心配です。
脳内補完していただければ助かります。




