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空の空  作者: lycoris
空の空の下
100/113

please kill me all the end

その温かさを知っていた。

だから聞こえなくても分かる。

「後は

頼ん、だ

夏七、子を

あや

  ね




最後の最後

振り絞った

最期の最後

自分の心を

掴んだ


今の俺にはもう

彼女(あやね)の血肉になる事しか

彼女の役に立てるとは思えない

だからせめて彼女が苦しまないように

自分で

彼女達には生きていて欲しいから

自分が


 それがもっとも綺音(かのじょ)を苦しめるのだとも

知らずに 


「 あ ぁ  あ …  … 」… … _


サ イ ゴニ ヤ ット ワ ラ エ…タ  ――




 「きっと誰の心にも残らないよ。」

「私はそれでいい。

それなら死んだほうがマシだから。

だから、あなたが生きればいい。

(アタシ)として。」

「それは出来ないよ。

真斗と同じ世界では生きられないから。」

「訳わかんないよ!どういう意味なの!?

好きならそんなの関係ないじゃん!!

だから真斗はこんなにも頑張って!頑張って、」

「だからだよ。

だから一緒には居られない。


そうすれば(まさと)はずっと ずっとずっとワタシだけを愛し続けるから


私は真斗の心の中に残り続ける


「だから綺音(あなた)は生きていて。」

そうして目が覚めた。

待てよ…待ってよ ウソつき、

嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき!嘘つき嘘つき嘘つき!!!なんで(アタシ)が生きてるの!?なんで綺音(アタシ)なの!?

朱音(アナタ)は!?

真斗(アナタ)は!!?


どうして

なんで

どうしたって

片足しかない私を愛せる?

私は嫌だ。

それは愛じゃない

それでも(ワタシ)はいいと言う

嫌だ

愛してくれなくていい

(アタシ)はただ

それでもただ真斗(アナタ)の側に居たかっただけ。


真斗が笑ってくれていればそれでよかった。のに。


もう真斗が笑う事はない。





「じゃあ死ねばいいよ」

胸を貫かれた。


さようなら、


(あたし)まだそっちにはいけない。


「何!?」


「お前が死ね」

それでも私は

真斗に

朱音に

楓に

『生きて』

と言われたから


「がぁっ!」

「死ね、死ね、死ね」


「あぁっ!っ!」

「私は、私は!」


「ああああああ!!」


「  ぁ      !…!」


「……。」






俺はお前じゃない。


俺はお前じゃない、お前の両親もお前じゃない。

だから、世界は変えられない。

諦めたわけじゃない、ただ、受け入れただけ。

だから、諦めきれない。

待ってろ朱音、

綺音なら世界を変えられる。

身勝手極まりないけど、

今の俺はもう笑ってやることも出来ないから、

せめてお前の心の思い出として、、

都合がいいけど、だからこそせめて綺音には

生きていて欲しい。


心からの願いだ。

最後の願いだ。

今際にみた夢は夕暮れで



覚えている。

ここからの帰り道を。

覚えている。

帰った後のことを。

覚えていない。

帰った後の後のことを。


4人で仲良く食卓を囲んでごはんを食べる。

そんな夢を


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