第三話 side:ダフォンの苦難
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お嬢様には困ったものである。
とても傲慢で、何においても、気に食わないような顔をする。
イブの執事を長年勤めているダフォンはため息をついた。日々のストレスはドッと溜まるばかりであった。
そして、はじめてエルフの国を出る際、ダフォンはイブ姫にこう頼まれたのである。
「威厳を保つために、強者感を出してちょうだい」
エルフ代表として人間界に向かう二人が、人間たちに舐められるわけにはいかない。
そういう想いで、ダフォンたちは屋敷に着くやいなや、早々に顔を出したのは、エーテル。
ダフォンは彼を見るなり、目を疑った。
な っ に 、 こ の イ ケ メ ン 。
スマートで可愛らしくて、なんて撫で甲斐があるのかしら、と。長くまじまじとエーテルを見つめ、おもわず目が離せなかった。
しかし、イブがダフォンの靴を踏み、ダフォンは「いけないわ、ダフォン。威厳よ威厳」と頭を振る。
イブがそのまま何も言わずに、屋敷に入ると、ダフォンは、それを参考にする。
強者感、強者感、と頭で繰り返しながら、ふっ、と鼻で笑い、
「人間は、ここまで汚らわしいのか」と言った。
(うっそー!! ごめんね坊や〜!!)
と心では全力土下座である。ついでに、これからあのイケメン坊やとの同棲生活を妄想しながらいつの間にかスキップをしていた。
◇
その後も、ダフォンは冷徹を演じた。
特に、料理が振る舞われたあの日。
白身魚の蒸し焼きとかいう香ばしい料理。人間とはこれほどまで料理の腕前があったのか、と感心した。
だが、
それをイブは無造作に床へ捨てる。
ダフォンは固まった。
(え、あれ食べれないの、あたし? こんなにも美味しそうで、何よりもエーテルちゃんが作ってくれた手料理を????)
理解が追いつかないの一言である。
その後もイブは料理を拒み続けた。
もう二日はそうだ。
持参した食料で空腹は凌げている。だが問題はそこじゃない。
――目の前で料理が捨てられること。
――それを、エーテルが一人で拾うこと。
見ていられなかった。
(エーくん……ごめんね……)
そして、ダフォンはついに閃く。
(内緒で食べればいいのでは?)
名案だった。
翌朝、イブがまだ眠っている時間。
ダフォンは調理室に向かい、エーテルを見つける。
そして、自らに言い聞かせる。
強者感、強者感。
ゆっくりと手を広げ、どこか神々しく、謎に意味深に言う。
「私がお前の料理、食べてあげよう」と。
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