第百話 『三つの鍵』
祝第百話&五章終幕!
アカツキは静かに手紙に目を通していた。
魔力がほぼない筈のヨル。だが綴られた文字にはそれがしっかり込められていた。
魂は精神と魔力の融合体。
アカツキは手紙を持つ手を無意識にトントンと叩きながら考え込んだ。
治癒魔法や魂葬魔法は強靭な精神を持つ者にのみ、与えられる……神をも縛る教皇から。
たった十四、五歳の少女が綴る健気な手紙。アカツキはちらり、とリトを見遣った。
これを読んだリトが何を考えているかなど、目を使わずとも手に取るように分かる。
アカツキは静かに目を閉じた。
天とやらが精神世界ならその空間の魔力濃度はさぞ高かろう。其処を通り、神へ到達し、呪いをかけている教皇の精神は底知れない強靭性を持つ。
目を開らき、勝手に手紙を詠んだであろうルシアンを見る。人並みに魔力があれば文字を綴る時。意識せずともそれは込められる。
アカツキやルシアン、やろうと思えばディーノ、アル、ヤツラギなどのように特殊な魔力の見方をする者には其処に込められた魔力で詠み取れる。
王都襲撃直後。リト達には魔王と神は別物と言ったが……。
アカツキは再び目を閉ざしこの場に居ないルナに思いを馳せた。
魔王の言葉。『神となるには己の抱える膨大な魔力と、周囲から吸収し取り込む魔法と、肉体の保全が必要不可欠』。
リト・ヨル・ルナの三つの鍵と呼ばれた存在を思い浮かべながら考えに耽る。
魔王はただの付属として扱っていたが、今回のカーニバルの存在を聞いた時から抱いていた疑問がある。
トントントン。アカツキが組んだ腕を叩く。
カーニバル同様、魔力と記憶を奪い続けたのに何故魔王は暴走を起こさなかった?
再三、目を開けリトを見つめた。
先日杖を試した夜。
おそらく「天啓」を受けたリトが明け方目を覚ました時……その瞳は金色に縁取られていた。
気配に敏感なアカツキなのだ。リトが跳び起きて気づかない筈がなかった。
ルシアン、ヨル、ゼウシル、アダム……そして魔王。
再びルシアンに目を戻す。流石のルシアンも今回ばかりは気の毒そうにリトを見ていたがアカツキの視線に気付き「なんだよ」といちゃもんを付けるような顔をした。
歴代教皇も、彼女,彼らも皆。
アカツキはじーっとルシアンの目を見つめ続けながら考えた。
記憶、魂……果ては精神世界の神の力に触れる能力を持つ者の瞳は金色だ。
アカツキがあまりに見つめるため、ルシアンは逆に狼狽し始めた。包帯を素早く巻きつけて目を隠す。
ピタ。
アカツキの指が止まった。
◇◇◇
「リト」
嗚咽に震えていたリトは名を呼ばれ微かにそちらへ顔を向けた。
「教会がヨルを確保したのはその為ではない」
リトは俯いたまま目を見開いた。アカツキは自分の考えを目を使って見たのだろうか。
「お前の考えそうな事など目を使わなくても分かる。魔王の再来として魔力を奪わせる為に使うなら何故魔法が発動したのに経過観察に止めていたと思う」
えっ?
リトは思わずバッと顔を上げ、脇の激痛に苦悶した。
「リトくん、あんまり動かない方が……」
エルが今度は優しく支え、体を起こしてくれた。
アカツキは鮮やかな青い瞳で、いつになく厳しい顔でジッとリトを見ていた。
「不確かな情報に左右されて勝手に心折れるな」
「おい、アカツキ」
アカツキの叱咤を見かねてルシアンが口を挟もうとした。
「魔力を集めるならば魔力抽出機とカーニバルがあれば事足りる。カーニバルは不発に終わるだろうがな」
リトはまだポカンとしていた。
「以前、魔王と神は別物と話したが……かつて魔王が神になる為の条件として話した
『己の抱える膨大な魔力』、『周囲から吸収し取り込む魔法』、『肉体の保全』
が必要不可欠という言葉。そして
お前、ヨル、ルナ
という教会が求める『三つの鍵』とやら」
リトはハッとした。激痛も気にならない程の衝撃が駆け抜ける。
「何故もっと早く気づかなかったか……俺自身に呆れている。神になる為に必要なお前達こそが『完成体』とやらなんだ」
アカツキは自身の頭に手を当てた。
「ルシアン、ヨル、魔王、そして先日天啓を受けた直後のお前。
神のいる天……精神世界に触れて神の力の一端を得られる者たちの瞳は全員金色だ。
勿論歴代の教皇達も……」
「えっ僕もっ?アイターッ!」
リトは大きな声を上げてしまい激痛に叫んだ。
「ああ、天啓を受けた後、目を覚ましただろう。その気配で俺も起きた。その時のお前の瞳は金色に縁取られていた」
アカツキは口早に捲し立てた。
いつものアカツキならそこで少し止まる筈。今は……ちょっと興奮しているようだ。多分。
「当然、教皇の後継者であるアダムも金の瞳を持つ。昨日話したエラルメルカの話、初代教皇は自身とその後継に神の力を縛りつけた。
だがそれも完全ではない。魔王や、ルシアン、ヨル、先日のお前、など金眼は不意に現れる。神が杖を通して立ち位置で選ぶのと同じだ」
アカツキは顎に手を当ててウロウロ歩き始めた。まるで、自分にも言い聞かせるみたいに。
魔法使い組は自分達の杖に目をやり、アカツキに目を戻しした。そして初めて見るアカツキの興奮した姿に戸惑っている。いや、リトも戸惑ってのだが。
「神の力を縛る教皇の精神は強靭性は最高位だろう。そしてその強靭な精神というのは魔力との融合体である魂とも言い換えられる。
そしてその魂、魔力、魔素の塊は生き物であればいつかは必ず天……精神世界へ還る。神のいる精神世界は底知れない魔力の濃度で満たされている。
その力に触れられる金眼の持ち主が強靭な精神を持たない筈はなく、それを通して魔力を得られない訳がない!」
アカツキはぶつぶつ呟き、歩き回り、考え耽っている。
「その証拠にヨルの綴った文字には魔力がしっかり込められている!ルシアン、だからお前にも詠めるんだ!」
ルシアンがハッと息を呑んだ。
「領主印や魔力文字等意識して込める魔力もあるが、無意識でも人が文字を綴ると魔力が込められる。広くは知られていないがな。
だがそれはある程度の魔力が無ければ込もない。ヨルの魔力は最下位だ。その上この手紙は急いている。そもそもヨルの魔力では込める事すら不可能な筈だ。
なのにこの手紙の文字には目の見えないルシアンが詠み取れるほど魔力が込められている!」
アカツキが手紙を半分振り回すように翳した。
ああ、お願いだから大事な手紙に乱暴しないで欲しい。
「だからヨルは記憶精査術に対抗できる。本当に秘密にしたいと思っている恋心、お前の事や、俺たち夜の巣の情報が出てこない!」
アカツキはもう半分叫ぶように大声を出していた。
それはそれはもう珍しい光景にルシアンですら面食らっている。リトも恋心なんて普通なら赤くなる言葉すら頭を素通りした。
「だからヨルは普通に生きていられる!周囲の空間や生物から気づかれもしない程の魔力を吸っているからなんだ。そんなもの微々たるものだ。
普通に動ける訳がないだろう!
魂が精神世界に満ちる濃い魔力を得ているから動けるんだ!本来金眼を持っていたのだろう。だからこそ魔王の心臓なんてものを埋め込まれて生きていられる!
魔王の心臓を埋め込まれたことによってヨル自身の魔力は低くなってしまった。だが金眼のおかげで魔王の魔法が発動するにまで適合した!移植された心臓の一部を取り除いてやればヨル自身は魔王の再来なんかじゃ無くなる!」
リトの頬を一雫。残った涙が伝った。
「ルナは失敗作と呼ばれていた。かけられた呪いが精神にまで及び成長できず、オルガが『調整』役につくまでは魔力が乱され、体が腐っていた。
それではとても『肉体の保全』とは言えない。オルガがつくまでルナは不老不死なのをいいことにありとあらゆる実験台にされていた。
呪いを最適化する為の。ルナが居なくなってもその研究は進められているだろう。だがそれほどの進捗が得られていない筈だ!
あんな呪いの適合者などそうそう現れはしない!不老不死の呪いは完成していない!だからルナは今も求められている!」
アカツキは熱に浮かされた様にしゃべくり倒した。
「そしてアーサーの呪いだ。魂の半身である精神が切り離されていたにも関わらず生きていたのは肉体と魔力の癒着のおかげだ。そのおかげで魔力を体に繋ぐのは精神だと分かった訳だ。
その精神が神をも縛れる教皇程強靭であれば魔力を他の肉体に繋ぐこともできるだろう!
アダムの狙いは其処にある!対象の精神を封印し、自分が乗っ取る!
そう、『完成体』であるお前の体をだリト!」
アカツキはビシりとリトを指差した。
「どうやってだかお前は最高も至高も飛び越えるほどの世界一の膨大な魔力を与えられて生まれた。本来ならアダムの手中で幼い頃に精神を断絶し肉体と魔力の癒着だけで生かして保管するつもりだったのだろう。
だがお前の母親は逃げ出した!だから辺境の村で生まれ、隠され、お前は成長した。それもとてつもない強靭な精神を持つまでに!」
「僕が……そんな強靭な精神を持っている……?」
リトが訝しむと
「お前は解呪の魔法なんてとんでもないものの使い手だぞ!!!天啓まで受けた!!!強靭じゃない筈がないだろうが!!!」
とうとうアカツキは怒鳴りつけてきた。魔力でリトの髪が後ろに靡く。
正直言って今のアカツキは、怖い。
「だから三人揃えなければならない!
だがルナの呪いは跡形もなく消えた!
ヨルは心臓を移植しなおせば魔王の能力なんて失ってしまう!
そしてお前は教皇……アダムにも勝る精神を持っている!!!
奴が野望を果たすのは大困難だぞ!!!
ハハハハハハハ!!!」
笑ってる。アカツキが声を上げて笑っている。
リト含め、ルシアンですら、その場の全員が縮こまって震え上がった。
怖い。コワイ。とってもコワイ。
悪い顔をして笑っているアカツキはタソガレそっくりで。リトはトラウマも相まって震えが止まらず隣のエルに抱きついた。エルもガタガタ震えている。
「ふぅ……。という訳でヨルの身の安全にはまだ猶予がある。ヨルの立ち回り次第ではこのまま大切にされる筈だ。
お前の頑強極まりない体を手に入れなければ魔王の体に適合した体を取り入れるなど危険な行為。慎重なアダムが犯す筈がない」
突然、すん。とアカツキは元に戻った。みんなして恐々と見つめる。
突如元に戻るのも怖いものだがリトは食い下がった。
「でもっ取り敢えず確保したヨルの能力だけでも先に手に入れようとしたらっ……!?」
その時。
リトの脳裏に映像が閃いた。
◇◇◇
オルガ、アカツキそしてリトと対峙する淡い水色髪の少女。
リトが少女に駆け寄ろうとし、それを阻止しようとしたオルガとアカツキは雪崩を打って迫った黒い鎖に呑まれてしまった。
二人の危機に振り返った瞬間リトも鎖に飲み込まれる。
前髪で表情の見えない少女の頬に涙が光る。
横から手が伸びてきてその頭を撫でた。リトの意識が遠のきかけたその時、黒い鎖が霧散した。
オルガとアカツキは跡形もなく居なくなっていた。
リトは激しい痛みと悪寒に襲われ動けない。少女を撫でたその人物がリトに手を向けた。
胸が黒い鎖に貫かれる。
糸で引かれるように意識が遠くなり視界が暗転していく。暗転する視界の中その人物は少女の胸を切り開いた。
叫ぼうにも力が抜けていき意識が消えていく。
フードを目深に被ったままのその人物は少女の心臓を取り出し、食べ尽くした。
視界が完全に暗転した。
暗く、冷たい空間の中。輝く大きな翼の生えた女性が舞い降りた。
白い髪をしたその女性は悲しそうに首を振った。
そして体を覆っていた翼をそっと開く。彼女に巻き付く黒い鎖の紋様。それがどんどん色濃く広がって行き……その女性は光に砕けて散ってしまった。
その瞬間リトはハッと意識を取り戻した。一瞬金色の燐光が淡く散った気がした。瞬きを繰り返す。
ソファに寝かされたリトをみんなが心配と驚きの表情で見下ろしていた。
「……天啓を見た、か……。何があった」
記憶がごちゃごちゃして思い出し辛い。だが最後の、白い髪の女性はハッキリ覚えていた。
どこかヨルに似たその人は悲しそうに首を振っていた。
「今、その行動は、……取るべきではない、と」
リトは今見た夢の内容をゆっくり、できる限り思い出しながらみんなに伝えた。
「淡い水色髪の少女はおそらくヨルだろう。お前がヨルを救出すべきでは無いということだろうな」
リトはバッと顔を上げ、痛みに脇を押さえた。
「ヨルを取り押さえるにも治すにも俺とオルガは必然的に対峙することになる筈だ。だがお前には他に成さなくてはならない事がある」
アカツキの言葉に首を傾げる。
「今の話を聞いて確信を得た。神をも縛る教皇の力……その正体は呪いだと俺は見ている」
リトは息を呑んだ。
「神なんて……人?、に呪いなんて掛けられるんですか?そもそも神なんて僕よりずっと魔力は高いはず……核を破壊することも可能なんじゃ……」
「お前に聞いた話では神はそう人と違わない。核を破壊して自らが崩壊してはそれこそ世界が滅ぶ」
アカツキはその疑問を断ち切った。
「人智を超えた様々な力の数々でさえ理論で言えば魔法の類だ。使えないのは人類がまだ辿りついていないだけか、文明が発展し過ぎて世界の崩壊を招かないよう制限しているか。
そのどちらかだろう。とんでもない魔力濃度の精神世界で魔力を受け取り、循環させ、人々に魔法を与える。
精神世界含む、この世界の管理人といった所だろう」
アカツキはトントンと長い脚で床を叩いた。
「最初に天啓を降ろした時」
アカツキは続ける。
「これも憶測だが……神は初代に限りなく近い場所にまで降りていた。そう、精神を繋げられるほどに。
世界を救った初代を見届けた神が遠い場所へ帰る前に。自分の近くから逃れられぬよう、力を搾取できるよう、広い世界を見渡す目を得る為に。
呪いを掛けた。代を継ぐ度により強固になる呪いを。
だが結果は。所詮最高位の力しか持たない教皇にその力は有り余った。予知も治癒も劣化版に過ぎない。……今回お前が何故、命を取り留めたか分かるか」
「杖が……生かしてくれたんですか……」
エルがちょっと驚いたようにこちらを見た。
「そうだ。杖を通して神はお前に魔力を与えた。事実レーゼンの治療がある程度進むまで、杖からはお前のものではない魔力が流れ込んでいた。
傷を癒そうとし、呼吸せずとも生きれる程の濃度の魔力が。魔力が高まると一時的に傷が塞がる事がある」
これにはリトにもエルにも心当たりがあった。以前エルが誘拐された時、リトは喉を切り裂かれ動けなくなるほどの大怪我をした。
だが敵がエルに対して暴力を振るった際に怒りによって魔力が湧き上がり、リトの喉の傷が塞がり、アカツキが駆けつける直前まで戦い続けることができたのだ。
「神は自分の領域に限りなく近い存在であるお前に未来を託している。そのお前を死なすまいとそうしたのかもしれない。
強力な治癒魔法の使い手でも骨折や臓器の欠損は癒せない。深い火傷を負った者の治癒でさえ、長い時間を掛けなければならない」
アカツキは鮮やかな青い瞳でリトを見つめた。
「お前が成すべきことはアダムがお前を乗っ取ろうと精神を繋げてきた瞬間。精神世界に居る神にかけられた呪いを解くことだ」
脳裏に全身に黒い鎖の紋様が現れていた女性の姿が閃く。
これこそがリトの成すべきこと。
「ヨルのことは任せろ。必ず俺達がなんとかして見せる」
アカツキはポン、とリトの頭に手を乗せた。
「今は心と体を癒し、休めろ。それからどう動くか、一緒に考えよう」
わしわしとリトの頭を撫でる。
「はい!ったたたた……」
気が抜けたせいで痛みが戻ってきた。
————「おい」
返事はない。
「おい」
「お〜〜〜い」
サンクメリにて。
タソガレは暇を持て余していた。頑なに返事も、こちらを見もしようとしない少女の顎を掴み無理やり顔を向けさせる。
「暇なんだよ。お喋りぐらいしようぜ?」
黒に近い紺色の髪に金色の瞳を持つ少女……ヨルはタソガレを睨みつけた。
「んな可愛い顔してっと襲うぞ」
ヨルが体を強張らせる。
「あなたは、「私を傷つけてはならない」と命令されています」
ヨルはタソガレの記憶を読んで気丈に言った。
「犯すのに傷つける必要があんのかよ?試してみるかぁ?」
ヨルの体が微かに震えた。と、そこでタソガレの手はアッサリ離された。
「ジョーダンだよ。それよりお喋りしよーぜ。暇なんだよ」
そんなことを言われてもヨルからタソガレに話すことなど何もない。ヨルはまたそっぽを向いた。
サンクメリに着いて、ヨルはみんなと引き離されて王宮に連れてこられた。
高級な調度品の数々、ふかふかのソファやベッド、丁寧に整えられた部屋。高待遇ではあるが常に聖騎士か、タソガレが部屋や、部屋の外に着いている。
実質軟禁状態だ。
理由はもちろん、リトへの囮だろう。こうして強固な罠に囲まれ、聖騎士やタソガレが着いている今、心の底からリトに「来ないで欲しい」と思っていた。
だから残した手紙には名前を書かず、別れを告げた。
「孤児院横の聖堂」
タソガレの言葉にぎくりとする。
「女神像のスカートの裏に何を隠した?
案外スケベだなぁ」
タソガレがヘラヘラと笑う。ヨルは貝の様に口を閉ざしていた。
「まぁそりゃいっか。もっと面白いハナシしよーぜ」
タソガレが向かいの椅子で手を組んだ。急に真顔になる。
こうするとアカツキそっくりだ。
「俺さぁー思うんだけど。このままじゃぁリトは俺の手には入らねぇって」
ヨルはまたタソガレを睨みつけた。
「まぁ聞けよ。だから取引しようぜ」
「何をっ!?」
「しー」
開きかけたその口をタソガレは鷲掴みにして塞いだ。
「この部屋……軟禁用の客室には盗聴魔法がかけられてる。声に乗った魔力で聞き取るんだとよ。俺は魔力が一切体から出ねぇ。だから喋っても問題ねぇってワケ」
ヨルは顔の半分をタソガレの大きな手に掴まれたまま睨みつけた。
「そう怖い顔してねぇで聞けって。お前にもリトにもまぁ悪いハナシじゃねぇんだよ」
タソガレはまたヘラヘラと軽率な笑みを顔に戻した。
「俺がリトを連れてサンクメリから出るのに協力しろ。
そしたらお前が本当は何のためににココに連れてこられて、お前が何者で、今まで教会に何をされてきたのか。
そして教会がリトをどうしようとしているのかを教えてやるよ」
ヨルは目を見開き、考え、目を閉じた。再び開いたその目には強い光が宿っていた。
お読みくださりありがとうございます。
これにて第五章終幕です。
一瞬アカツキが壊れました。興奮のあまり。
大発見でしたので彼も冷静ではいられなかったのでしょう。
アダムが何のために神になろうとしているかはまだ語られていませんが何をしようとして、どうすれば防げるか。対抗策が見つかりました。
夜の巣の、リトの。指針が定まりつつあります。
百話という大台に乗って終わりました。ちょっと嬉しいです。
これより第六章の執筆へ移るため少々お時間を頂きたく存じます。
物語もいよいよ終盤へと近づいて参りました。
次の舞台は果たして何処から始まるのか。
どうか楽しみにしていただけると嬉しいです。
もし面白い、続きが読みたい!と思ったらブックマークや評価、いいね(リアクションへ変わるそうですが)をしていただけると嬉しいです。
そして感想をいつまでもお待ちいしている雪明かりです。
小難しい文章でなくとも構いません。一言でも構いません。なんなら一文字でも……。リアクション機能が付くそうなのでそちらで表現していただくのも嬉しいですがお読みくださる皆さんのお声が聴いてみたいです。
どうかどうか感想をお投げくださると幸せます。
それではまた、第六章で。アデュー!ᐕ)ノ




