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繰り返しのゲーム  作者: 赤ずきん
繰り返された未来
63/74

裏切り者

 すっかり辺りの霧も晴れ、順調に歩いていく五人は危険な森の中とは打って変わり、笑顔を見せていた。


 だが、そんな中一人だけ辺りをキョロキョロとしている者が一人。


 ライムは辺りを見回して敵の確認をしている。


 (あの看板……何か意味がある気がする。それにラストって所で皆の死ぬ所なんて見たくない……注意しとかないと)


 皆が旅人と話をしている最中も聞いたふりをしながら辺りを見ている、そんなライムをアゲハは横目で見ていた。


 木々の隙間から太陽の光がさしこんでいる、今は朝方なのだろう。


 霧の水分が葉っぱにくっつき、雨でも降った様に濡れている。


 キャッキャッと騒ぐマカが不意にライムを見る。


「おーい、ライム?」


「……」


「? ライム?」


「……! な、何?」


あまりに集中しすぎてマカの声さえ届かなかった。


ライムは驚きながらマカの方へ振り向く。


するとアゲハが間に入り、見つめてくる。


「なんだ?」


「いやさ……ライムさっきから何見てんだ?」


「え、それは」


ライムが答えようとしたとき、旅人が急に話を変えてくる。


「君達……率直に言わせてもらうが良いかね?」


いきなりの話に四人は旅人にきょとんとした視線を送る。


「君達はもう体験してるかもしれないが、このゲームは少し小細工がしてあってねぇ、少しばかりめんどくさいのだよ」







旅人の口からでた言葉に四人は耳を疑った。


「君達は……私の都合上生きさせてやってるがね、もしもどうでも良くなったらすぐに殺すことも出来るわけであって」


淡々口調で話す旅人にマカが恐る恐る質問する。


「た、旅人さん……どうしたの「よって君達は駒なのだよ」!」


「ただ私の駒ではない」


マカの事も聞かずにそう付け足しすると、一気に振り返る。


そこにはさっきのように優しい表情の旅人がいるが、別人のように感じた。


「君達はこの世界で死んでもし生き返らなかったらどうなると思うかい?」


誰もが答えられなかった。


いや寧ろ答えたくなかった……というのが正解だろうか。


嫌な予感が張り巡らされて、誰も目線が会わない。




「ふん、黙りか、まぁそんなことはどうでもいい、それでは私事このゲームの開発者いわばボスからのワンポイントアドバイス♪」


そんな軽く言い回しているのがボスだとは到底理解しがたいが、皆次々と戦闘体制にはいる。


「いやいや、これから良いことを教えてあげるのに殺しても良いのかい? それに今ここに私は存在しない、意味のない事だよ、さてはて~君達にビッグチャンスをあげよう、私ももう疲れてきたし時間もない、今から言う名前の子を城に殺して欲しいのだよ」


そういうとボスは四人を睨む。


「最もその子がこのゲームのボスとも言える、私をも越えるボスさ、私はゲームの中では中ボスにすぎない」


「そいつを殺したらどうなるんだ!」


アゲハが睨みを聞かせながら相手に伺う。


「勿論、君達を解放してあげるよ、約束だ」


鵜呑みに出来るわけではないが、皆に少しばかり反応があったのを見て、ボスは名前を口にする。


「カシファ……その子だけを殺して欲しいのだよ、なぁに簡単さ今君達の中にいるからね、その子が裏切り者、いわば大ボスさ、君達をこんな目に会わせているのもボスの仕業、もしも失敗したら……」







「君達は現実でもゲームの世界でも死ぬことになるのさ」


そういうと旅人の姿が消え去り、辺りには沈黙が流れた。


マカはその名前を聞いたと同時に冷や汗が止まらなかった。


ライムも訳がわからず呆然としていた。


「……おかしいですよ、だって、そんな名前の人なんて居ません……」


ライトは皆に明るく振る舞うと気にしないように呼び掛ける。


マカは相変わらず何も言わなかった、ただライムを横目で見ていた。


旅を再開しようとしたとき、アゲハが足止めをする。


「いや、まだ知らない名前ならあるぞ」


「え?」


「だって、俺たち本名知らねぇだろ?」


アゲハの言葉にライムは動揺を隠せない。


するとマカがアゲハに答える。


「わ、私達は違う名前だよ?」


「俺達二人もそんな名前じゃねぇし、それにどう考えても女だろ? こう言うときは皆本名を言った方が簡単だ」


ライムの鼓動が少しずつ上がっていく、三人に視線を合わせられない。


そんなときマカが真剣な眼差しでアゲハを見つめる

「もしも、私がカシファだったら? どうするの?」


「……」


黙りするアゲハにマカはため息を吐きながら前に歩き出す。

「……私だよ……」


その言葉にライムは驚き顔を上げる。


「私がカシファだよ♪」


(何いってんの?)


「マカさん」


「だから、私を殺せば良いでしょ?」




マカはそういうと少し大人ぶった笑顔で皆を見た。




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