洋館の中
戦いを繰り広げているなか、ライムとアゲハはひとつの杖に溜め息を吐いていた。
最後までシールが剥がされると、そこにはあまりにも信じがたい光景が……
《これは売り物ではありません》
「……」
「……」
「よし、俺たちも戦おう」
「そうするか」
と、いっている間にも戦闘は終わり、何も知らないしマカが満面の笑みと自信に満ち溢れながら帰ってくる。
「簡単だったよ♪杖はどう?」
「?杖がどうかしたんですか?」
疑問符を頭に浮かべるライトに一通りの説明をし、マカにこの杖は使い物にならないことをつたえる。
「えぇ!?それじゃぁ魔法出せないのぉ!?」
「残念ながら」
「てゆーか、どうやったら展示品と売り物間違えるんだ??」
「やだなー、これは売り物って書いてあったからだよ♪」
「普通に考えて、品物に書くか?」
「んー、言われてみれば……」
「だよな、まぁ、予備のがあってよかったぜ、さっさと先に進むか。」
いつものマカのおっちょこちょいを越え、一行は更に城の奥へと道なりに進んでいく。
歩く音も聞こえなくなり、雨の滴る音が途絶えることなく流れていた。
さっきのマカのおっちょこちょいでライムも少し気が紛れたのか、ライトの腕にしがみつかずに歩けるようになっていた。
辺りはやはり暗く、ランプ無しでは到底歩けないだろう。
所々の床も軋みがひどく、ミシミシと音を立てながら進んでいく。
いくつもの部屋があるが、それはどれもカビ臭く、長居出来るところではない、今の場所でさえかび臭いのに、これ以上かび臭いのはごめんだ。
ライムとライトが先頭を歩き、マカとアゲハは後ろからついていく。
「……でさ、どこまで行くんだ?」
ライムが辺りに怯えながらアゲハに質問する。
「ん?最上階まで♪」
「無理だわ……」
今は二階、五階建ての建物だったはずだからまだUターンも来ていない。
「こんなことして意味があるの?」
「んー……ねぇな」
さらりと聞きたくない答えを出すと、ライムはUターンし始める。
「……よし、帰ろう」
「かえるつったって、どうすんだよ、玄関は……マカが。」
「うぅ、ごめんなさい……」
反省するマカにライムは辺りを見回しながら不気味な雰囲気に飲み込まれそうになるほど、嫌になってきていた。
「いや、マカのせいじゃないから」
その時、何処からともなく床を踏み外すような音とライトの叫び声が聞こえた。
「どうした!?……て、ねぇちゃん。」
三人は勢いよく振り向くと片足を踏み外しているライトが必死に脚を抜こうとしていた。
「あいたた、すみません、床壊しちゃいました」
「大丈夫か?」
「う、うん。」
三人はライトに近づき一気に引き上げようもしたのが悪かったのか、軋む音が大きくなり、ついには四人の周りの廊下が剥がれ落ちる。
「また一階に逆戻り……」
「うわぁぁぁあ!」
「す、すみませーん!」
「おぉお!」
だが、四人は一回だけではとどまらず、穴が空いていたキッチンを通り越して、地下へとまっ逆さまに落ちていき、埃が舞う。
「っ!いってぇ!」
アゲハは一番に目を開けると、手元にあった辛うじて無事だったランプを手に取り、辺りを伺う。
まだ埃が舞っているためか視界がボヤけるが、一階とは雰囲気がだいぶ違うようだ。
「み、皆……大丈夫か?」
アゲハは落ちる際に強打した腕を擦りながら辺りに灯を灯す。
「いたた、皆さん大丈夫ですか?」
瓦礫のしたから這い出てきたのはライトだった。
「だ、大丈夫でーふ」
マカも無事の様で瓦礫の間から手を振り勢いよく起き上がる。
「わ、私も何とか生きれた」
ライムも壁に凭れながら皆の安否を確認すると上を向き、状況を確認する。
「……だいぶしたまで落ちたな……ここ何階?」
「え?一階じゃね?」
でも、穴が2つあるってことは……地下?」
ライトの言う通り、自分達が落ちてきたであろう穴が2つ空いている。
上の方は灯を上に上げれば何とか目を凝らして見えるが、ここが地下であると言うことはあっているらしい。
「と、とにかく地下じゃ出れねぇし、階段を、見つけるしかないな」
「そうだな」
三人は立ち上がりどっちから探索するかを練っているとき、マカだけは一定の方向を見つめていた。




