吊り橋効果
(んー?何あれ……)
マカの視線の先にある暗闇には微かだが何かが動いているように見える。
目を細めてみるがやはりみえづらい。
そんな仕草をたまたま見掛けたライトもマカの視線の先を見つめる。
「どうしました?」
どこを見てるのか分からないのかまだ奥にいる物体に気づいていないようだ。
「んー?あれってなんだと思う?」
「?どれですか?」
「ほら、あそこに……」
マカが場所を指で示そうとした瞬間、その微かに見えていた奴が姿を表し、物凄いスピードでマカに襲いかかってきた。
「マカさん!」
ライトも必死にマカを守ろうとするがそれも虚しく
敵はマカに攻撃を仕掛ける。
ライム達も一斉に振り向くが、その時にはもうすでに目の前まで攻められていた。
「ブレイクフレア!!!」
マカの声がした瞬間、敵は一瞬で火に飲み込まれ、辺りから炎帯びた岩が出現し、敵に見事命中する。
「ふぇー、驚いたー……」
必殺一撃で相手を仕留めながら冷や汗を拭くマカにライトはすかさず声をかける。
「だ、大丈夫ですか?!」
「な、なんとか、ハハ」
まだ少しびっくりしているようで、苦笑いをしている。
「マカ!大丈夫!?怪我はない!?」
ライム達も近くに寄ってきてまだ何がどうなっているのか状況が理解できないまま消え行く敵を目にしていた。
「マカ、強いんし、頼もしいな♪」
アゲハがマカに思っていることをそのまま素直に言うと、その言葉がマカの心に突き刺さる。
「え!?そ、そ、そうかな、アハハ……」
(ガーーン!!!!ショック……せっかく吊り橋効果が……真逆じゃない……)
「?どうかしたか?」
「……な、……ナンデモナイ……です」
「?」
ショボショボとするマカにアゲハは何がどうなっているのか分からず、俯くマカの頭に手を乗せる。
「!?え!?」
「頭打ったか?どっか痛いのか?」
その時マカの瞳には映ってしまった。
アゲハという白馬の王子さまが。
「……ううん!!!全然いたくないよおぉぉぉ!!!」
「!?そ、そうか?」
いきなり元気になるマカをみて少し体が引くがアゲハもまた内心思っていた。
(面白いやつだな♪)
そしてその光景を密かに見つめる監督がいた。
(……マカ……もしかして)
それはライムだった。
少し前から変だとは思ってはいたが、まさかここまでになっているとは、ライムも思いはしなかった。
そしてそれをまたライトも微笑みながら見つめていた。
(マカさん……まさかね…)
「と、とりあえず!先に行こう!!」
「そうだな♪って……二人とも、何見てんだよ」
「別にー」
「ふむー」
と、良いながらもジト目でこちらを見つめる二人。
「?」
「?」
二人も首は首を傾げながらも、とにかく一階へ続く階段を探すことに。
ランプも何個か壊れていまい、残りのランプでやりくりしながら先へと急ぐ。
だがこの時も二人の目線は常に前を歩いているマカとアゲハに向けられていた。
「ランプひとつじゃ暗いね~」
「だな、足下見えるか?」
「うん、大丈夫だよ」
そんな普段の言葉にも耳を傾ける二人に少々の疑問を抱きながらも、階段を探す。
だがそんな事を続けてさ迷っていると、耳鳴りの様に低い声が聞こえてきた。
「出ていけ……」
「ヒ!!」
その声に一番早く反応したのはライムで隣にいたライトにしがみつく。
「な、なんですか?この声は」
ライトも辺りを見回し、マカ達もライトに寄り添い出来るだけ密集する。
「出ていけ……ここはお前達の来る場所ではない、出ていけ」
「な、なによ……なんなのよぅ……」
「ここから……出ていけ!」
すると、場の空気を乱すようにアゲハが頭の上で腕を組ながら率直に答える。
「いやだからさ、出て行き方が分からねぇんだよ」
アゲハの出した答えに暫しの沈黙が入り、静まったかと思った瞬間だった。
急にランプの光が弱くなり完全に消えてしまう。
「ひぇぇ、な、何!?」
ライムはパニック状態になりながらも、真っ暗になった辺りを見回す。
「……出ていかなければ……殺してやる!!」
その地鳴りの様な声がすると、真っ暗な中、全身紫色に淡く光る霧を纏った宙に浮いた巨大な蜘蛛と兵士が合体したような敵が表れた。
「ひいいぃ!!鎧武者のお化けぇぇぇえ!!」
「ら、ライムさん!!よく見てください!あれはお化けでは無いですよ!?」
「……あ」
「殺してやる……殺してやる……皆殺しだぁ!!!」
「くる!」
四人は戦闘体勢に戦いが始まった。




