廃墟の呪い
歩き始めてどれくらいが経つだろうか? 急にマカの足が止まる。
「ん、どうした? マカ」
「うーん、このままじゃ永遠にライトと会えないよ、ずっと歩いてるし……ここは私に任せて!」
そういうなり急にアイテム欄から魔法の絨毯を取り出す。
「よーし! スピード出すよ、アゲハ君も乗って♪」
マカは絨毯に飛び乗ると、アゲハに手を差し伸べる。
「え!? お、おう!」
アゲハも乗り込もうとした時、マカは前を向くと出発!! と良いながらもうスピードで絨毯を動かし、乗りきっていなかったアゲハは振るい落とされそうになるのを必死に耐えていた。
「マ、マカ! スピード出しすぎだぁ!!死ぬ~! マジでウケるわ死ぬからぁ!」
「大丈夫♪安全運転だから♪」
「こんなにスピード出してどこが安全運転なんだ!?」
「じゃんじゃん行きます!」
「あっちの逝くになりそうだ……。」
なんとか振るい落とされずに町まで辿り着くが、アゲハは命からがらなよ様に絨毯に項垂れる。
その町は静まり返り、人はいるが皆俯きながら、歩いて誰として喋らない……黒い雲も町を多い尽くすようにして、辺りは昼だと言うのに暗かった。
「暗い町だね……だ、大丈夫?」
「……お、オゥ……」
「よし!それじゃこのままライトを見つけよう!」
「え!?」
嫌な予感しかしなかったアゲハはマカに下に降りて探した方がいいとあれこれ説得しやっと地上へと降り立った。
「と、とりあえずさ、宿とかに行ったらいると思うんだ、まずはそっからだな」
「ライムも居たら良いな」
マカはあちらこちらを見ながらとにかく宿の看板を探す。
アゲハはというと空を見上げ黒い雲を見ていた。
「すげぇ曇ってるな……ん?あれは……)
視線を前方にずらすと、向こう側はかなり暗く、よく見えないが……何かがいかにも出そうな廃墟の様な建物が目につく。
(……見なかった事にしよう、よし、そうしよう)
視線をそらし、宿探しに専念しようとした時、懐かしい声が後ろから聞こえ、二人は振り向いた。
「二人ともどこいってたんだ?」
そして、二人は暫し固まり、マカは一気に飛び付く。
「あ!あぁぁあ……ラ、ライム~!!」
「え!ちょ!」
そう、後ろから声を掛けたのはライムだった。
「ライム!ごめんなさい……あの時……私きつくいって……本当にごめんなさい!」
マカは一歩下がると頭を下げながら謝る。
「い、いや、あたしこそ……ごめんね、マカの気も知らないで……悪いこと言っちゃったし」
「ううん、ライムは悪くない、だから……まだ私とお友達続けてくれる?」
「……! うん! こちらこそ!」
二人が仲良く笑いながら握手をしているとき、申し訳なさそうにアゲハが中に入る。
「あのー、仲直りの途中凄く申し訳ないんだが……ライム、ねぇちゃん見たか?」
すると握手をほどき、ライムはアゲハの顔を見ると、先ほどまでの可愛らしい笑顔は消え去り、鬼のような恐ろしい顔に早変わりする。
「……アーゲーハー……あんたライトさんに何したのよ!」
「えぇ!? な、何もしてねぇよ!」
「何かしたから一人で歩いてたんでしょ!?」
「い、いやだから」
「今宿に居るから!さっさといって謝って来なさい!」
そう言うなり背中を押されるがままに宿に入りライトの居る部屋へと辿り着く。
ノックするとライトの声が聞こえ、ライムはアゲハに早く入るよう手で合図を送る。
「アゲハ、ライトと仲直りしてきてね♪」
「早く行きなさい。」
「わ、わかったって。」
アゲハは中に入ると、そこにはライトがベッドに座っていた。
ライトもビックリしていたがすぐに俯き、目線をそらす。
「……おかえり」
「おぅ。」
「……」
「……」
沈黙が続くその時だった。
急に風が強くなり、辺りの暗さが一層増していく。
窓も風でカタカタと揺れ始め、ライムたちも異変に気づき、中へと入ってくる。
「ライト♪ただいま♪」
「マカさん!良かったです、無事で、お帰りなさい。」
すると、町の人達は一斉に家へと入り、町には一人もいなくなる。
「何かおかしい……どうしたんだ?」
ライムが窓を開けようとしたその時、宿の亭主が丁度通りかかり慌てながらライムを止める。
「や、やめてくれぇ!窓を開けるな!」
「え」
亭主は窓に鍵を掛けると分厚いカーテンを閉め切り……その場に座り込む。
「どうしたんですか?」
ライトは亭主に手を差し伸べると亭主は自分で立ち上がり、険しい顔をして四人に語りだす。
「き、君たちは旅人だから知らないと思うが……実はこの村は呪われているんだ」
そう言いながら亭主は部屋の明かりを急いで消し、持っていた一本の蝋燭を手に持ちまるで怖い話をしているような雰囲気で四人は聞き始める。
「じ、実は何十年も前…この納めていた主べルモンド家がいたんじゃ、じゃが、その膨大な権力を使って田畑からは無理やり食物を奪ったり、奴隷狩りをしたりと酷いもんじゃった……そこで主と肩を並べるほどの権力を持ったケティラ家が、奴の家を燃やし殺した……これで全ては終わった……そう思ったある日、そのケティラ家の当主が首吊り自殺、妻は何者かよって切り刻まれ暗殺……今でも犯人は見つからん…小さい赤子も川に落とされ死んでいた……これは奴らの呪いじゃ……そして、それは町まで及びこんな暗くなり風が強くなる時は……町の誰かが……消えるのじゃ……そこにいたはずの誰かが……そして、よく見かけるのじゃ……町ににべルモンドの焼け爛れながらも怨念に満ちて、苦しみながらさ迷う姿や、ケティラ家に妻の血だらけの姿、赤子の泣き声、首を吊った当主がこっちを見て血の涙を流すのじゃ……だから、皆こんなときは絶対に外には出ん、あなた方もでないほうが良いぞ。」
話を終えると、亭主は蝋燭を持ちお辞儀をして、扉をゆっくり閉めた。
「……」
「……」
「……」
「……」
亭主の足音が小さくなると四人は向かい合い、カーテンを見る。
風は吹き荒れ、音を立てている、到底外には出れそうにない。
「よ、よし、寝よう……」
「いや、今昼だろ」
ライムは布団に潜り込み寝る身支度をしているときアゲハは突っ込みをいれる。
「いや、だって、今は活動できないし……寝よう?」
「俺に聞くなよ……ライム、もしかしてこわいのか?」
「べ、別に」
「お化けなんて居るわけないだろ?それにこれはゲームだ、本当の幽霊じゃねぇよ♪」
「だったら一人で行ってこいよ焼け爛れたべルモンドに食われるぞ」
「ぷぷ♪やっぱり怖いんだな?」
「う、うるさい!だったら行ってやるさ!! 行けばいいんだろう!?度胸試しだ!!」
「望むところだぜ!」
すると、二人の間にマカが入り今日は暗いし亭主さんの言う通り大人しくしていようと話を固めると二人はベッドに座りまだかと時計を見つめていた。




