守る心
…あぁぁん!
「…誰?鳴き声がする…。」
…あぁぁ!いやぁぁ!
「…聞いたことのある声だなー…いっつも聞いてる…これはあたしの声。」
…あさん…うさん。
「…悲しそうに聞こえるのは…私が泣いているから。」
…が、…した!
「…。」
あたしが殺した!!
「!!」
その小さな私の顔は…崩れ落ちていった。
「…全部…夢なんだ…あの頃から…全部夢!夢!夢!夢!お願い!目を覚まして!覚めて覚めて覚めて…
このくらい谷底からあたしを引き上げて!
あたしも、泣き崩れた。
ライトは剣を片手に辺りに気を付けながらも歩いて、時折アゲハの姿を見て、安全を確認するとホッとする、その繰り返しだった。
「アゲハ!大丈夫!?」
「だーかーらー!大丈夫だっての!さっきから何回めだよ!」
イライラしながら頭の上で手を組、ライトから目線をそらすアゲハを見て、一安心する。
「あ、ご、ごめんなさい…(ホッ、良かった。)」
逆にアゲハも周りを見て、敵が来たら防御出きるように、集中する。
滝と書かれてあったが、なかなか滝には着かず、一本道をとにかく進んでいた。
(敵が来たら武器を持ってる私がアゲハを守らないと…。)
(敵が来たら俺がねぇちゃんを守らねーと…来いや!)
と、お互いに思っているようだ。
その時近くの草むらが急に激しく動き出す。
「「来た!!」」
ライトは今度こそ狙いを定めて剣を降り下ろす。
だが、当たった感覚がしない。
よくみると林の間から小さなウサギが出てきた。
「な、なんだ…ごめんなさいね、ウサギさん…。」
とりあえずはウサギに怪我は無かったのでそのまま座っているウサギに手を振り、安堵の表情を見せる。
「ねぇちゃん焦りすぎたろ♪」
アゲハはニヤニヤしながらライトを見ていた。
「な、なによ…アゲハだって来たって言ったじゃない!」
ライトは少し頬を赤らめ恥ずかしそうに怒るとアゲハに突っ込みをいれ歩き出した。
「え?!…あ、あれは!ウサギが来たって言ったんだって!マジだって!」
慌てながらもウサギを一度見ると、慌ててライトの方へ歩き出した。
ウサギはそれを座ってじっと二人を見つめていた。
「どうだか…まぁ、敵が来ないうちに行きましょう。」
ライトがそういった時だった。
グガアアァァァ!!!!!
なんとも言えない地の底から鳴っているような怪物の叫び声と共に二人は驚き振り向くが、そこには一匹の先程のウサギしかいない。
「え…い、今のは?」
「…知らねーよ…なんなんだ!?」
二人が驚いているその時だ。
急にライトの後ろの林が激しく揺れる。
「!?こっちから!?」
「ねぇちゃん!」
ライトが急いで剣を引き抜きながら振り返った時だ。
「アゲハ!?」
とっさに両手を前に出し、呪文を守備唱える。
「マジックバリア!」
すると、ライトとアゲハは全体をバリアで包まれ、相手の攻撃が一切聞かなくなった…と、思ったその時だった。
グガアァァァ!!!!
そいつの持っていたドリルは簡単にバリアを突き抜け、アゲハの体を貫通したと思ったら二人の姿はどこにもなく…ただ、リセットしますか?とコンピューターの声が鳴り響いていた。
「そ、そんな…。」
ライトの顔からは希望ひとつ感じられなかった。




