二人は名探偵?
…
………
ここは?
暗くて…終わりがない世界に私はいた。
「…ご………れ!」
聞き覚えのあるような声が聞こえる。
でもこの声の主が…私には思い出せなかった…といったら良いのか?
いつしか私はその声も、顔も忘れているのかもしれない。
きっとそれは大切な、大切な何かだと思うのに…思い出せない。
「…誰か…いるの?」
「…ァ…な。」
??
「…ごめんな。」
その声がハッキリと聞こえた瞬間ゆっくりと私の体が崩れていった。
不思議と怖いと言う感情は無かった、なぜだろう?
足が全部消えたと思ったら、今度は腰、腹、胸、首。
私はとうとうその場から消えてしまっていた。
「…ハ!アゲハ!」
「はぁ!」
ゴン!!
肩を揺さぶられて目を見開き、驚いた表情を見せながら起き上がったアゲハと心配そうに顔を覗き混むライトはお互いのおでこをぶつけ合う。
「いっったぁい!!もう!もうちょっとゆっくりと起きてよぉ…。」
「あ…ぐっ!い、イテェ…ヨ…。」
両者ともに目に涙をためながら両サイドに踞り唸りをあげている。
「ネ…ネぇちゃんこそ…い、石頭だよな…。」
「わ、悪かったわね…。」
「(認めた!?)い、いや、仕方ないけどな…。」
なんでこうなったのかもわからないまま話が流れていきライトから先程の話を坦々拍子に聞かされ、そして今に至る事を知ると、二人は前に立ちはだかる二つの別れ道の看板をもう一度みる。
「んー、そう考えると滝の方に進んでみるか?」
「そ、…そうね。」
ライトはまだ額に手を当て、涙を貯めている。
(あれ?もしかして俺の方が石頭?)
と、下らないことを考えているとライトは先に進みだし、アゲハもライトの後に着いていく。
だが二人はことのき妙に引っ掛かっていた。
(俺は戻ってこれたのに、なんであの二人は戻ってこない?)
(アゲハは戻ってこれた…何故二人は戻らないの?)
そう思いすぐに言い出したのはアゲハだ。
「なぁ、ねぇちゃん?」
アゲハの問いかけに振り向き、真剣な顔をしてライムは立ち止まる。
「んー、なんかさ…このゲームやっぱり、おかしいと思うぜ?なんで俺は生き返ってるんだ?」
アゲハは頭の上で腕を組み、辺りに気を付けながら話を切り出す。
「んー、私もそう思ってたんだけれど…もしかしたら何か条件があるのかも…。」
ライトも腕を組み辺りをチラチラと見ながら考えるが、それ以外に理由が見当たらない。
「どういう?」
「それが分からないから困ってるんだけれど…例えば…嫌な話だけれど怪物に食べられたら生き返れないとか?」
「じゃぁマカの時は?」
問題点を突かれもう一度考え直すライトを見て、アゲハも考え出す。
「…俺さ…このゲームそもそもがおかしいと思うんだよな…。」
「うん。おかしいわよね。」
「いや、そうじゃなくってさ…。」
「え?」
自分と思っていた事と違うことがあるのかと首を傾げるライトにアゲハは1・2歩前へ前進しながら説明し出す。
「よーく考えるとさ…このゲームって100人限定だろ?なのに他のプレイヤーと最初に会っただけて一度も合ってない…もし他のプレイヤーがいたら俺たちと同じようになってるとおもうんだ。」
「…言われてみれば…そうよね…最初の町を出たときから合ってないわね…。」
アゲハの真剣な話に思い返しながらも、頷くライトをみて、話をつづける。
「な?もしも他のプレイヤーがいたらおかしなゲームを止めるために…他のプレイヤーも探すと思うんだよなー、だって四人より人数は多い方が良い…だろ?」
「そうよね、皆で知恵を出し合った方が良いわよね…。」
「なのに誰とも合ってない…これっておかしくねぇか?まぐれ過ぎるだろ?」
「んー、そう…よね?」
「それに敵のレベルが一気に上がっている…ほかにもあるぜ?なんでそんな人数制限のあるゲームが二本とも当たったのか…マカもそうだった…普通はあんまりないぜ?これもまぐれか?」
「んー、!!!まさか!」
ライトの反応を見て、その通りと言うような顔をしながら頷き、アゲハが真実を暴き明かす!!
「そう!!これは奇跡と偶然繋がって起きたトラブルに違いない!!!」
はずだった…。
「結局なんなのよー!!」
ライトに鋭い突っ込みをくらい、縮こまるアゲハはしょげながらこう話す。
「だ、だからさ…も、もう一回試してみようぜ?って、っていうことなんだってさ。」
「そ、そうよね、よしわかったわ!!」
ライトはそう言うとメニュー画面を開き、再び終わることが出来るか試してみる。
「もしも偶然だったら!!ライムたちも偶然帰れたってことだよ!」
そして何分かそこにいて、色々と試してみた結果。
「…やっぱり…。」
「へ?」
「…ダメだわ…。」
「ええぇぇぇぇえ!!」
何故自分の完璧な推理が通らなかったと思い、重く石がのしかかっているような気分に陥る。
「…もしかしたら…。」
その時今までのアゲハの推理を聞き今度はライトが結論を述べる。
「…もしかしたらだけれど…この四人の中に凄い悪運の持ち主が居るのかも…。」
「!!それだ!!!」
と声では言ってないが正に顔に書いてあるように目を輝かせる。
「となると、マカさんか。」
「ライムのどちらかだな。」
「そういえばアゲハ小さいころからくじ運物凄く悪かったわよね?」
「んな!!!それは!かんけーねーだろ!!」
と、あーだこうだと言ってるうちに日は沈むのであった。




