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繰り返しのゲーム  作者: 赤ずきん
繰り返された未来
14/74

死んだ町 (前編)

小さな森を抜けると、そこには先程の町とは違い真ん中に人工のダムが作られ、その真ん中を流れる大きな川を隔てて二つの町があった。


右側は建物や塀も小さく、見た感じで畑や家畜を飼っているのか、自然豊かな町。


もう一方は塀も丈夫で、綺麗でおしゃれな家が立ち並ぶ少し大きな町だった。


大きな川には二つの丈夫な橋が掛けられていた。


「うっわー!どうする?どっちに行こうか?」


マカも目を輝かせ二つの町を見渡していた。


「隣同士でこんなにも違うんだな。」


ライムは冷静に町を比べながら苦笑いをする。


「うぉー!やベーな!双子みたいだ!!」


「それに、綺麗な川ですね。」


ライトの言う通り、川の水は透き通り、そこまで綺麗に光が通って見えていた。


「ねー!左の町から行こうよー!何か仙人とかいそうじゃない?」


マカが指差すと三人も頷きながら、進み始めた。


町が近くなるにつれて、どんな町なのかと胸が高ぶる。





だが、そんな期待は着いた時早々壊されるのだ。


「…なにこれ。」


思わずライムは声をあげる。


そこには想像していた町よりもはるかに違う。

違いすぎてまるでさっき遠目で見ていた町では無いようだった。


畑はあるが、農作物は枯れ果て、家畜は一匹も姿を見せない。


いや、いないのかもしれない。


家のドアは木を打たれて入れなくしてある。


人っ子一人いない。


そんな寂れた村だった。


真ん中に備え付けてある井戸はもう枯れ果て水も無かった。


「寂しい町だね、皆隣の町に移動したのかな?」


マカが隣にある町を見ると、ライムも隣の町を見つめ、ある事に気づく。


「?何かさっき物音しなかったか?」


「え?しましたか?」


ライトは辺りを見回して音の元凶を探ろうとするが辺りには当然のように四人しかいない。


「あれ?何かさっき音が…。」


そういってライムが振り向いた時だった。


後ろにあった家屋の物陰から人が現れたのだ。


「わ!!ビックリした。」


とっさに声が出たライムにその女性も驚き身を引く。


三人もライムの声で、一斉にその方を見る。


「あなたたちは…。」


すぐにその女性はライムに近寄り、そう訪ねる。


「え、えっと旅人です。」


「そうですか…それではこのまちから早く退散した方が良いでしょう。」


彼女はそう言うと、驚かしてしまったことを詫びる。


「あ、あのー、…他の人はどうしたんですか?」


マカが思いきったように女性に聞くと、彼女は涙を流し始めた。


「この町から人が消えたのは全て私のせいなの…、だからあなた達もも私に近づかない方が良い。」


そうすすり泣きながら彼女はまた家屋に入っていこうとする。


「あ、あのー、でも私たち宿に泊まりたいのですが…。」


「…あの町に行けば宿があるわ…そこで休むといい、次の町まで遠いからね。」


そう言い残し彼女は家屋へと入っていった。


茫然と立ち尽くす四人は状況も分からずとりあえず、言われた通り隣町を目指した。


橋も遠くから見たら丈夫そうに見えたが、いざ渡ってみると所々に穴が開き、ギシギシと進む度に音をならしていた。


隣町に行っても人はおらず、ほとんど廃墟と化していた。


宿のプレートのかかった建物へと入り、今までの事を整理する。


「うーん、どうしてこんなにも人がいないのかなー?それにあの女の人も気になるし。」


マカが床に積もった埃を近くにあったほうきで掃きながら話す。


「さーな、ただこんなにも埃がたまってるって事は相当使われていないようだな、理由はわからんが…さっさと休んでさっさとこの町を出よう。」


ライムもそう言うとベッドにあった埃を落とす。


「おーい!マカ!ほうき貸してくれー!」


部屋に入ってきたアゲハがマカの近くにいくと、手を差し出す。


「へ!!?はい。」


マカは少し焦りながらも、アゲハにほうきを手渡しする。

「サンキュー♪」


「う…うん。」


下を向き顔を赤らめながらそう呟くと、アゲハも少し疑問に思ったように首を傾げる。

「?じゃ!いってくるぜ♪」


そのあとはいつものように部屋を出て二人で外でシーツを干して叩いていた。


「…おい、どうした?マカ。」


ライムは心配そうに近寄ると、マカは急に顔をあげ、何でもないと言い張り、せっせと床を綺麗にしていった。



「?」


疑問に思いながらも今はとりあえず掃除をするかと自分に言い聞かせライムもまた掃除に戻っていった。


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